近鉄もコロナで赤字の見込み…企業努力で改善しない場合は運賃・料金の改定も

収支改善へ向けた施策として特急サービスの充実が挙げられている鉄軌道事業。写真は2020年3月にデビューし、増発が重ねられている80000系『ひのとり』。
収支改善へ向けた施策として特急サービスの充実が挙げられている鉄軌道事業。写真は2020年3月にデビューし、増発が重ねられている80000系『ひのとり』。全 8 枚写真をすべて見る

近鉄グループホールディングス(近鉄HD)は11月12日に発表した「2021年3月期第2四半期決算」で、鉄軌道事業の運賃・料金改定を示唆した。

近鉄HDの「令和3年3月期第2四半期決算短信」によると、鉄軌道事業では新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発出により、2020年4~9月の輸送人員が大幅に減少。5月の緊急事態宣言解除後は徐々に回復したものの、7月下旬から8月にかけてコロナが再流行した影響から、運輸業全体の営業収益が2019年度同期の41.5%に留まり、営業損失は2019年度同期の営業利益にほぼ匹敵する197億8800万円に上ったという。

「2021年3月期通期業績予想」では、鉄軌道事業の旅客運輸収入が2020年度末時点で平年の約85%まで回復するとしているものの、2020年3月の通期実績と比べ、輸送人員が23%減、営業収益が28.6%減になると見込んでおり、256億1000万円の黒字から137億円の赤字に転落すると予想している。

このため、鉄軌道事業では設備投資の抑制、徹底的なコスト削減、利用状況に応じたダイヤ変更の検討、特急でのサービス充実や観光列車の投入といった施策を進めるが、「十分に改善しない場合に備え、運賃・料金改定に向けた制度研究や検討を進めている」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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