【ダイハツ タフト 新型試乗】意外とワイルドじゃなかったが「こいつ、売れそう」…中村孝仁

ダイハツ タフト
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TVコマーシャルを見ていて、その姿形からかつての『ハマー』を連想していた。これ、ハマーのチッチャイ版じゃん?と。ところがいざホンモノと対峙してみると、実はそれほどワイルドなイメージではないのである。

ボクシーなデザインのスタイルは、最大のライバルとなるであろうスズキ『ハスラー』ほど個性の際立つものではなく、意外と誰にでも受け入れられそうで、正直な話キャラは控えめなのでは?と思えるほどだった。勿論それがネガな要素というのではなく、実は万人受けしてこいつ、売れそうだな…と言うのが実際の感想である。

軽自動車の画一性から逃れたデザイン

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実はこの手のスタイリングにすることで、画一性を排除できる。ハスラーにも共通するが、今の軽自動車、どれをとってもハイト系、あるいはスーパーハイト系はデザインが極めて近いものになって、何となくデザインで選べない風潮があった。

そこへ行くとこのボクシーなデザインは、なりは小さいが軽自動車が持つ特有の画一性から逃れられているという印象を受けるのである。アプローチは全然違うけれど、同じダイハツがかつて作り出した『ネイキッド』というモデルを連想した。あのデザインも画一性から逃れた素敵なものだったという印象が強い。

ただ、タフトと言えばオジサン世代は70年代に誕生したまるでトヨタ『ランドクルーザー』の小型版のようなジープ型モデルを思い起こしてしまい、ライバルは『ジムニー』と思いがちだが、ここでもそんなワイルドさは微塵もなく、表現は正しくないかもしれないが、むしろスポーティーな姿に見えてしまう不思議さを感じたものである。

タント比マイナス60kgの軽さが効いた走り

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真横から見ると見事なまでにホイールを四隅に追いやったデザインであることが良く分かるのだが、これでもホイールベースは『タント』と同じ。視覚によるマジックである。そして室内に乗り込んで、ルーフのシェードを開けるとスカイフィールトップと名付けられた大型のガラスルーフがそこにある。これ、全車標準だというからずいぶん頑張った。何しろその解放感は素晴らしいし、広さ感も演出してくれる。

そんな広々とした空間を独り占めしながらいざ試乗スタート。着座位置は何故か車体の中央にいるような感覚にさせるものだ。とにかく着座位置からフロントウィンドーが遠い。視界を遮るものが無いから、遠くに感じるのだろうか。

最初の加速でムムッ!速い…と思った。NAである。それもそのはずで今回のタフトは軽い。単純にタントの一番軽いモデルと比較しても大人一人分ともいえる60kgの差がある。だから、スタートの加速もパーシャルからの加速も実にスムーズだし流れに乗ってスイスイなのだ。

ただ、相変わらずというかCVTのヒュイーンという唸り音は気になるところである。これが後に乗った異なるCVTを装備するターボモデルでは全くで出ないのだから、こちらにもターボと同じCVTを装備して欲しいものだ。

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幅広いユーザー層をカバーできる

ステアフィールはキャスター角を小さめに取っているのだろうか、あまりどしっとした直進安定性が感じられない。勿論ふらつくレベルではないが、比較的頻繁に微舵を当てる必要性がある。今回はワインディングも走っていないのでコーナリングのフィーリングについては言及しない。

燃費を稼ぐためだろうか、フリクションを極力減じるためにキャスターアクションが小さめで、四つ角を曲がった時などハンドルから手を離しても直進状態までは戻らず、少しアシストしてステアリングを戻す必要がある。こちらも前述のキャスター角によるものと思う。

今回は高速道路での試乗が行えなかったが、バイパス風の流れの速い一般道ではやはり直進安定性に少し不満があった。もっともそれはあくまでも後に乗ったターボ車との比較であって。NA車単独で試乗を終えるまでそんな不満はなかったのだ。

そのスタイリングからユーザー層は限られると思っていたが、現車を見る限りかなり広い層から受け入れられ、年齢層的にも幅広い世代を十分にカバーできると感じる。

ダイハツ タフト

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来42年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファーデプト代表取締役も務める。

《中村 孝仁》

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