フェラーリ ポルトフィーノ、大幅改良で「M」に進化…620馬力に強化[動画]

エアロダイナミクスを追求した新デザイン

10.25インチのタッチスクリーンを新採用

0~100km/h加速3.45秒で最高速320km/h

フェラーリ・ポルトフィーノ M
フェラーリ・ポルトフィーノ M全 4 枚

フェラーリは9月16日、『ポルトフィーノM』(Ferrari Portofino M)をデジタルワールドプレミアした。従来の『ポルトフィーノ』の大幅改良モデルとなる。

エアロダイナミクスを追求した新デザイン

エクステリアは、ラップアラウンド形状のフロントバンパーに、力強く彫り込まれたエアインテークが備わり、アグレッシブな外観を追求した。車両全体のドラッグを低減するために、ホイールアーチの頂点に新たにエアベントが設けられた。フロントのラジエーターから排出される気流の一部を新しいベントへ導き、出口で流速を上げて、空気を抜き出す力を高めている。

向上したエアロダイナミクス性能を強調しているのが、フロントバンパーの切り込みだ。車体側面のデザインに流れるようにつながって、サイドビューにビジュアル上の調和を生み出している。グリルは新たにアルミ製スラットを備え、先端のファセット面との対比によって、素材の美しさを強調した。

リアでは、新設計のエグゾーストシステムにより、サイレンサーアッセンブリーをなくした。これによって、テールはいっそうコンパクトになった。その結果、リアバンパーはより流線型の彫り込まれた形状に。リアのディフューザーは新デザインで、バンパーと分割された。ダイヤモンド仕上げのホイールは、専用デザインだ。スポーク部分が彫り込まれたデザインで、陰影の対比によってリムを明るく見せる効果があるという。

10.25インチのタッチスクリーンを新採用

インテリアは、ダッシュボードの構造を見直した。上半分と下半分の間に空間を設けて、下半分のボリューム感を軽減するデザインを狙った。中央には、水平なアルミニウムブレードを配して分割し、上のエリアにはインストゥルメントパネル、空調のエアベント、助手席用ディスプレイを配置した。他の操作機能は、その下のくぼんだエリアにまとめ、中央には10.25インチのタッチスクリーンをレイアウトした。

シートはマグネシウム構造で、パッドの密度を変え、シート背面の厚みをコンパクトにすることで、後席乗員のスペースを増やした。シートとバックレストには、3段階のベンチレーション機能や、ネックウォーマーも装備できる。ネックウォーマーはヒーターのレベルを3段階から選択でき、車両の速度や外気温、リトラクタブルヘッドの位置に応じて、システムがヘッドレストからの温かい空気の速度を常に調節する。

HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の中心になるのが、デュアルディスプレイを備えたデジタルクラスターだ。その中央には、アナログのレブカウンターが配置された。このクラスターは、多機能ステアリングホイールと同軸上に位置している。

インフォテインメントシステムの機能を操作するタッチスクリーンは、ドライバーからもパッセンジャーからも手の届きやすいダッシュボード中央に配置した。フルHDの静電容量式マルチタッチスクリーンには、スプリットビュー機能を備えており、異なるコンテンツを同時に見ることができる。Appleの「CarPlay」とグーグルの「Android Auto」の両方に対応している。

ダッシュボードには、オプションで助手席専用の静電容量式ディスプレイを装着できる。このディスプレイは、メインスクリーンと連動しており、車両の速度やエンジン回転数、選択ギアなどの情報を表示する。この7インチのフルHDフルタッチラーディスプレイを通して、パッセンジャーが車載システムを操作することも可能だ。例えば、聞きたい音楽を選んだり、ナビシステムの情報を確認したりすることができる。レストランなどの新しい施設情報(POI)を選べば、自動的にナビのルートに組み込まれる。

0~100km/h加速3.45秒で最高速320km/h

パワートレインは、排気量3855ccのV型8気筒ガソリンツインターボエンジンだ。このパワーユニットは、最大出力620ps/5750~7500rpmを引き出し、従来型を20ps上回る。新しいカムプロフィールを採用してバルブリフト量を増やし、燃焼室の充填を最適化した。また、ターボチャージャーアッセンブリーには、タービンの回転速度を検知するスピードセンサーを追加した。これによって、タービンの分あたりの最高回転数が5000rpm向上したという。

厳しい汚染物質排出基準を満たすため、「ガソリン・パティキュレート・フィルター(GDF)」をエグゾーストシステムに採用した。GDFによって、ドライビングプレジャーを損なわずに、最も厳しいヨーロッパの大気汚染基準(ユーロ6D)に適合することを可能にしている。

これに貢献したのが、フィルターを連続的に再生して、堆積する粒子状物質の量を抑える制御回路だ。専用センサーを各バンクに2個備えて、GDFの上流側と下流側の圧力差を正確に検出することで達成された。

トランスミッションは、従来型の7速に代えて、新開発の8速デュアルクラッチを搭載した。オイルバス式デュアルクラッチ機構をベースにしている。『SF90ストラダーレ』の8速トランスミッションに対して、高めのギアレシオと、機械式リバースギアが導入された。コンポーネントの新たなレイアウトや組み合わせによって、ギアボックスのサイズと車両への搭載が最適化されている。

「バリアブル・ブースト・マネジメント」が採用された。これは、選択したギアに合わせてトルクの伝達量を調整する新開発の制御ソフトウェアだ。この効果で、回転が上昇するにつれてピックアップがいっそう力強くなり、燃費も最適化された。エンジンから伝達されるトルクは、3速から8速までのシフトアップにつれて増大し、7速と8速で最大トルク77.5kgm/3000~5750rpmに到達する。

これにより、高速ギアには高めのギアレシオを採用することが可能となり、燃料消費量と排出ガスの抑制につながった。一方で、低速ギアでは全回転域でより急角度のトルクカーブを採用して、スムーズで力強い加速感を実現しているという。動力性能は、0~100km/h加速が3.45秒、0~200km/h加速が9.8秒、最高速が320km/hだ。

《森脇稔》

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