“0円レンタカー”企画担当と利用者に聞く…マイカーを持たない人に『持つ』機会を

インタビューにもご協力いただいた益満氏が、コンシェルジュに説明を受けている。
インタビューにもご協力いただいた益満氏が、コンシェルジュに説明を受けている。全 9 枚

中古車事業を主力とするIDOMは、三菱地所と合同で、0円で最大3泊4日まで乗りたいクルマをレンタルできる『0円カーレント』を、期間限定店舗『マイカー・トライアル 東京ストア』(東京・丸の内)にて7月30日より開始した。

本サービスは、今年3月26日にOPENし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により3日間で営業を停止した企画を再開するもの。新型コロナウイルスの不安がある中、公共交通機関よりも他者との接触が抑えられるクルマを活用し、通勤や子どもの送り迎えなど、「マイカーのある生活」を実感してもらうことで、ウィズコロナのライフスタイルを考える機会として、サービスを再開した。

IDOMと三菱地所は3月17日、都市間移動のハードル低減と移動による消費経済の活発化を目指す新プロジェクト『New Mobile Economy』を合同で進めることに合意した。その第1弾アクションが0円カーレントだ。

試乗といえども、BMWやレクサスなどを含む計50モデルから車を選び、最大3泊4日の間、0円でマイカーのある生活を試すことができる。駐車場代、ガソリン代などは、利用者が実費を負担。利用は1人1回限りとなる。

今回のサービスについて、株式会社IDOM NOREL事業部マネージャー 山畑直樹氏にお話を伺った(3月26日取材)。

---:『0円カーレント』のサービス開始のいきさつを教えてください。

山畑直樹氏(以下敬称略):そもそも2016年に月額定額で車を自由に乗り換えられるサービスとして『NOREL』がスタートしていたが、サブスクリプションの市場がまだ大きくならないという見込みがあったので、事業改善を数年間進めていた。その中でいろいろリサーチをしていくと、マイカーを持ちたい人と、全く持ちたくない人の二分化になっていた。そこでふだん、車にはほとんど乗らない人や、マイカーを持たない人に『マイカーを持つ』という機会を提供するサービスに重きを置いて展開していこうと考えた。そこで“0円トライアル”というサービスを去年夏ごろから考え始めた。

---:二分化については全国的に広がっているのでしょうか?

山畑:アンケートなどを取ると、都市部で二分化の影響が顕著で、ふだんは公共交通機関を利用するので車は利用しないという方が多い。しかしそういった方でも、週末はカーシェアを利用するが、週末になるとカーシェアサービスの予約がなかなか取れず不便を感じているとわかった。

---:0円というキャッチコピーはお客様に注目していただくという意味合いが強いのでしょうか?

山畑:インパクトを与えるという戦略的な理由でもあるが、もうひとつはサービスを提供する場合でも、車を維持していくためには駐車場代などの維持費がかかる。車についてはサブスクリプションサービスNORELがサービス提供し、三菱地所が遊休駐車スペースを提供するという座組みで、費用負担が少ない形でサービスを展開している。

---:今回のサービスでは、約50モデルの車からお客様が自由に選択できるとのことですが、どのようにして実現しているのでしょうか?

山畑:IDOMグループの遊休在庫と呼ばれる、すぐに売却しない在庫や展示場に並んでいる在庫などを試乗していただくようなスキームでサービス提供している。様々なメーカー様の車を数万台という単位で抱えているのでできるサービスということでもある。特に輸出相場は影響が大きいので、眠っている在庫を活用したサービスでもある。駐車場についても、三菱地所が管理している駐車場で稼動していない空いたスペースを、我々の在庫を置くスペースとして使わせてもらっている。

---:サービスについての反響は?

山畑:派手なサービス告知はしていなかったが、先週の告知から、申し込みだけで400~500件ほど頂いた。

---:レンタカーと根本的な違いは?

山畑:ちょっと荷物を運ぶために5時間だけ車を借りたいとか、近隣にドライブに行くので12時間借りたいといったレンタカー的なサービスではなく、3泊4日のようなかたちで借りていただき、一度自宅や近所の駐車場にとめて、マイカー体験をしてもらうというのがこのサービスの特徴と考えている。あくまで試乗ということでサービスさせていただいている。また細かい点だが、レンタカーとは違うため、車のナンバーは『わ』ではない。車好きの方だと気になるポイントだと思う。

---:ライバルとして考えているサービスはありますか?

山畑:じつはブランクマーケットではないかと考えている。あまりこのようなサービスを行っている会社もなく、レンタカーとはまた違うサービスなので、ライバルと考えているサービスはない。

---:様々な車が用意されているのはお客様のニーズに合わせてということでしょうか?

山畑:もちろんニーズという部分もあるが、様々なメーカーの車を乗り比べられるというのも、このサービスならではだと考えている。普通は購入する際にディーラーに行き、そのメーカーの車はいろいろと試乗できるが、ほかのメーカーの車には乗れない。なので、外国車も日本車も乗り比べをしたいといったお客様には、ピッタリのサービスだと考えている。

---:サービスを利用したい場合どのような申し込み方法がありますか?

山畑:『マイカー・トライアル 東京ストア』に来店していただき、コンシェルジュと相談しながら乗りたい車と利用日を決定することもできるし、LINEでの申し込みも可能だ。「マイカー・トライアル」をLINEで友達登録し、LINEのチャットでコンシェルジュと相談の上、乗りたい車と利用日を決定することもできる。そのため来店する時間がないといった忙しい方は、LINEを使って気軽に申し込める。

サービス開始初日の朝から、マイカー・トライアル 東京ストアには予約していた人が続々と来店していた。そんな中、日産『GT-R』を予約された益満寛志さんに今回のサービスを知ったきっかけなど、お話をうかがった。

---:このサービスはどのように知りましたか?

益満寛志さん(以下敬称略):サービスについては、新聞広告に掲載されていたので知りました。

---:日産GT-Rを選ばれた理由は?

益満:以前から一度乗ってみたかったので選んでみました。

---:今回予約された車でどこかへ行かれる予定がありますか?

益満:はい。3泊4日お借りするので、奥さんと旅行に行くのに利用しようと考えています。ちょうど奥さんが妊娠しているので、公共交通機関をあまり利用したくないという理由もあります。

---:サービスについてどんな印象ですか?

益満:マイカーは維持費がいろいろかかるし、保険への加入など面倒なことが多いので持っていなかったのですが、最近はやりのサブスクがどんなものか体験してみたいというのもあってすぐに申し込みしました。今回試乗してみて、よければ購入も考えてみたいですね。

(注:再開にあたり貸し出し車両ラインナップの変更が行われています)

《関口敬文》

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