ホンダレーシングスピリットの原点・マン島TTレース出場宣言…オートモビルカウンシル2020

ホンダRA300(オートモビルカウンシル2020)
ホンダRA300(オートモビルカウンシル2020)全 12 枚

オートモビルカウンシル2020のホンダブースは、1967年にF1イタリアGPで優勝した「RA300」と、二輪世界選手権 250ccクラスに投入されたバイクとエンジンを中心とした展示内容だ。

ホンダとモータースポーツのつながりは創業当初からのものだ。4サイクルエンジン搭載の実用バイクを製造しながら、本田宗一郎はマン島TTレースへの挑戦を決め、その宣言文を残している。宣言文には、本田宗一郎氏の理想が力強く語られており、世界を見据えたものづくりの意思が見て取れる。しかも、バイクや自動車を作るのは、子供のころからの夢である自分が作った車両が世界の自動車競技で勝つことだと明言している。

1954年に出された「マン島TTレース出場宣言」から5年後に初出場を果たしたホンダは1961年に初優勝を成し遂げている。このときホンダは4輪車の市販は持っておらず、1962年の自動車ショーでプロトタイプを発表した段階だった。しかし、63年にはV12エンジンを搭載したF1向けプロトタイプRA270を開発し、64年にはRA271でドイツGPに初参戦している。

まさにホンダ4輪車の歴史はF1とともにあったといっても過言ではない。展示してあるRC166エンジン(6気筒250cc4サイクルエンジン)と動体保存されたRA300は、ホンダレーシングスピリットを具現したものといえる。どれも保存状態がよい。RA300にいたっては、サスペンションのロッド類などがクロームメッキが施されている。メッキ処理は、当時のレーシングカーとしては標準的だったらしく、展示のカラー写真からも伺える。

メッキ処理は改めて施されたものだが、当時の出来上がったプロトタイプも同じような輝きを放っていたはずだ。昔のフォーミュラーカーはエンジンなどがむき出しで、各部を間近に見ることができる。レストアされた細部とメッキ処理が、細部の造形美と機能美を際立たせている。機械好きなら、何時間でも見ていられそうだ。

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  2. <新連載>[車内エンタメ最新事情]音楽を聴く場合、スマホはどう繋ぐ? 便利なのは? 音が良いのは?
  3. コメリが洗車グッズの新商品を発売、撥水力2倍のカーワックススプレーなど4アイテム
  4. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  5. 不適切利用47%、カメラ式駐車場管理システムで判明…熊野白浜リゾート空港
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る