EV世界販売が乗用車全体の半分を超える、2040年までに…ブルームバーグNEFが予測

日産 リーフ
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ブルームバーグNEFは5月19日、調査リポート「電気自動車の長期見通し2020」を発表した。

世界では現在、700万台以上の電動乗用車、50万台以上の電動バス、約40万台の電動バン&電動トラック、1億8400万台の電動スクーターや電動バイクが使用されている。そのうち、電動バスと電動二輪車の大半は、中国市場にある。

ブルームバーグNEFによると、2040年までのEV販売台数は、世界の乗用車販売台数の58%、自動車販売台数全体の31%を占めるという。また、電動バスはバス販売台数全体の67%、電動二輪車は二輪車販売台数全体の47%、電動小型商用車は小型商用車販売台数全体の24%を占めると予測する。

これらの予想値は、石油市場や電力市場に大きく影響する。自動車の電動化、とりわけ電動二輪車の普及により、1日当たり約100万バレルの石油需要がすでに消失しており、2040年には1日当たり1760万バレルの需要消失が予想される。一方、EV全車種からの充電需要による世界の電力需要は、2040年までに5.2%の拡大が見込まれる。

ブルームバーグNEFの分析によると、内燃機関(ICE)乗用車の全世界販売台数は2017年にピークを過ぎており、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)後の一時的な回復を経て、長期的には縮小が続く見込みだ。今回の調査でブルームバーグNEFは初めて、乗用車販売台数全体が2036年、ピークを迎えると予想した。世界の人口動態の変化や都市化の拡大、シェアード・モビリティサービスの浸透により、車両のサイズは拡大するにもかかわらず、経済発展による効果を凌駕するためだという。

電気自動車は、2020年には世界の自動車販売台数の3%、2023年には7%、約540万台に増加する見込みだ。2020年の電気自動車の販売台数は全世界で18%減少し、170万台となる見通し。新型コロナウイルスの感染拡大により10年間続いた成長に歯止めがかかると予想される。ただし、2020年の内燃機関車販売台数は23%減と縮小ペースが拡大するものの、電気自動車への長期的な動きは向こう数年間で加速するという。

また、リチウムイオン電池の価格低下が進めば、2025年頃には電気自動車のライフタイムコストと初期費用は、内燃機関(ICE)乗用車のコストよりも平均的に安価になると予想する。ただし、その時期は市場により大きく異なり、欧州の大型車は2022年と早い一方、インドや日本の小型車は2030年以降と見られる。

ブルームバーグNEF の次世代交通部門を率いるコリン・マッケラッチャー氏は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年の全世界の自動車販売台数は大幅に減少するだろう。自動車メーカーにとっての課題として、この動向に対応した事業の優先順位付けや資金調達能力が挙げられる。長期的なトレンドに変わりはないが、向こう3年間の自動車市場は浮き沈みが激しくなるだろう」と述べている。

《森脇稔》

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