【F1 オーストリアGP】大波乱の開幕戦を制したのはボッタス、ノリスが初表彰台の3位

F1オーストリアGP
F1オーストリアGP全 10 枚

F1第1戦オーストリアGPの決勝レースが5日、レッドブルリンクで行われ、セフティーカーが3度も入る大波乱の中、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がポールトゥウィンを達成した。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止・延期が続いていたF1の2020年シーズンがいよいよスタートした。4日に行われた公式予選では、例年と同じくメルセデスが好調で、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がポールポジション、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が2番手と、メルセデス勢がワンツーを決めた。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、4番手には復調の兆しが見えるマクラーレンのランド・ノリス(マクラーレン)が入り、チャンピオン争いが期待されるフェラーリ勢はシャルル・ルクレールが7番手、セバスチャン・ベッテルが11番手と後方に沈んだ。

ハミルトンは予選中にイエローフラッグ無視があったとの判定で5番グリッドに降格。スターティンググリッドはポールポジションのボッタスは変わらないものの、2番グリッドにフェルスタッペン、3番グリッドにノリス、4番グリッドにアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)が繰り上がった。

決勝レースのスタートは多少の混乱があったものの上位の順位は変わらず、トップのボッタスが2位フェルスタッペンとの差を徐々に広げながら逃げる展開となったものの、違うコンパウンドのタイヤを選択しているためピットストップの作戦により逆転が期待された。ところが10周目にフェルスタッペンがいきなりスローダウン。トラブルからリタイヤとなった。

ハミルトンはこの時点で2位まで順位を挽回し、ここからはメルセデスの2台が後続を引き離して逃げる展開に。26周目にケビン・マグヌッセン(ハース)のコースアウトでセフティーカーが入った際も無難にタイヤ交換を済ませ順位をキープし、レース再開後は再び後続を引き離しにかかった。

52周目、2度目のセフティーカー導入。ここで3位アルボンはタイヤをハードからソフトに交換した。再開直後に3度目のセフティーカーが入り残り11周でレースは再開。メルセデスの2台はソフトタイヤより1周1秒遅いと言われているハードタイヤを装着しており、一度は順位を落としたものの3位に復帰したアルボンは明らかに速いペースで一気に2位ハミルトンに襲いかかった。しかし2台は接触。アルボンはコースアウトを喫し、最後尾まで転落した。

この接触でハミルトンにはレース結果に5秒加算のペナルティ。ミディアムタイヤの3位ルクレールと4位ノリスが猛追し、ルクレールは約2秒差をキープして実質2位を確保した状態でファイナルラップに入った。ノリスは5.7秒差でファイナルラップに入ったが、ここで渾身の走りを見せてファステストラップを記録。ハミルトンを約0.2秒逆転してチェッカーを受けた。

ボッタスがポールトゥウィンを決めて昨年の第19戦アメリカGP以来の3戦ぶりの優勝。2位は本来の速さを取り戻せないフェラーリのマシンで追い上げを図ったルクレール。そして、今シーズン復調の兆しを見せているマクラーレンのノリスが初の表彰台を獲得した。ハミルトンは4位となり、以下カルロス・サインツ(マクラーレン)、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)と続いた。

ベッテルは接触から後退し10位。ホンダ勢はピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が7位。ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)とアルボンは残り4周でマシンを止めてしまったが、12位、13位の完走扱いとなった。

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策で無観客レースとなり、レース前のセレモニーもレース後の表彰式もソーシャルディスタンスを保った状態で行われるなど、これまでと違った形でのグランプリとなったが、レースはF1グランプリらしい素晴らしい戦いが展開された。次戦は同じオーストリア・レッドブルリンクで「シュタイヤーマルクGP」として、7月10日から12日の日程で開催される。

■F1オーストリアGP 決勝レース結果
1. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2. シャルル・ルクレール(フェラーリ)
3. ランド・ノリス(マクラーレン)
4. ルイス・ハミルトン(メルセデス)
5. カルロス・サインツ(マクラーレン)
6. セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
7. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
8. エステバン・オコン(ルノー)
9. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
10. セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
11. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
12. ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
13. アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
※以上完走扱い

--. キミ・ライコネン(アルファロメオ)
--. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
--. ロマン・グロージャン(ハース)
--. ケビン・マグヌッセン(ハース)
--. ランス・ストロール(レーシングポイント)
--. ダニエル・リカルド(ルノー)
--. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

《藤木充啓》

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