トヨタ GRヤリス、「ゼロカー」として走る…グッドウッド2020スピードウィークに向けテスト[動画]

全世界にデジタル配信される「グッドウッドスピードウィーク」

往年のラリーマシンが参加する「スピードウィークスーパースペシャル」

0~100km/h加速5.5秒以下で最高速230km/h

スポーツ4WD「GR-FOUR」を新開発

5ドアの新型ヤリスとは異なる専用3ドアボディ

トヨタ GR ヤリス(欧州仕様)
トヨタ GR ヤリス(欧州仕様)全 14 枚

英国のグッドウッドは8月13日、10月に開催する「グッドウッドスピードウィーク」に先駆けて、トヨタ『GR ヤリス』が2つのスーパースペシャルラリーステージで「ゼロカー」として、走行テストを行ったと発表した。

全世界にデジタル配信される「グッドウッドスピードウィーク」

トヨタ GR ヤリス(欧州仕様)トヨタ GR ヤリス(欧州仕様)

毎年恒例の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は、2020年は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響により中止された。その代わりに、企画された新たなイベントが、グッドウッドスピードウィークだ。

グッドウッドスピードウィークは、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮して、無観客で行われる。その様子は、さまざまなパートナーが配信し、世界中で無料視聴できるようにする。

トヨタ GR ヤリス(欧州仕様)トヨタ GR ヤリス(欧州仕様)

グッドウッドスピードウィークは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードと、クラシックカーによるレースイベントの「グッドウッドリバイバル」の2つの要素を取り入れ、3日間のイベントにまとめられる予定だ。

往年のラリーマシンが参加する「スピードウィークスーパースペシャル」

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このグッドウッドスピードウィークのハイライトのひとつが、10月15~16日に開催される「スピードウィークスーパースペシャル」だ。

世界ラリー選手権(WRC)のほぼ半世紀を代表する車を集め、別々のクラスで競い合う。グループ4クラスには、伝説的なランチア『ストラトス』、フォード『エスコートRS2000』、フェラーリ『308GTB』が出走する。グループB時代のモンスターとして、ランチア『037』、ランチア『デルタS4』、アウディ『スポーツクワトロS1』、プジョー『205 T16』なども参加する。

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グループA車では、スバル『レガシイ』と『インプレッサWRX』、ランチア『デルタインテグラーレ』、トヨタ『セリカGT FOUR』が出走する予定だ。

スピードウィークスーパースペシャルの舞台となるのが、2つのスーパースペシャルラリーステージだ。この特設コースには、高速コーナー、タイトなヘアピン、ターマックとグラベルなどの路面の変化が組み込まれ、ドライバーとコドライバーにとって手ごわいステージになるという。

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この2つのスーパースペシャルラリーステージにおいて、ゼロカーとして走行テストを行ったのが、トヨタGR ヤリス。GRヤリスは、WRCに学び、WRCで勝つために、「TMR」(トミ・マキネン・レーシング)と共同開発したスポーツカーシリーズ「GR」のオリジナルモデルだ。

0~100km/h加速5.5秒以下で最高速230km/h

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GRヤリスには、新開発の小型軽量ハイパワーユニットの直噴1.6リットル直列3気筒ガソリンターボエンジンを積む。「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)エンジンの高速燃焼コンセプトに加えて、軽量な運動部品採用によるエンジンの高回転化、ターボチャージャーなど吸排気系の最適化によって、欧州仕様の場合、最大出力261hp、最大トルク36.7kgmを獲得した。このスぺックは、3気筒エンジンとして世界最高レベルという。

このエンジンを、リズミカルな変速を可能にした6速MTの「iMT」と組み合わせる。欧州仕様の場合、0~100km/h加速5.5秒以下、最高速230km/h(リミッター作動)の性能を実現する。

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GRヤリスのサスペンションは、リアにダブルウィッシュボーンを採用した。専用のセットアップが施されており、高いパフォーマンスに向けて最適化されている。 フロントには、マクファーソンストラットを採用した。パフォーマンスブレーキシステムは、4ポットキャリパーを備え、高速サーキットなどに対応するように設計されている。

スポーツ4WD「GR-FOUR」を新開発

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新型エンジンが生み出すパワーは、多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用の新開発スポーツ4WDシステムの「GR-FOUR」によって、四輪に伝えられる。前後駆動力配分の自由度を拡大し、より卓越した走行安定性を追求している。

ドライバーは、4WDモードのダイヤルスイッチを操作して、好みや運転状況に合わせて4WDのパフォーマンスを調整できる。通常モードでは、前後のトルク配分は60対40だ。スポーツモードでは、バランスが後部にシフトして30対70の配分となり、ワインディングロードやサーキット走行を支援する。トラックモードは、高速サーキットを想定しており、前後のトルク配分は50対50になる。各モードでは、ドライバーの入力、車両の挙動、路面の状態に応じて、トルクバランスが自動的に調整される。

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オプションで、「サーキットパック」を用意した。フロントとリアの両アクスルにトルセンLSD、パフォーマンスチューンドサスペンション、ミシュラン「パイロットスポーツ4S」の 225/40R18タイヤ+18インチの鍛造アルミホイールが装備される。

5ドアの新型ヤリスとは異なる専用3ドアボディ

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GRヤリスには、TNGA思想に基づくスポーツ4WDプラットフォームを採用した。WRCの現場からのフィードバックを踏まえ、一から鍛え上げ、バランスの取れた高剛性ボディを実現するとともに、前後のサスペンションジオメトリを最適化した。スポーツ4WDシステムのGR-FOURとの組み合わせによって、高次元での動的性能を追求している。

また、ボディには、アルミ製のエンジンフード、トランクリッド、ドアパネルを採用した。形状自由度の高いSMC工法で成形されたCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)製のルーフパネルも採用する。軽量化を図りながら、優れた空力性能を発揮するために、新型『ヤリス』の5ドアボディとは異なる専用の3ドアボディとした。車両重量は1280kgとなる。

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この3ドアボディは、91mm下げられたルーフが特長で、クーペシルエットを作り出している。フレームレスのドアも、クーペに見える効果を発揮する。フロントでは、デザインとスポイラーが専用デザインだ。リアは、ワイドなトレッドやフェンダーが特長になる。

このGRヤリスを、スーパースペシャルラリーステージのゼロカーとして走行テストを行ったのが、クリス・ミーク選手だ。北アイルランド生まれの同選手は、2015年のラリー・アルゼンチンでWRC初勝利。2019年には、トヨタからWRCに参戦している。

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《森脇稔》

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