3Dスキャン、復刻パーツでビンテージカーも気兼ねなく…オートモビルカウンシル2020

3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)
3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)全 15 枚

オートモビルカウンシル2020、ヤナセのブースに、クラシックカーやビンテージカーに似つかしくないロボットアーム状の機器が展示されていた。よく見ると、それは3Dレーザースキャナーを装着したアームだった。

クラシックカーやビンテージカーのメンテナンスの悩みの種は、補修パーツの入手だ。マニア向けのスワップミートや、オートモビルカウンシルのような見本市で(車ごと)探すという方法がある。現物や図面から同じ部品を作るという方法もある。オーナーが多く、ビジネスが成り立てば、メーカーやアフターマーケットが独自の純正同等部品を販売することもある。

日本では、OEMメーカーによる復刻パーツがちょっとしたブームにもなっているが、車検制度が緩いアメリカやクラシックカーの保存文化がある国では、旧式のエンジンが新品で手に入ることもある(OEMメーカー、アフターメーカーが製造してくれる)。

製品としての製造手段がない場合、現在なら3Dプリンタで同じものを作ることもできる。素材によっては形だけ同じでも強度や剛性、塑性がまったく異なるので代替部品にならないこともあるが、条件さえあえばこの手法が使える。

3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)

このとき図面があれば、最新のCADソフトで同じ部品を設計、製造することも可能だが、現物しかない場合は3Dスキャナの出番となる。走査線のようにレーザーを対象全体にあてれば、その立体形状の3Dデータを瞬時にモデル化してくれる。どうしても影が残る部分、対象以外のデータ、微妙な形状など、手作業や計算による補正が必要だが、これで図面がなくても部品をつくることはできる。

展示してあったのは、このようにして作られたビンテージカーの樹脂パーツや金属パーツだ。メルセデスのルームランプのソケットを固定するベース、光軸調整用の樹脂製ギア、コンビネーションランプなどが3Dプリンタ、またはスキャニングデータによって成形されていた。

3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)

ランボルギーニ『ミウラ』のヘッドライトレンズカバーというのもあった。本物は当然ガラス製だが、これを樹脂で再現する。他にもビンテージカーのオリジナル形状に合わせたアルミホイールもあった。これらの用途は「お出かけ用」だそうだ。ホイールは走行中の傷は避けられない。同じ形状、見た目のホイールを作れば、気兼ねなく走行会やイベントにも参加できる。

ヘッドライトは、実物と同じカットを施す必要があるので3Dプリンタで出力というわけにはいかず、ワンオフでの製作となるそうだが、ホイールはデータがとれれば20万円前後からという値段で作れるそうだ。

3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)3Dスキャナでお出かけパーツをつくる(ヤナセ、オートモビルカウンシル2020)

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 日産が新型ミニバン『タウンスター・エバリア』を欧州発表…EVも設定
  2. 高速道路料金も「変動制」導入、来年度から全国的に順次拡大[新聞ウォッチ]
  3. 三菱『デリカD:5』ついにフルモデルチェンジへ! 車名は「D:6」!? 2025年内発表か
  4. メルセデスベンツ『CLE カブリオレ』に「AMG 53」、電動ターボで449馬力
  5. [VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
  6. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー・国産ブランド…小型・薄型モデルのトレンドを分析!
  7. BMWモトラッド、「自動シフトアシスタント」発表
  8. マフラー選びの決め手、『合法性と性能の両立』が求められる~カスタムHOW TO~
  9. 総合商社恐るべし!? 伊藤忠がビッグモーター新会社へ社長・幹部ら50人超派遣[新聞ウォッチ]
  10. 初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
ランキングをもっと見る