JR北海道「過去最大の赤字」…コロナによる減収に歯止めがかからず 2020年度第2四半期収支

第2四半期では対前年比で51%の利用に留まった、帯広・釧路方面への特急。写真は札幌~釧路間の『おおぞら』。
第2四半期では対前年比で51%の利用に留まった、帯広・釧路方面への特急。写真は札幌~釧路間の『おおぞら』。全 3 枚

JR北海道は11月6日、2020年度第2四半期の収支状況を明らかにした。

JR北海道単体では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いた影響で、鉄道輸送の基軸である北海道新幹線と新千歳空港アクセス、都市間輸送の利用者数減少に歯止めがかからず、8月にはやや持ち直したものの、7~9月のトータルでは、前年同時期と比べて北海道新幹線で33%、新千歳空港アクセスで38%、都市間輸送(帯広・釧路方面)で51%の利用に留まった。

これらの影響により、鉄道運輸収入などを含む営業収益は前年よりほぼ半減した239億円となっている。

人件費や修繕費、減価償却費などを含む営業費用については、賞与削減や役員報酬の自主的な返納、減便・減車、工事の前年度前倒しなどで47億円圧縮。特別損益に国からの支援73億円を計上したものの、最終赤字は前年度の19億円から大幅に拡大した104億円となり、過去最大となった。

第2四半期では新たな取組みとして、東急の観光列車『ROYAL EXPRESS』が3回運行され、地域の賑わいや観光需要を創出したとしている。第2四半期では新たな取組みとして、東急の観光列車『ROYAL EXPRESS』が3回運行され、地域の賑わいや観光需要を創出したとしている。

こうしたなか、資金繰りも厳しい状況が続いており、通常5・11月の年2回入金されている国からの支援金を四半期ごとの入金に変更、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)からの無利子借入れ(約30億円)の返済猶予、取引銀行への当座貸越枠増額要請などで対処。第2四半期ではトータルで170億円規模の資金確保に目途をつけているという。

JR北海道グループ全体では、4~9月の連結で335億円の大幅減収となっているが、JR北海道では「最終利益の悪化を最小限に抑えるべく、取り組みを行ってまいります」としている。

第2四半期に登場し、10月にデビューしたキハ261系5000番台「はまなす編成」。第3四半期以降、JR北海道の起爆剤になるか注目される。第2四半期に登場し、10月にデビューしたキハ261系5000番台「はまなす編成」。第3四半期以降、JR北海道の起爆剤になるか注目される。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 日産が新型ミニバン『タウンスター・エバリア』を欧州発表…EVも設定
  2. 高速道路料金も「変動制」導入、来年度から全国的に順次拡大[新聞ウォッチ]
  3. 三菱『デリカD:5』ついにフルモデルチェンジへ! 車名は「D:6」!? 2025年内発表か
  4. メルセデスベンツ『CLE カブリオレ』に「AMG 53」、電動ターボで449馬力
  5. [VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
  6. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー・国産ブランド…小型・薄型モデルのトレンドを分析!
  7. BMWモトラッド、「自動シフトアシスタント」発表
  8. マフラー選びの決め手、『合法性と性能の両立』が求められる~カスタムHOW TO~
  9. 総合商社恐るべし!? 伊藤忠がビッグモーター新会社へ社長・幹部ら50人超派遣[新聞ウォッチ]
  10. 初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
ランキングをもっと見る