【三菱 eKクロス スペース 新型試乗】本当の凄さは、走りだしてからわかる…まるも亜希子

三菱 eKクロススペース
三菱 eKクロススペース全 16 枚

インパクトあるデザインで登場したスーパーハイトワゴン軽の『eKクロス スペース』は、両側スライドドアと広大な室内空間をもつ、ミニミニ『デリカD:5』と言ってもいいくらい、ファミリーにとっての大本命だと感じている。ドアを開けた時からすでに、これまでのスーパーハイトワゴンとちょっと違うかも、という予感がふくらむ。

上質感にこだわったというのも納得のキャビン

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
まず、ドアを閉める音に重厚感があり、しっかりと作られたクルマだと感じられること。高強度の素材を用いた堅牢なキャビンを実現した上で、各パーツなどの合わせ目などにも気を使って、上質感にこだわったというのも納得だ。

次に、シートが絶妙な弾力性のクッションで、心地よく身体にフィットすること。ドライバーの疲れを軽減する効果のあるシートを採用したとのことで、ご近所のチョイ乗りだけにとどまらずレジャーで遠出もしたいというファミリーユースも考えられている。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
さらに、高めのアイポイントから広がる開放的な空間と、手足が自然な位置でペダルやハンドル、シフトレバーにフィットする気持ちよさがある。運転席のヒップポイントは先代から60mmアップし、ガラスは上下の見開き角度が30度、左右の見開き角度が66度と、見晴らしの良さも優秀。しっかりとひらけた視界を確保することで、ドライバーのストレスを軽減し、安全運転にもつがながるリラックスした環境が作られていると感じる。

至れり尽くせりのリムジン級スペース

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
後席の心地よさも魅力のひとつで、両側にドリンク+小物ポケットがあり、折りたたみテーブルやサンシェード、エアコンの風が素早く後席にも届くよう、天井に設置されたリヤサーキュレーターにはプラズマクラスター付きと、至れり尽くせり。

シートは前後に32cmものロングスライドが左右独立してできるので、最後端にすれば足を組んでもまだまだ余裕のリムジン級スペースだ。もちろん、荷物をたくさん積む際には前にスライドすれば、人と荷物に最適なスペース配分ができて使いやすい。

本当の凄さは、走りだしてから

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
ただ、こうした室内の使いやすさならほかのスーパーハイトワゴンも似たり寄ったりだが、eKクロス スペースの本当の凄さは、走りだしてから。

エンジンはターボと自然吸気が用意されており、どちらも減速時のエネルギーで発電してリチウムイオンバッテリーに充電し、その電力でモーターを回してエンジンをアシストしたり、アイドリングストップなどに再利用するマイルドハイブリッドを採用している。

三菱 eKクロス スペースのターボエンジン三菱 eKクロススペースのターボエンジン
自然吸気エンジンはやや穏やかな加速フィールで、メリハリのある軽やかな走りが魅力。上り坂や高速道路の追い越しなどでは、さすがにエンジンが頑張っている感じになるものの、自然な操作感でクセのない運転感覚だ。

そしてターボは、出足からパワフルでなめらか。カーブはもちろん直進でのガッシリとした安定感がアップし、とても安心感がある。市街地だけでなく高速道路での静粛性も高く、乗り心地が後席でもフラットで快適だ。

「マイパイロット」の自然な制御に太鼓判を押したい

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
さらに、バージョンアップした先進の運転支援技術「マイパイロット」によるアクセル・ブレーキ・ハンドルの操作が素晴らしく、現時点ではスーパーハイトワゴンの中で最も自然な動作での制御が得られると太鼓判を押したい。この安心感とリラックス感を一度味わうと、もう後戻りできないくらいだ。

子育て世代で、あちこち遠出をするというファミリーや、ミニバンのように使える軽自動車が欲しいファミリー。また、これまで軽の使い勝手には満足していたが走りには不満があるという人にも、ぜひ試乗してもらいたいのがeKクロス スペースのターボモデルだ。

三菱 eKクロス スペース(左)とeKスペース三菱 eKクロススペース(左)とeKスペース

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌、ウェブサイト、ラジオ、トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

《まるも亜希子》

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