ローカル線向けの新列車制御システム、JR東日本が導入へ…衛星や携帯電話通信網を活用

試験に使われる電気式気動車のGV-E400系。
試験に使われる電気式気動車のGV-E400系。全 4 枚写真をすべて見る

JR東日本は9月3日、測位衛星システムや携帯電話用無線を活用したローカル線向けの列車制御システムを、2024年度を目標に導入すると発表した。

このシステムは、GPS衛星や『みちびき』などの準天頂衛星を用いた位置測位システムである「全地球航法衛星システム」(GNSS=Global Navigation Satellite System)を用いて列車の位置を把握したうえで、携帯電話の通信網を利用して車上と地上との間で情報を伝送し、踏切制御や速度制御を行なうというもの。

従来の踏切制御は、軌道上に設けられた「踏切制御子」と呼ばれる列車の在線を検知する装置が使われており、この装置が列車の通過を検知すると、ケーブルを通じて踏切の警報機や遮断器が作動する仕組みになっており、踏切の異常を赤色の点滅で乗務員に知らせる「特殊信号発光機」も連動している。

この方式では大量のケーブルが必要になるなど、地上設備の肥大化を避けられなかったが、新システムの導入によりそのスリム化を図れるほか、踏切異常時のブレーキ制御を自動化できるなど、安全性向上にも繋がるとしており、コスト面では20%程度の削減に繋がるという。

JR東日本では、この新システムの試験を9月から2021年1月まで、高崎線・八高線の高崎~高麗川(こまがわ)間で実施。当初は踏切制御の試験を行ない、速度制御の試験については2021年度の実施を予定している。

無線を用いた列車制御システムとしては、JR東日本に専用無線回線を使った「ATACS」(Advanced Train Administration and Communications System)が埼京線や仙石線に導入済み。列車本数が少ないローカル線向けには汎用の通信網を使用した今回の新システムが有利とされているが、ATACSと異なり、回線が「輻輳」(ふくそう)と呼ばれる混雑状況になる可能性があり、その場合、列車が停止することがある点が問題視されている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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