【F1 エミリア・ロマーニャGP】メルセデスのハミルトンが堂々の走りで今季9勝目、通算93勝目を記録

F1ロマーニャGP
F1ロマーニャGP全 9 枚

イタリア・イモラサーキットで1日、F1第13戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが行われ、ピットストップで逆転しトップに立ったルイス・ハミルトン(メルセデス)が後続を寄せ付けず、今季9勝目、通算前人未到の93勝目を飾った。

14年ぶりにイモラサーキットで開催されたエミリア・ロマーニャGP。当初観客を入れての開催予定で仮設スタンドの建設も行われて準備万端だったが、直前にイタリア政府が無観客を要請し、第8戦イタリアGP以来の無観客レースとなった。

決勝レースは63周。ここで負けるとチャンピオン獲得の可能性が遠のいてしまうバルテリ・ボッタス(メルセデス)が、ポールポジションからスタートを決めてトップで1コーナーへ。対するルイス・ハミルトン(メルセデス)はスタートで出遅れ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2位に浮上した。

5番手スタートのダニエル・リカルド(ルノー)がピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)を、7番手スタートのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)を抜いて、上位はボッタス、フェルスタッペン、ハミルトン、リカルド、ガスリー、ルクレール、アルボン、ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)の順。

しかしトップ3が徐々に4位以下を引き離し始め、これまでと同じくメルセデスの2台とレッドブルのフェルスタッペンによる優勝争いとなった。ボッタス、フェルスタッペン、ハミルトンはそれぞれ1秒から1.5秒の差を保ちながら走行。互いがファステストラップを塗り替えながら、静かなバトルが続いた。

この均衡が崩れたのは18周目。2位走行中のフェルスタッペンがピットインしてタイヤをミディアムからハードに交換、翌周にはボッタスがピットインして同じくミディアムからハードに交換し、これで順位はハミルトン、ボッタス、フェルスタッペンの順になった。ピットストップを行っていないハミルトンは24秒前方。この差をピットストップ後にトップで戻れる29秒程度まで広げるために、ハミルトンは猛プッシュし、徐々にその差を広げていった。

30周目、ハミルトンとボッタスの差は28秒しかなかったが、このタイミングでコースサイドにストップしたマシンを排除するためVSC(バーチャルセフティーカー=決められた速度まで減速して、各車のタイム差を保ったまま走行)が導入され、それとともにハミルトンはピットイン。他のマシンが低速走行している中でタイヤ交換を行ったため、余裕を持ってトップでコースに復帰することができた。

運をも味方につけてトップを奪い取ったハミルトンは、VSC解除直後は3.8秒程度だったボッタスとの差を徐々に広げ、43周目には約13秒に。スタート直後にコース上に落ちていた他車のパーツを踏んでマシンを痛めていたボッタスは、この周にフェルスタッペンに抜かれ3位に後退した。

残り20周。フェルスタッペンはハミルトンとの差を12秒台まで縮めた場面もあったが、ハミルトンもペースを上げ、また13秒台の差に戻る状況が何度か繰り返された。この状況が最後まで続くかと思われた51周目、なんとフェルスタッペンのタイヤがバーストしコースアウト。ハミルトンとフェルスタッペンによる優勝争いはあっけなく終了となってしまった。

ここでフェルスタッペンのマシンを排除するためセフティーカーが導入され、40秒以上差をつけられていたボッタスはピットインしてタイヤをソフトに交換。ハミルトンも1周後にソフトに交換し、両者順位を保ってコースに復帰した。

58周目、残り6周でレースは再開。セフティーカーにより差がなくなり、ボッタスはトップに立つ最大のチャンスを掴んだが、ハミルトンはリスタートを決めトップを死守。その後はファステストラップを刻みながらボッタスを引き離し、今季9勝目、通算93勝目となるトップチェッカーを受けた。

ボッタスが2位に入り、レッドブルの2人がノーポイントだったことから、メルセデスがコンストラクターズ・チャンピオンを、早々と第13戦で決めた。メルセデスのタイトル獲得は、2014年に初タイトルを獲得してから7年連続7度目。フェラーリが1999年から2004年にかけて記録した6年連続チャンピオンの記録を抜いて、F1史上初の7年連続チャンピオンの座に輝いた。

3位表彰台を獲得したのは、14周目にソフトからハードに交換し、その後49周そのタイヤで走りきったリカルド。ソフトタイヤで追い上げてくる後続を抑えきって、今季2度目の表彰台を獲得した。

ホンダ勢はガスリーがトラブルで9周目にリタイヤ、フェルスタッペンはタイヤバーストでリタイヤ、アルボンは終盤スピンを喫し完走中最後尾の15位でフィニッシュと、全車が上位でフィニッシュできる展開だっただけに残念な結果となってしまった。

その中ひとり活躍したのはクビアト。最後のセフティーカーが導入された時点で7位を走行していたが、このタイミングでピットインしてソフトタイヤにスイッチし、順位を守ったままコースに復帰した。リスタート後はコーナーごとにオーバーテイクを決めて一気に4位まで浮上。最終的にリカルドを抜くには至らなかったが、見事4位フィニッシュを決めた。

以下ルクレール、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、カルロス・サインツ(マクラーレン)、ランド・ノリス(マクラーレン)、そして18番手スタートから48周目までタイヤ交換を伸ばしたキミ・ライコネン(アルファロメオ)が9位、最後尾スタートから追い上げを図ったアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)が10位だった。

■エミリア・ロマーニャGP 決勝レース結果
1. ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2. バルテリ・ボッタス(メルセデス)
3. ダニエル・リカルド(ルノー)
4. ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
5. シャルル・ルクレール(フェラーリ)
6. セルジオ・ペレス(レーシングポイント)
7. カルロス・サインツ(マクラーレン)
8. ランド・ノリス(マクラーレン)
9. キミ・ライコネン(アルファロメオ)
10. アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)
11. ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
12. セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
13. ランス・ストロール(レーシングポイント)
14. ロマン・グロージャン(ハース)
15. アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
以上完走

--. ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)
--. マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
--. ケビン・マグヌッセン(ハース)
--. エステバン・オコン(ルノー)
--. ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

《藤木充啓》

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