西武鉄道では、特急車両「001系『Laview』」が、鉄道友の会が優れた鉄道車両を表彰する「ブルーリボン賞」を受賞したことを受け、10月25日に「Laviewブルーリボン賞受賞式」を開催した。会場の西武球場前駅(埼玉県所沢市)ではLaviewと「10000系『ニューレッドアロー』」との並びが実現した。
西武球場前駅に据え付けられたのはニューレッドアローの「レッドアロークラシック」塗装車だ。“クラシック”塗装は、さらに前の世代の特急車両「5000系『レッドアロー』」を模したもの。レッドアローは50年前の1970年にブルーリボン賞を受賞している。
レッドアロークラシックの待つ西武球場前駅に到着したLaviewは、受賞式参加ツアーのために仕立てられた臨時列車だ。レッドアロークラシックを含む10000系は、Laviewと入れ替わりに西武池袋線から引退しており、現在10000系が走る西武新宿線にLaviewは導入されていないので、これら2型式の並びは機会が少ない。
西武鉄道の後藤高志取締役会長は授賞式で、「初代レッドアロー以来なかなか獲れなかったブルーリボン賞をやっと獲れた」と喜ぶ。そして新型車を、危機感を持って開発した、と明かす。Laviewブルーリボン賞受賞記念ロゴ
「鉄道は地域独占で、ある意味、安定した事業だ。いっぽうでその安定ゆえに、環境の変化、文化の変遷に、鉄道事業者の感性がキャッチアップしてないのではないか。2005年に社長に就任したとき、その認識に風穴を開けたいと思い、創立100周年になんとかしたいと思った」
「鉄道会社にとって新型車開発は一大プロジェクトで、意識を変える機会だった。西武では車両を『車両部』で開発していたのだが、30000系の開発以来、社内各部署から人を集めたプロジェクトチームを編成するようにした」
「Laviewの開発では、車両メーカーの日立製作所のある関係者が『ドツボにハマった』と言ったように、たいへんな注文をつけた。監修の建築家妹島和世先生にも注文をつけた。かんかんがくがくで出来上がった車両だ」
また鉄道友の会の須田寛会長は「車両のデザインには3つのデザインがある。それは外装と内装と床下で、ラビューはほぼ完成したデザインだ。いい鉄道車両を作ってくれて、こちらの方が感謝したい。Laviewは通勤と観光に使われる。乗った時に心の準備ができる『乗った時から~』という車両だ」とあいさつした。西武球場前駅