【ホンダ CT125 ハンターカブ 試乗】ダートも走ってナットク!長く愛される理由とは…青木タカオ

ホンダ CT125・ハンターカブ
ホンダ CT125・ハンターカブ全 46 枚

昨秋の東京モーターショーで世界初公開され、大反響を呼んだホンダ『CT125 ハンターカブ』。税込価格44万円で2020年6月27日に販売がスタートしているが、すでに年間生産台数8000台を超える受注が入る大人気ぶりで、納車を首を長くして待つユーザーが全国にたくさんいる状況だ。

そんな2020年バイク業界注目“株”(一応、カブにかけてます)に、オン&オフロードで早くも試乗することができたので、試乗レポートをお届けしよう。

歴代のハンターカブ歴代のハンターカブ
「ハンターカブ」のルーツとなる『CA100T トレール50』は、ホンダが海外進出して間もない1961年、北米市場の要望に応えた「スーパーカブ」のバリエーションモデルであった。山間部での狩猟(ハンター)や広大な農園管理といったビジネス用途に、また釣行やキャンプなど余暇の楽しみを広げるホビーユース向けとして、積載力抜群の大型リヤキャリアや浅瀬を走るためのアップマフラーを装備。

「CT」の名を初めて冠した『CT200 トレール90』を1964年北米向けに発売すると、市場はさらに活性化し、国内でも1968年、二輪車初となる副変速機(スーパートルク)を採用した『CT50』が登場。1981年には『CT110』が発売され、それぞれが「ハンターカブ」の愛称で親しまれてきた。

俊敏な走りと快適な乗り心地を両立

ホンダ CT125・ハンターカブホンダ CT125・ハンターカブ
そして、今回の最新モデルだ。ベースとなっているのは『スーパーカブC125』で、昔のCT系と比較するとひと回り以上大きい。ヘッドライトを含む全灯火器類はLED化され、燃料タンク容量は5.3リットルを確保。リヤキャリアも幅409mm×長さ477mmと大型で見るからに頑丈で、水に浸からないよう持ち上げたハイマウント吸気ダクトやアップマフラー、悪路も走れるようアンダーガードも備えている。

クラッチ操作不要の自動遠心クラッチを採用したSOHC単気筒は、タイで発売されている『WAVE125』の4速ミッションを受け継ぎ、ドリブンスプロケットはC125では36Tだったが39T化し、登板力や積載時の力強さを向上。低回転域でのトルクが太くなり、キビキビ走ってスロットルレスポンスも鋭い。

ホンダ CT125・ハンターカブホンダ CT125・ハンターカブ
スーパーカブC125よりホイールベースを10mm伸ばし(1245→1255mm)、最低地上高を125→165mmへ40mm上げた車体は、車速が上がっても快適な乗り心地。ブレーキは前後ディスク式で、2ポットキャリパー+220mmローターのフロントブレーキにはABSも搭載され、制動力、コントロール性に申し分なく、安心感は計り知れない。

ダートでもコントロール性抜群で楽しい

ホンダ CT125・ハンターカブホンダ CT125・ハンターカブ
驚きはダートでのコントロール性の高さだ。アンダーボーンフレームと前後17インチの足まわりという組み合わせは未舗装が多い国々(かつての日本も含め)でも頼もしく走ってきた実績を持つが、CT125 ハンターカブはスポーツバイク同様のトップブリッジ付きのテレスコピック式正立フロントフォークを持ち、ストローク量もスーパーカブC125より10mm長い110mmに設定。

セミブロックパターンのタイヤも履き、左右45度という広いハンドル切れ角で、カウンターステアを当たるようなハードな走りにも対応してくれる。オフロードでの走破性が想像以上に高く、林道ツーリングの相棒としてもうってつけ。トコトコとのんびり山の中を走ると、ハンターカブが長く愛されてきたワケが分かってくる。スピードは遅くとも、バイクに乗る歓びを全身に感じられるのだ。

ホンダ CT125・ハンターカブとホンダドリームとモンベルのコラボレーションキャンプグッズホンダ CT125・ハンターカブとホンダドリームとモンベルのコラボレーションキャンプグッズ

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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