スバルとの共同開発によって、2012年に復活を果たしたトヨタのFR軽量スポーツ『86』。デビュー以来マイナーチェンジを重ね、走りを磨いてきた新型86の歩みを過去の記事と共に振り返る。また、発売から8年が経過した86に次期型の登場が噂されている。
目次
- 先行公開…豊田社長「クルマ好きのみなさん、お待たせしました」
- 4月6日発売、価格は199万円から
- 『モリゾウ』豊田社長、「スポーツカーは絶対に無くならない」
- 【試乗】タイトなコーナーを走り抜けろ!…松下宏
- 【土井正己の Move the World】「峠ファン」と「TPP」がつくる日本のスポーツカー・ブーム
- 86 GRMN、100台限定で発売…1月4日よりWeb限定で受付開始 648万円
- 【GRMN サーキット試乗】モノが違う、100台限定のセミレース仕様…中村孝仁
- 新型 86 を発表…エンジン改良など、走りを追求
- 【試乗】アクセル操作でリアの制御しやすく、“ファン”なクルマに…諸星陽一
- アルミテープで走りの味が変わる!? トヨタが新技術を公表「みんなで試して」
- 新型開発にマツダも参入!? 「チーム86」結成で「スープラ超える」
先行公開…豊田社長「クルマ好きのみなさん、お待たせしました」
トヨタ自動車の豊田章男社長は27日、富士スピードウェイで開催したイベントで小型FRスポーツ『86』を自ら運転して初披露し、「こういう時代だからこそ、わくわくドキドキするクルマは必要。クルマ好きのみなさん、お待たせしました」と述べた。
豊田社長は86について「道を選ばない素直なクルマに仕上がっている。やはりFRコンパクトなので扱いやすいと思う。正しい運転をすれば正しい挙動をするとプロの方が言っているので、これでますますクルマ好きが増えて、クルマの文化につながっていけば良いなと思う」と感想を語った。
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4月6日発売、価格は199万円から
トヨタ自動車は2日、第42回東京モーターショー2011にプロトタイプモデルとして出展した、小型FRスポーツ『86』を4月6日より発売すると発表した。
86は、ドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる「手の内感」や、操る楽しさを体感できる「直感ハンドリングFR」をコンセプトに、世界初の「水平対向・D-4S」パワーユニットをフロントミッドシップに搭載。世界唯一の水平対向エンジン・超低重心FRパッケージを採用することにより、従来のスポーツカーとは別次元の走りの楽しさを追求する。
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『モリゾウ』豊田社長、「スポーツカーは絶対に無くならない」
豊田章男社長は2日に幕張メッセで開かれた『86』発表会にレーシングスーツ姿で登場、司会者の「今日はレース活動での愛称であるモリゾウということでいいですね」との呼び掛けに「はい。クルマ大好きのモリゾウです」と応じた。
モリゾー氏は、トヨタの量販スポーツカーが2007年の『MR-S』で途絶えていることについて「ここ十数年の間に、トヨタのスポーツカーは次々にドロップ(撤退)した」とし、「そのことを真摯に反省しながら86を開発してきた」とアピールした。
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【試乗】タイトなコーナーを走り抜けろ!…松下宏
『86』は見るからにスポーツカーらしい2ドアクーペの外観デザインを持つ。昔はこのようなスポーツモデルが各社から作られていたが、今では希少な存在である。
クルマ作りの実務はスバルが担当し、水平対向エンジンを低くて中央寄りの位置に搭載した。これがパッケージングから重量配分や外観デザインにまで影響を与え、ショートオーバーハングの比較的コンパクトなクルマになった。
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【土井正己の Move the World】「峠ファン」と「TPP」がつくる日本のスポーツカー・ブーム
春の日差しに誘われ、久しぶりに「峠」を走ってみたくなった。学生の頃には、いすゞの『117クーペ』というスポーツモデルに乗っていたので、週に一度は、京都から琵琶湖に抜ける「山中越え」や「途中峠」でスポーツドライビングを楽しんでいた。
この117クーペ(私が乗っていたのは第二世代の丸目4灯)は、ジョルジェット・ジウジアーロのデザインで、今見ても完成度の高い美しいフォルムだと思う。31年前の春、豊田市での入社式を前に、「このクルマで会社に行ってもいいものか」と先輩に問い合わせたが、「全く問題ない。クルマ好きである証しだ」と言って頂いたので社員寮に乗り付けた。すると、マツダの『RX-7』や日産の『スカイライン(R30)』やら、あらゆるスポーツモデルがあり、心配には至らなかった。あの頃は、若い男が3人集まると必ずクルマの話をした。そして、各メーカーからスポーツモデルが、次から次へと発売されてくるので、話題に欠くことがなかったと思う。
