【アウディ Q3 新型】キーワードは“バランス”…ラインナップの中での位置決め

アウディQ3新型
アウディQ3新型全 36 枚

アウディのコンパクトSUV、『Q3』と『Q3スポーツバック』が導入された。8月18日に正式発売後、既に800台もの受注が入っているという。

【写真】アウディQ3新型(全36枚)

好調な滑り出し

アウディQ3の日本発表は7月7日。Q3は本国で発売になってから2年近くを経過しており、「日本導入はだいぶ遅れたが、Q3スポーツバックと同時に発売出来、さらにディーゼルとガソリンも一度に導入できたので、お客様にはチョイスが増えてより関心を持っていただけそうだ」とコメントするのは同社広報部部長の丸田靖生さん。

現在、コンパクトセグメントは非常に人気であり、Q3、Q3スポーツバックも「発表以来これまでにないぐらいウェブサイトへのアクセスがあった。受注も既に800台を超えている」とし、「今年は3000台ぐらい売りたい」と期待を述べた。

第2世代となる新型Q3は8年ぶりのフルモデルチェンジだ。「先代Q3も非常に高い評価を得ていた」と振り返るのは同社広報部の小島誠さん。新型では、スポーツバックも加えることで、さらにこのセグメントでの選択肢を増やし、より販売台数増を狙うと同時に、「次に『A4』や『A5』に乗り換えていただくお客様へのエントリーモデルになるといい」と今後への思いを語る。アウディQ3新型アウディQ3新型

Q5とQ3の狭間で

そもそもQシリーズは『Q7』でスタート。次に『Q5』、そして今回のQ3と続き、その後『Q2』と『Q8』が登場。「アウディのサクセスストーリーの中で大きな役割を果たしている」と紹介するのはアウディデザインシニアエクステリアデザイナーのダニー・グランド氏だ。

そして現在Q3はエントリーモデルのQ2とQ5の間に挟まれたポジションだ。そのエントリーモデルのQ2は、「強い個性と遊び心を備えている」とその特徴を説明するのはアウディデザインQ3エクステリアデザイナーのマシュー・バグレー氏だ。そしてQ5は、「“洗練されたスタイリング”が特徴。つまりQ3はQ5の洗練さとQ2の遊び心を両立させる必要があった」という。また、「全てのQモデルに共通するオクタゴンのシングルフレームグリルも必要だった」と語る。

そういったことを踏まえQ3をデザインする時に念頭に置いていたのが、「“バランス”というキーワードだ」とバグレー氏。バランスとは、「私達が日常生活に求めているものであり、環境や私達を取り囲むものに求めているものでもある」。その一方で、「私達がQ3で実現したかったのは、様々なライフスタイルに応えるエクステリアデザインだった」という。

グランド氏は、「このライフスタイルは重要なポイントだ」と話す。「クルマというものはお客様のライフスタイルに応え、それを表現し、その延長線上にあるべきもの。そのライフスタイルに応える個性をどうカタチにするか」と述べたうえで、「完璧なバランスは個性を生み出す時に厄介なもの。そこでQ3スポーツバックはあえてその完璧なバランスを崩して、究極に低いキャビンを与えることにした」とQ3からのデザインの変化を語る。そして、「“究極”という言葉をデザインの指標として、細部にわたりミリ単位で変えられるところは極限まで変えたのだ」と述べた。アウディ Q3スポーツバックアウディ Q3スポーツバック

スポーツバックでもセダンよりルーミー

さて、フロントグリルに目を向けると、Q3では、Q2とQ8に採用されている八角形のシングルフレームグリルに縦にクロームのスリットが入っているのがこのモデルの特徴だ。そして、Q3スポーツバックは八角形のシングルフレームグリルは変わらずに、ブラックアウトされた部分が多く、ハニカムパターンが採用されたことに違いがある。小島さんは、「アウディではRSモデルはハニカムを採用しているが、それよりはもう少し大胆な柄のハニカムを採用。スポーティな印象を強く与えている」とのことだった。

また、「現在SUVの世界は非常に多様化しており、Q3スポーツバックは、ルーフの低いSUV、クーペライクで美しい弧を描いていることが特徴。そして、両車ともアウディの特徴でもあるクワトロを想起させるブリスターフェンダー、前後フェンダーの盛り上がりにより表現している」と述べた。

スポーツバックは前述の通りルーフを低くした。そのぶん後席のヘッドクリアランスはどの程度犠牲になったのか。その点について小島さんはまずQ3について、「新型は7mmほど広くなった(旧:969mm、新:976mm)。SUVとスポーツバックとではルーフが低くなったぶん、若干低くなっている(Q3スポーツバック:928mm)」と述べるが、『A3セダン』と比較すると、「スポーツバックの方が広いスペースがある(A3セダン:924mm)。セダンは居住性が重視されるボディスタイル。そのA3セダンと比較をしてもリアのヘッドクリアランスには余裕がある」と十分な空間が確保されていることを強調した。

Q3、Q3スポーツバックのコミュニケーションターゲットは、「Q3は20代後半から40代ぐらいのヤングカップル、子供が小さい、もしくはいない方達。週末には家族で郊外に出かけていくイメージだ」という。そしてスポーツバックは、「独身あるいはDINKSで、都会において日常的に仕事や買い物に使うイメージ。トレンドセッター的な方達を想定している」とコメントした。アウディ Q3スポーツバックアウディ Q3スポーツバック

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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