【三菱 eKクロススペース/eKスペース 新型試乗】ハスラーやタフトとは違うSUVへのアプローチ…渡辺陽一郎

背高でもSUVのコンセプトに沿っている

標準ボディでもターボが選べるのは三菱だけ

ファミリーカーとして使いやすい操舵感

三菱 eKクロススペース
三菱 eKクロススペース全 12 枚

背高でもSUVのコンセプトに沿っている

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
三菱『eKクロススペース』と『eKスペース』は、日産『ルークス』の姉妹車だ。全高が1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンで、販売の主力となるeKクロススペースのフロントマスクは、今の三菱車に共通するダイナミックシールドのデザインになる。

2020年に入って、SUV感覚の軽自動車とされるスズキ『ハスラー』がフルモデルチェンジを行い、ライバル車のダイハツ『タフト』も発売された。この2車種は、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)が180~190mmだから、SUVらしく悪路のデコボコも乗り越えやすい。その点でeKクロススペースは4WDが150mmだから、ルークスと同じ高さだ。

それでも内装の質を高めるプレミアムインテリアパッケージ(5万5000円)、後席の快適性を向上させる後席パッケージ(4万4000円)を装着すると、荷室のボードが樹脂製になって汚れを落としやすい。屋外での使い勝手を向上させ、SUVのコンセプトに沿っている。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース

標準ボディでもターボが選べるのは三菱だけ

標準ボディの三菱 eKスペース(写真は非ターボ車)標準ボディの三菱 eKスペース(写真は非ターボ車)
ノーマルエンジンの動力性能は、幅広い回転域で物足りない。全高が1700mm以下の『eKクロス』なら、ノイズを抑えた滑らかな走りを味わえるが、eKクロススペースは背が高くスライドドアも装着したから車両重量が110kgほど上まわる。そのためにノーマルエンジンでは真価を発揮しにくく、ターボエンジンと相性が良い。

そこで注目されるのは、三菱の場合、標準ボディのeKスペースにもターボの「T」を用意したことだ。日産のルークスでターボを選べるのは「ハイウェイスター Gターボ プロパイロットエディション」(193万2700円)のみだが、三菱は標準ボディのeKスペースにもT(163万5700円)があるため、約30万円安い価格でターボを装着できる。これはeKスペースを選ぶ大きなメリットだ。

なお日産の開発者は「スタンダード(標準ボディ)の購入層は価格を意識して、ボリュームが出ていないためにターボの設定は行っていない」と説明している。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース

ファミリーカーとして使いやすい操舵感

eKクロススペースとeKスペースは背の高い軽自動車だから、操舵感は反応の仕方を鈍めに抑えた。峠道などでは曲がりにくく感じることもあるが、車線変更時にボディが唐突に傾く違和感は抑えた。乗り心地も粗さを感じさせず、ファミリーカーとして使いやすい。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース

■5つ星の評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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