「Go To トラベル」の死角---東京とそれ以外を分けたのは正解か

東京新宿(7月23日)
東京新宿(7月23日)全 2 枚

新型コロナウイルス感染症流行により低迷した経済を活性化するため、政府が国内旅行を支援する「Go To トラベル」キャンペーンが7月22日から始まった。東京都での感染が再拡大したため東京発着は対象外だが、本当に東京だけで感染者数が増えているのか。

東京都は7月23日の新規患者366人と発表した。都内で1日の感染者が300人以上となるのは初めてだという。7月17~23日の新規患者は1487人、10~16日は1125人で、週ごとの増加率は1.32倍だ。1週間ごとの集計にした理由は、1日ごとだとその日の増減に特殊な事象があった場合、それを避けるため。

ここで全国の感染者数を見ると、同じく増加率は1.65倍となる。なんと東京都の増加率は全国平均より低いのだ。東京都を除いた道府県の増加率は1.98倍にもなる。感染「拡大」を理由に東京都とそれ以外とを分けるのなら、東京都内相互発着のみをキャンペーン対象にするほうが理にかなっている。

7月23日の新規感染者数の多かった大阪府の増加率は3.21倍、愛知県は9.54倍だ。なお愛知県は7月10日時点の人数を入手できなかったので、8~16日の人数の9分の7を10~16日の人数とした。「Go To トラベル」キャンペーンを利用して旅行する際に、目的地道府県の感染者の絶対数ではなく増加率に着目すると、また違ったものが見えてくる。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  2. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
  3. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  4. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  5. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】意外にもBEV版よりスムースで快適! 価格にも「親近感」…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る