ポルシェ タイカン を急速充電、東京有明に90kW×2基---高出力充電網を展開へ

ポルシェ・タイカンの急速充電器
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ポルシェ初のBEV『タイカン』の日本仕様が、いよいよこの11月にも販売店に並ぶ。「ターボS」というハイパフォーマンスモデルはローンチコントロールシステムにより、0-100km/h加速は2.8秒。静止状態からの加速度は1.2Gという。

少し前なら、ハイパフォーマンスEVはベンチャーやチューニングブランドの領域だったが、いまや主要OEMがパフォーマンスモデルにEVを設定する時代だ。ラインオフのEVが、加速性能やサーキットのラップタイムで競技車両に迫る、または陵駕するとなれば、加速や走行性能の追求が電動パワートレインにシフトするのも当然だ。

しかし、市販される車両の場合に気になるのは充電設備や充電網だ。メディアでは充電時間が問題視されがちだが、EVオーナーからすると充電時間は実用上あまり大きな問題ではない。普通充電や急速充電がどうなっているか。どんな充電器が使えるかの方が重要だ。個人所有の場合、自宅の普通充電が基本となり、外の急速充電の重要度は車両の利用頻度やスタイルに依存する。

ポルシェ・タイカンの場合、ハイパワースペックと充電時間・航続距離の両立のため、バッテリーが800V・93.4kWhという仕様になっている。日産『リーフ』など一般的なEVのバッテリー電圧は400V。容量90kWh以上は、アウディ『Q4 e-tron』(82kWh)、テスラ『モデル3』(75kWh。モデルSは100kWh)よりも大容量といえる。

一般論として、大容量バッテリーを搭載するタイカンの急速充電器には、相応の出力が必要だ。12日にオープンする東京・有明の「Porsche NOW Tokyo」に2台設置される充電器はCHAdeMO仕様で出力90kWの充電器。ほぼ空の状態から30分ほどで約80%の充電が可能という。走行距離にすると400kmほどになる。当面は90kWで運用だが21年には150kWでの運用を予定している。なお、CHAdeMOの出力は規格上最大で90kWだが、多くの充電器は50kWなので、国内でも高出力の充電器網となる。

150kWの運用時には、ケーブル(液冷)はかなり細くできる。女性でもとりまわしが楽になるわけだ。ポルシェの急速充電器はかなり背が高いデザインになっているが、これは、重いケーブルを地面に引きずらないようにして、扱いやすくするためだ。

ポルシェジャパンでは、全国にある44拠点すべてについて、23年までに同様な充電器を設置する予定。それ以外に、東京・大阪・名古屋など都市部に合計8か所のチャージングスポットを設けるプランもある。これらのスポットは商業施設やホテルなどを想定しており、ヒルトン名古屋、NAGOYA CENTRAL GARDEN、あべのハルカス、リンクス梅田などの名前が挙がっている。

充電器の利用プランとしては、タイカンオーナー向けに月額固定+従量制のものを検討中とのこと。ただし、集合住宅など自宅に普通充電の設備が持てないユーザーのため、プランは通常の電気代を基準にしたものになるという。普通充電はAC200V 8kW出力。充電時間は、ほぼ空の状態から100%まで約10時間。

CHAdeMO3.0(ChaoJi)では、900kW(1500V600A)まで最大出力が上がる。このように、国内でも大出力充電器への動きがあるが、いまのところタイカンなどのハイパワーEVの急速充電器としてはパワー不足がいなめない(テスラの急速充電器は独自規格)。ポルシェが、国内展開するうえで90kW/150kWの急速充電網を整備し始めたことは大きい。

今後、EVのバリエーションが増えてくると、スポットの数、出力が充電網の差別化要因になってくる。CHAdeMOのようなインフラを協調領域を生かしながら、Porsche NOW Tokyoのようなスペースやディーラーに「充電」という新しい機能とサービス(競争領域)が求められている。

※2020年7月10日修正:充電器出力の増強計画の数字270kWに誤りがありました。正しくは150kWです。また、150kW出力では出力電圧の変更はありません。国内拠点への展開は「23年までに44拠点」の整備予定です。訂正とともに関係各位にお詫び申し上げます。

《中尾真二》

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