角田裕毅、F2第5戦のレース2で初優勝…2位はミック・シューマッハ

#7 角田裕毅(2020年FIA-F2第5戦シルバーストン)
#7 角田裕毅(2020年FIA-F2第5戦シルバーストン)全 10 枚

現地9日、英国シルバーストンで実施されたFIA-F2選手権の今季第5戦「レース2」において、日本の角田裕毅(つのだ・ゆうき)が初優勝を飾った。このレースの2位はかつてのF1王者ミハエルを父にもつミック・シューマッハ。

F1への登竜門シリーズとして知られるFIA-F2(旧名:GP2)。時代によって多少の位置付け変動はあるが、最終関門的なシリーズといえるだろう。ホンダ、そしてレッドブルの育成系プログラムに参画する20歳の日本人ドライバー、角田裕毅は今季からここを主戦場としている。

角田はCarlinチームに所属し、第2戦の予選でポールポジションを初獲得、先頭から出たレース1で2位となって初の表彰台へ(既報)。その後も第4戦のレース1で3位となるなど、活躍を続けてきていた。

迎えた第5戦は英国シルバーストンでの連続開催2戦目(F1 70周年記念GPと併催)。レース1で6位になった角田(#7)は、その上位8人がリバースでグリッドに配置される原則のレース2を3番グリッドからスタートした。レース1にはドライ用タイヤの2スペック使用義務(実質的な“タイヤ交換義務”)の原則があるが、距離が短めのレース2は基本的にノーピット戦となる。

その21周レースの19周目、角田はトップ2に近い位置で3番手を走っていた。すると、先頭を争うPREMA Racingの2人、ロバート・シュワルツマン(#21)とミック・シューマッハ(#20)が絡み、ここで角田はトップに浮上する。

同士討ちを演じたPREMA勢、シュワルツマンはマシンに明確な損傷を受けてペースダウンし(最終結果13位)、シューマッハが角田を追いかけていくが、角田は最後の2周半をしっかりトップで走りきってF2初優勝を達成した。2位は約3秒差でシューマッハ、3位には角田から約18秒差でCampos Racingのジャック・エイトケン(#9)が入っている。

角田裕毅のコメント(ホンダ発表)
「レース序盤、前の2台は結構速かったんですが、(自分は)後ろとの差を見ながら(タイヤのことを考えて)プッシュし過ぎないよう気をつけて走行していました。中盤、前と接近した際に少しフロントタイヤを傷めたようだったので(消耗・性能劣化等が一時的に急進した、との意だと思われる)、また間隔を開けてリカバーしたのが良かったと思います。そのおかげでレース終盤にペースを落とさずいけました」

「前の2台が接触してポジションを上げたことはラッキーでした。ただ、こちらのペースがいいことは分かっていたので、最後の最後は(自力で)勝負できると思っていました。今回、タイヤマネージメントもうまくいき、優勝できたことは嬉しいです。今後に向けても大きなことだと思っています。クルマについてはチームのおかげで不安感はないですし、自分としても完璧なレースをしてさらに前進できるよう、次戦も頑張ります」

このレースのあとに行なわれたF1第5戦(70周年記念GP)では、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが自身とチーム、ホンダにとっての今季初優勝を成し遂げた。角田の勝利が吉兆だったといえるかもしれない。

F2新人の角田は第5戦終了時点でポイントランキング6位。予選やレースでの好結果もさることながら、今季はレースウイーク最初のフリー走行でトップタイムを刻むことが多く、そこでも注目を集めている側面があるといえそうだ。

そして初優勝時の2位がミック・シューマッハというのは、角田が“もってる”証拠のようにも思える。もちろん偶然に過ぎないことであり、こういう言い方はミックに対して失礼とも思うが、偉大な7冠F1王者ミハエルの息子である彼を2位に従えての初優勝という事実が、今の時代に必須の“キャッチー”な要素を増すことは間違いない。角田にはこの“もってる感”も味方にしつつ、活躍を続けていってもらいたいところだ。

《遠藤俊幸》

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