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86 GRMN、100台限定で発売…1月4日よりWeb限定で受付開始 648万円
トヨタ自動車は、トヨタGAZOOレーシングが開発したコンプリートカー『86 GRMN』の商談申し込みを、2016年1月4日から22日まで、Web限定で受け付ける。抽選のうえ、2月1日から100台限定で発売。価格は648万円。
86 GRMNは、ニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦で得たノウハウをフィードバックした2シーター仕様の高性能モデル。吸排気系変更に加え、エンジン内部パーツの低フリクション化により、エンジンの応答性を向上。クロスレシオの6速MTと組み合わせ、性能を最大限にいかした走りを実現する。
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【GRMN サーキット試乗】モノが違う、100台限定のセミレース仕様…中村孝仁
その価格、648万円。ベースとなった86の値段を考えると倍以上。そりゃあ高いと思うあなた。この『86 GRMN』はモノが違います。
改めて、GRMNとは何か。GRはGAZOO Racing、即ちトヨタのモータースポーツ活動を統括する部門。しかし、単にモータースポーツ活動を展開するだけでなく、それを「見る」から「参加する」への積極的アプローチを促す活動も行っており、さらには魅力的なオリジナルのコンプリートカーの開発生産も行う部門でもある。そして、後ろに付いたMNはマイスター・オブ・ニュルブルクリンクの意。言うまでもなく世界で最も長く変化にとんだサーキットで鍛えたことを意味する頭文字を付けたGRMNこそ、ガズーレーシングが作り上げた渾身の一作のコンプリートカーなのである。
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新型 86 を発表…エンジン改良など、走りを追求
トヨタ自動車は、FRライトウェイトスポーツ『86』をマイナーチェンジし、8月1日より販売を開始する。
今回のマイナーチェンジでは、エンジン吸排気系部品の改良により、水平対向・D-4Sをさらに進化。最高出力を207ps(+7ps)、最大トルクを212Nm(+7Nm)に高め、低回転域からのリニアなトルクの立ち上がりを実現した。また、ボディ剛性の強化に加え、サスペンションなど足回りの改良を実施し、優れた操縦安定性を確保した。
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【試乗】アクセル操作でリアの制御しやすく、“ファン”なクルマに…諸星陽一
トヨタのスポーツクーペ『86』がマイナーチェンジを受け、富士スピードウェイのショートサーキットを使って試乗会が行われた。
今回のマイナーチェンジではマニュアルミッション車のエンジン出力を200馬力から207馬力にアップ。ファイナルギアレシオを4.100から4.300に変更。エクステリアのエアロパーツ変更。ボディ剛性のアップ。VSCの介入度変更などが行われた。
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アルミテープで走りの味が変わる!? トヨタが新技術を公表「みんなで試して」
トヨタは2ドアスポーツクーペ『86』の大幅マイナーチェンジに合わせ、改良新型に採用された新技術の概要を公表した。「アルミテープによる空力コントロール」を実現するというもので、低コストながら操縦安定性の向上に大きく貢献するという。
車体が帯びた電気を、最適に配置したアルミテープによって効果的に放出、これにより走行中の車体の空力バランスを部位ごとに変化させ、直進安定性、回頭性などの向上に寄与しているそうだ。
アルミテープで走りの味が変わる!? トヨタが新技術を公表「みんなで試して」 画像
86のバンパーに貼られたアルミテープ。スリット状に加工されているが、基本は市販されているものと全く同じ
新型開発にマツダも参入!? 「チーム86」結成で「スープラ超える」
現在トヨタは、2ドアスポーツ『86』次期型を開発していると見られるが、新型開発へ向け「チーム86」が結成されていることが新たにわかった。
これは同社チーフエンジニアである多田哲哉氏が、オーストラリア「WhichCar」のインタビューに答えたもので、同氏は「目標は、A90型スープラより運転しやすくスリリングであること。スープラを超える新しい86に期待して欲しい」と語った模様。