希少なマセラティやコスモスポーツも快走…奥鬼怒紅葉ツーリング

大笹牧場を駆ける参加車たち。
大笹牧場を駆ける参加車たち。全 18 枚

11月3日、日光周辺においてヒストリックカーを中心とした“奥鬼怒紅葉ツーリング”が開催された。主催は奥鬼怒紅葉ツーリング実行委員会。

2020年はコロナ禍の影響で多くのヒストリックカーイベントが中止され、クルマ好きが集まる機会も激減している。栃木県においてもこの状況は同様で、毎年春と秋には様々なヒストリックカーイベントが開催され、多くの人たちが楽しみにしていた。この良い季節、日光周辺のワインディングロードを仲間と一緒に走らせる気分は格別なのである。

そこで有志たちによる議論をもとに、多くのドクターの適宜指示を受けながら(そのほとんどが参加者でもある)開催方法を模索。その結果、来場時の体温測定、マスク着用、手の消毒などを徹底すること、そして、基本的には屋外でのミーティングなどを含めた様々な施策を打つことで実施にこぎつけたのだ。

運営・協力は毎月第4日曜日に宇都宮ろまんちっく村にて宇都宮周辺のクルマ好きが集うFree Motor Meeting(FMM)のメンバーや、アドバンスポーツクラブ栃木がボランティアで参加。また、過去様々なヒストリックカーイベント等の実績があり、また、栃木県周辺において、自動車文化を通じ社会貢献をめざすマロニエオートストーリーフォーラム(MASF)も協力体制を敷いた。

今回はアルファロメオが多く参加していた。今回はアルファロメオが多く参加していた。

朝方は雨が残ったものの集合時間の8時過ぎには晴れ間が見えた稲荷山採石場跡地(栃木県宇都宮市)。そこに続々と参加車が集まり始めた。今回はこういった状況下なので特に年式による縛りは設けなかったが、そのほとんどは1960年代前後のヒストリックカーたちだ。今回は大々的な募集は行わなかったにも関わらず、約40台が参加。皆、こういう集まりを待ちわびていたことが伺えた。

参加車両はアルファロメオの各シリーズが多く見受けられたほかに、マセラティの非常に希少な2台、『インディ』と『メキシコ』が見られた。インディは4シータークーペというコンセプトで開発された。オーナーによると『ギブリ』よりもはるかに乗りやすく、かつパワフルな走りを楽しめるという。もう1台のメキシコは古くから日本にある、いわゆるバーンファインド、納屋ものといわれる個体で、出来る限り当時のままの状態を保ちながら、機関などに手を入れられたものだ。そのほかに目を惹いたクルマを1台挙げるとすれば、マツダ『コスモスポーツ』だろう。今年100周年を迎えたマツダが手掛けた2ローターのスポーツカーだ。いま見ても斬新で美しいスタイルと、独特のロータリー音を響かせながらの走りは軽快そのものだった。

MGAがスタート。MGAがスタート。

これら以外にも素晴らしいコンディションに整えられたクルマたちを眺めているうちにスタート時間となった。今回はラリー形式ではなくツーリングなので、前もって用意されたコマ図を手に各自好きなタイミングでスタート。霧降高原や大笹牧場などを通り、日光市小佐越にゴールする、およそ100km強のコースで、高速やワインディングなどバラエティに富んだシチュエーションが組まれていた。

実際に私も参加車たちと一緒に走ったのだが、渋滞を回避しかつ美しい紅葉を堪能できる見事なコース設定に脱帽する思いだった。これは参加者たちも同じで、好天の中、景色を堪能しながら仲間たちとのツーリングを楽しんでいた。因みに今年の紅葉は赤が映えているとは、地元のおばあちゃんの弁。

背景は大谷石の石切り場跡だ。背景は大谷石の石切り場跡だ。

そしてゴールした先では屋外でのランチだ。お店が用意したテーブルだけではなく、各自持ち込んだピクニックテーブルに西洋料理 明治の館のケータリングが用意され、参加者は皆、笑顔で久々に集うことへの喜びをかみしめていた。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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