3本スポークのウッドステアリング、だけじゃない「ナルディ」【懐かしのカーカタログ】

ナルディ
ナルディ全 9 枚
前々回momoを取り上げた際にお読みいただいた方の“予感”を的中させるためにも(!?)、今回は「ナルディ」を取り上げることにしたい。ナルディもまた、古くからのカーマニアに愛好されたブランドのひとつだ。

創設者のエンリコ・ナルディは、ランチア、フェラーリでエンジニアやテストドライバーとして才能を発揮したという人物。そして1932年の創設以来、レースでもコンストラクターとして実績をあげ、やがて最初に作り上げたのが、フェラーリなどに採用されたウッドステアリングだった。

◆クラシック


「クラシック」と呼ばれるウッドリムのステアリングは、ナルディの代表的モデル。リムはやや細身で、シンプルなスリットが入った3本スポークはおなじみのデザイン。右手スポーク部にはナルディのサインが入っている。

スポークはポリッシュのほかにブラック、ゴールド、シルバーを設定。さらに同デザインのレザーもブラック、ブラウン、ナチュラルの展開があったほか、ホーンボタンリング部のスクリュー(ナット)を露出されたデザインも。

ラリー用の“コーン型”や、特別注文品として、往年モデルの復刻版が用意されたこともあった。ホーンボタンは途中から法規にミートさせて、ホーンのシンボル(ラッパのマーク)が入るようになった。

◆ジウジアーロデザインに4本スポークも


クラシックはナルディの主力だが、その一方で時代に合わせたモデルもこれまにたくさん提供されてきた。いかにも80年代の空気を感じさせるジウジアーロデザインや、センターパッドが付くタイプ、4本スポークタイプなど思いのほかバリエーションは幅広い。

「クラシック」以外にも、(当時の)新型車にも合わせやすいデザインで、頑ななだけではない姿勢も見せた、そんなラインアップたちだ。

◆周辺アクセサリーもさまざま


80年代後半以降、ステアリング以外の周辺アイテムも用意された。シフトノブ、シフトブーツ、キーホルダーなどはその一例。

シフトノブの中には、ユーノス・ロードスター、三菱・ディアマンテなど日本車にも純正またはオプションで用意されたものもあった。シフトノブは記憶が正しければガングリップタイプのウッドとレザーが最初の製品。メルセデス・ベンツ(W124ほか)やジャガーXJなど当時の車種別に専用品も用意があった。

さらに、いのしし革、羊革、子牛革などを使ったドライビンググローブや、タッセルのところにエンブレムをあしらったスリッポンタイプのドライビングシューズなどもあった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
  3. 【トヨタ GRヤリス 新型試乗】448万円からの価格にも納得、GRヤリスはまだまだ進化する…九島辰也
  4. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
  5. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る