【ダイハツ タフト 新型】前席優先の設計思想を徹底---GPSによる時刻補正するきめ細かさ

発売後1ヶ月で1万8000台もの受注を獲得した新型タフト。写真はGターボ2WD
発売後1ヶ月で1万8000台もの受注を獲得した新型タフト。写真はGターボ2WD全 14 枚

発売後1か月で月販目標台数の4.5倍となる1万8000台の受注を獲得したダイハツ『タフト』。試乗してみると無段変速機「D-CVT」搭載(ターボ車)した快適な走りもさることながら、機能面でも新世代のダイハツ車を感じさせる多くの魅力に触れることができた。

前席と後席で役割を明確に区別。内装の造りも違えた

シートに座って真っ先に感じるのが前席真上に広がる「スカイルーフトップ」と呼ばれるガラスルーフ。これが全グレードに標準装備されるというから驚きだ。軽自動車ではこの手の装備はコストアップにつながる一つの要因ともなって設定されないことが多かった。にもかかわらず、この装備にこだわった理由はどこにあったのだろうか。

ダイハツ工業車両開発本部で商品評価グループに所属する内山勝裕さんによれば、「前席と後席を明確に区別し、そのこだわりは内装色を前後で違える」ほどだったという。そのため、リアシートはリクライニング機構もなく、シートバックポケットもない。一方で、前席を“クルースペース”と名付けているように、乗る人の気分を高揚させる装備を徹底した。それが全グレードにスカイルーフトップの装備につながったというわけだ。

それだけに前席の装備は充実している。「G」グレードには前席左右ともシートヒーターを装備し、USB端子も2個用意。右側は装備した純正ナビゲーションと連携することが可能で、iPodなどのオーディオプレーヤーを接続可能。また、これとは別に低価格で取り付けられるディスプレイオーディオも選べ、その時はApple CarPlayやAndroidAutoの他、トヨタが推進するSDLにも対応する。この時はスマホ内のナビアプリはもちろん、それ以外のアプリや音楽、通話といった機能も利用できるのだ。

カーナビのGPSと連動するメーター内の時計。時刻合わせは一切不要

試乗車に搭載してあったのは9インチ画面を備えたパナソニック製ナビ。このナビを装着したことによるメリットは、まず一つめがメーター内に進行方向を示す矢印(ターンバイターン)が表示できることだ。分岐点までの距離が表示できるので、曲がるタイミングが把握しやすくなるのだ。二つめとしてNaviConへの対応がある。これは500本以上はある対応アプリを使って探した目的地を、簡単にナビ側へ転送できるというものだ。

そして見逃せないのが三つめ、カーナビのGPSで計測した高精度な時刻をそのままメーター内の時計に反映できることだ。輸入車などではこうした対応をする車種が増えているが、国産車では見かけない。これを新型タフトでは軽自動車で対応したのだ。時計の時刻補正をしなくていいのは、日常のこととして便利さを実感できるはずだ。もちろん、オーディオの基本操作はステアリング上からコントロールできる。

一方で残念なこともある。仮想ライバルであるスズキ『ハスラー』には装備されるヒーターミラーが、新型タフトでは4WD車でないと装備されない。積雪はほとんどなくても屋外に置いて霜がつく寒冷地はたくさんある。そうした地域の人は4WD車は買わないはず。となれば、せめてオプションでも用意して欲しかった。また、前席優先という割には未だダイハツ車はステアリングにテレスコピック機能が装備されない。この辺りが今後改良できれば、新型タフトの設計思想はより活きてくるように思う。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【メルセデスベンツ Eクラスオールテレイン 新型試乗】Eクラスを選ぶならこれが一番。ただしお値段は…中村孝仁
  2. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  3. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  4. インフィニティの中型SUV『QX60』、改良新型は表情一新…初の「SPORT」も設定
  5. マツダ『CX-5』新型、7月10日世界初公開へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る