【ホンダ アコード 新型試乗】せめて2018年後半に日本で発売していれば…渡辺陽一郎

北米での登場から出遅れること2年半

後席の広さはセダンでも最大級、ただ乗降時に注意

セダン市場を盛り上げる効果は…

ホンダ アコード 新型
ホンダ アコード 新型全 12 枚

北米での登場から出遅れること2年半

先ごろフルモデルチェンジを実施した『アコード』は、ホンダの主力車種だ。初代モデルは1976年に発売され、『シビック』と一緒にホンダの4輪車市場を築いた。

【画像全12枚】

新しいアコードは、2017年後半に北米で発売されている。この後、中国などを経て、日本の発売は2020年2月になった。北米と日本では発売時期に約2年半の差があり、この間、日本では旧型アコードを販売していた。

新しいアコードは新世代プラットフォームで衝突安全性を向上させ、走行安定性や安全運転技術も進化している。そうなると2017年後半から2020年初頭まで、日本のユーザーには、海外よりも安全性の劣るアコードを売っていたことにならないか。

ホンダ アコード 新型ホンダ アコード 新型
この点を開発者に尋ねると「先代アコードの安全性が、新型に比べて劣るとは考えていない。発売タイミングが異なるのは、世界各国で販売するため」と返答された。

2019年におけるアコードの販売台数は、北米が25万台、中国は22万台で、日本はフルモデルチェンジされた現行型の販売計画が3600台(月販目標300台)。日本の販売計画は北米の1.4%だから、後まわしも仕方ないと譲歩しても、アコードのフルモデルチェンジ周期は海外では約5年だ。車両の安全性が急速に進歩する現状で、2年半の時間差は長い。最長でも生産期間の20%、つまり1年以内に抑えたい。

後席の広さはセダンでも最大級、ただ乗降時に注意

ホンダ アコード 新型ホンダ アコード 新型
ボディサイズは全長が4900mm、全幅は1860mmと大柄だから車内は広い。特に後席はセダンの中でも最大級だ。シートの座り心地は、体を確実に支えながら、硬さは抑えて快適に仕上げた。

Lサイズセダンとして注意したいのは後席の乗降性だ。ルーフを後方に向けて下降させ、リヤウインドーも寝かせたから、頭を下げて乗り降りする。

エンジンは直列4気筒2リットルで、「e:HEV」(ハイブリッド)を構成する。動力性能の数値は、『ステップワゴン』や『オデッセイ』のe:HEVと共通だ。エンジンは主に発電、モーターが駆動を担当するため、瞬発力が高くアクセル操作に機敏に反応する。巡航中にアクセルペダルを踏み増した時の加速は、3.5リットルエンジン並みに力強い。

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e:HEVの特徴は、駆動をモーターに任せ、エンジンは効率の優れた回転域を多用できることだ。この制御により、余剰な発電をした時は、リチウムイオン電池に蓄えてエンジンを停止しながら走る距離を伸ばす。

しかし効率のみを追求すると、エンジン回転と車速変化にズレが生じて、ドライバーに違和感を与える。先代型の前期型ではこの点が気になったが、現行型は制御を工夫して遮音性も向上させたから、違和感も薄れた。

セダン市場を盛り上げる効果は…

ホンダ アコード 新型ホンダ アコード 新型
乗り心地は快適だ。18インチタイヤを装着しながら、路上の細かなデコボコを伝えにくい。カーブを曲がる時はボディの重さを少し意識させるが、走行安定性は満足できる。特にグリップ不足を感じた先代型に比べると安定性が向上した。

仮に現行アコードが、北米の発売から1年を経過した2018年後半に日本で登場していれば、現行型の『クラウン』、『インサイト』、レクサス『ES』などと時期が重なった。セダン市場を盛り上げる効果が多少は期待できたかも知れない。

ホンダ アコード 新型ホンダ アコード 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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