[スピーカー交換からのバージョンアップ]単体DSPを導入

単体DSPの一例(ビーウィズ)。
単体DSPの一例(ビーウィズ)。全 4 枚

クルマの中で良い音を楽しもうとまずはスピーカー交換にトライしたその後に、どんなバージョンアップ作戦を実行すると良いのかを考察している当特集。第5回目となる当回では、“単体DSP”を導入するという作戦について考察していく。

なお当特集では毎回、全国の有名カーオーディオプロショップに教えを請うている。今回は、千葉県千葉市の実力店“プロショップ ヴォーグ”の渡邊さんに協力を要請した。参考になる話をたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

“DSP”を使うことで、交換したスピーカーの性能を一層引き出せる!

まず、“プロショップ ヴォーグ”では、“スピーカー交換”の次のメニューとして何が人気なのかを訊いてみた。

「当店では、“DSP”が人気です。ほとんどの方が、“パワーアンプ内蔵DSP”もしくは“単体DSP”、このどちらかを選択されます。

“DSP”が人気を博している理由は、クロスオーバー、イコライザー、タイムアライメント、これらチューニング機能によって聴こえ方を変えられるからです。クロスオーバーでは信号の帯域分割の設定を各車ごとで最適化でき、そしてマルチアンプシステムを構築できます。イコライザーでは特性の乱れを補正でき、タイムアライメントではステレオイメージを正確に再現できるようになります。これらの効果は絶大です。カーオーディオを始めて間もない方でも音の変わりように驚かれ、感動されます。

これら“DSP”のメリットは、“スピーカー交換”をしてあるからこそより活きてきます。純正スピーカーと比べて限界値が高くなっているわけですが、“DSP”を使うことでそのポテンシャルを一層引き出せます。せっかく気に入ったスピーカーが見つかったのですから、その良さを十二分に発揮させないともったいない。“DSP”を導入すればそれが叶います」

ところで、“パワーアンプ内蔵DSP”と“単体DSP”とでは、どちらが人気なのだろうか。

「当店では、“単体DSP”の方が人気です。その理由は、発展性が高いからです」

システム発展を望むなら“単体DSP”、割り切るなら“パワーアンプ内蔵DSP”。

“単体DSP”が人気である理由をさらに詳しく教えてもらった。

「将来的にはもっと良い音にしたいと思われるのでしたら、“単体DSP”の方が有利です。“パワーアンプ内蔵DSP”をお使いいただく場合には、そうしようと思ったときには機器の買い換えが必要になります。しかし“単体DSP”を選んでおけば、それを長く使い続けられます。

このことをご説明すると、多くの方が“単体DSP”の方を選ばれます。そもそも“スピーカー”交換をしようとご来店される方々は良い音への関心が高く、探究心もお持ちです。なので、システムアップの余地が残されている方に魅力を感じられるのだと思います。

対して“パワーアンプ内蔵DSP”の方は、最初からシステムを完結させたいと考えていらっしゃる方から選ばれています。例えば、セカンドカーなので合理的にシステムを作り上げたいという場合だったり」

さて、“単体DSP”を選ぶ際にはどこに着目すると良いのだろうか。

「ご予算ありきですが、コントロールできるch数は吟味された方が良いと思います。将来的なシステム発展の展望にそぐうモデルを選びたいですから。あとは、ソースユニットに何を使いたいかでも変わってきます。DAPを繋いでハイレゾ音源を楽しみたいという場合には、デジタル入力が備わっていた方が便利です。

ちなみにさまざまな機種を取り扱ってきましたが、チューニングのしやすさは機種ごとで大きく異なります。ここはお客様が気にされる必要のない部分なのですが、操作性の高いモデルをお選びいただけるとうれしいですね(笑)」

まずは“単体DSP”に予算を注入し、パワーアンプは後から楽しみながらステップアップ!

組み合わせるパワーアンプの選び方についても訊いてみた。

「そこのところはご予算次第で良いと思います。まずは“単体DSP”自体に資金を注入して、残ったご予算の中で手に届くモデルをお選びいただければ良いのではないでしょうか。最近はリーズナブルでありながらも結構使えるモデルも発売されています。まずはそういったモデルから始めて、後々ご予算ができたときにステップアップさせるというのはアリです。そこも楽しみどころだと思いますし」

インストールにおいての注意点も教えてもらった。

「取り付け場所は熟慮された方が良いかもしれません。シート下に取り付けたいと思われる方は多いのですが、後々パワーアンプをグレードアップさせる可能性がおありならトランクルームの方が有利です。というのも、“単体DSP”とパワーアンプは近接配置するべきです。そうすることでケーブル代を節約できますから。ラインケーブルは長さ違いで価格が大きく異なります。ケーブルにもこだわりたくなったとき、ケーブルが短くてすむとコストダウンが図れるんです。

しかしシート下に“単体DSP”を取り付けると、パワーアンプを換えようとしたときに不都合が出るかもしれません。新たなモデルがシート下に入らない大きさだったら“単体DSP”の取り付け場所も見直す必要が出てくるからです。しかし最初からトランクルームに取り付けておけば、後から余分なコストがかかりません」

最後にお薦め機種を教えてもらった。

「ビーウィズの『STATE A6R series』は、特にお薦めです。素の音質性能が高くチューニング能力も実に優秀です。そして、買い足すことでさらなる高みも目指せます。長きにわたって使い続けられるモデルです。

スピーカー交換をされた次の一手として、“単体DSP”の導入は特に有効です。この良さを、多くの方にご体験いただきたいと思っています」

“単体DSP”を使うと、システム発展という楽しみを目一杯満喫できる。そこのところに興味があれば、“単体DSP”という選択肢の検討を、ぜひに。

「スピーカー交換」からの「バージョンアップ大作戦」公開! Part5 「単体DSPを導入!」

《太田祥三》

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