動物病院の看護師って何者? ---きれいごとではすまない[リアニマル]

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愛犬の体調が悪いときやけがをしたときには動物病院に行きますよね。動物病院にいる獣医師、そしてそのサポートをしているのが動物看護師です。筆者は動物看護師になって13年経ちますが、いまだにあまりポピュラーな仕事ではないと感じています。

何をするのか、国家資格なのか、獣医師と何が違うのかあまり知られていません。そこで今回は動物看護師になる方法をご紹介したいと思います。

動物看護師って何をするのが仕事なの?

動物病院の看護師は別名アニマルヘルステクニシャンやベテリナリーナース、ベテリナリーテクニシャンなどと呼ばれ、その名の通り動物の健康を管理する技術者です。その業務内容は言ってしまえば診察、手術の執刀以外は全て行います。

受付、会計、検査、問診、手術の助手、麻酔管理、調剤、電話対応や在庫の管理、掃除も全て動物看護師の仕事です。獣医師の監督下で許可があれば採血などの医療行為も行うことが可能です。何年経とうと新しく学ぶことも多く新鮮でやりがいのある仕事です。

国家資格? でありません(2020年時点)

人間の看護師は国家資格ですが動物看護師は国家資格ではありません。ただし2019年に新しく「愛玩動物看護師法」が制定され近いうちに国家資格化し試験が行われる予定になっています。これは長年動物看護師たちが望んできたことでここにくるまでに様々な取り組みが行われてきました。

筆者が動物看護師になった13年前は動物看護師の資格を出す民間の団体がいくつかありましたが現在はその全てが統一され「動物看護師認定機構」となっています。筆者を含めこの機構の発行する資格を保持する動物看護師は「認定動物看護師」と呼ばれています。

どうやったらなれるの?

現場で働く動物看護師の多くは専門学校や、短大、大学で専門的なことを学んでいますが、中には学校などを出ず全くの未経験、無資格から動物看護師になる方もいらっしゃいます。端的に言ってしまえば誰でもいつでもなれてしまうのが動物看護師です。国家資格化したあとは病院によって採用の基準が変わるかと思います。

もちろん専門的な事を学んでから現場に出る方が有利ですが学校で学ぶことと、現場に出て知ることは180度異なります。学校を出ずとも努力で素晴らしい動物看護師になった方も多くいらっしゃいます。学校を出る場合には看護学だけでなく、美容やしつけなど動物に関する知識をバランスよく学んだ後、看護師試験を受験することになります。

きれいごとではすまない事も

筆者が専門学校を卒業する際、30人いるクラスで動物看護師になったのはわずか10人ほどです。それが3年後には5人、そして6年後、動物看護師を続けていたのは筆者たった1人でした。動物看護師になるために集まった30人がなぜ全員その道を選ばなかったのか、夢を叶えた10人がなぜ1人まで減ったのか、それは現場の苦しさや理想と現実の違いに理由があります。

動物看護師を目指す多くの人は動物が好きで、動物を助けたい気持ちが強い方かと思います。ですが現場では安楽死を選択することもあります。毎日死と闘う動物たちに寄り添い看取る機会も多くあります。やり場のない悲しみを飼い主さんに投げかけられることもあります。それが動物を愛する人間としてあまりに辛く感じることがあるのです。筆者はそういった部分もこの仕事の大切な一面だと考えていますが、綺麗ごとだけではすまない事も多いのが動物看護師の仕事です。

まとめ

動物看護師のことを少しでも知ってもらえたでしょうか? 動物看護師は飼い主さんと獣医師をつなぐ架け橋でもあります。筆者は自身の愛犬が病に侵されたとき、いかに動物看護師の存在が温かなものか再確認しました。動物病院にかかったとき、もし獣医師に聞きにくい事があれば動物看護師に声をかけてみてくださいね。

動物病院の看護師って何者? 動物看護師になるためのステップ教えます

《吉田つぐみ》

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