アストンマーティン、新たなブランドメッセージ…六本木ヒルズで全ラインナップを展示

“Aston Martin Deserves be driven”
“Aston Martin Deserves be driven”全 8 枚

アストンマーティンは、11月20日から21日にかけて、“Aston Martin Deserves be driven”と題したオールラインナップを展示するイベントを東京六本木ヒルズ大屋根広場にて開催している。

走りの楽しさを訴求するために

今回の展示車両は、最新のSUV、『DBX』をはじめ、『DBS』、『DB11』、『ヴァンテージ』の4台が置かれ、同社のラインナップが勢ぞろいしたことになる。

アストンマーティンジャパンマネージングダイレクターの寺嶋正一氏は、プレゼンテーションで、「8月1日にアストンマーティンは新しいCEOのトビアス・ムアースを迎え、新体制でスタートした。これに伴い、ブランディングも新しい方向に向かっている。新しいブランディングは、“Aston Martin Deserves be driven”というキーワードだ」とコメント。そして、「アストンマーティンは美しいクルマとして認知されているが、同時に走ることの楽しみを追求したクルマだということをテーマにしている」とし、今回のイベントでは、応募した中から抽選で試乗も可能である。

また、VTRにてアストンマーティンチームクリエイティブオフィサーのマレック・ライヒマン氏も登場。「2020年は全ての人々にとって苦難に満ちた年だが、大きな変革の時期は、大きなチャンスの時期でもある」とし、「この困難な年にもかかわらず、私たちは他の現行ラインナップ、DBS、DB11、ヴァンテージに加え、アストンマーティン初のSUVモデル、DBXを成功裏に発売することが出来た」と語り、「今年はアストンマーティンにとって変革の年といえるだろう」と述べる。

これは、「新しい経営陣が加わり、事業計画が更新され、長期的なパートナー、サプライヤー、株主であるメルセデス・ベンツAGとともに、戦略的協力関係を拡大及び強化することを発表した」からだ。

アストンマーティンは、「その類まれな伝統を尊重し、卓越したクラストマンシップとデザインで尊敬を集め、恐れを知らないアプローチで羨望の的となっているグローバルブランドだ」とライヒマン氏。そのブランドの遺産を、「次の世代へ進化させるため、アストンマーティンならではの美しさに、挑発的な要素を少し付け加えた新しいビジョンを策定した」。それは、「美しさ、情熱、魂、パワー、ラグジュアリー」だ。

アストンマーティンは、「107年という歴史の中で、自動車の芸術作品を作りたいという願望から生まれた。その全てのモデルには、製作者の哲学、魂、血と汗と涙が込められている。あくなき情熱と最高の機能が融合することにより、人々の魂を刺激する美しさが生み出される。そのクルマは、人々の視線を一身に集める。それがアストンマーティンだ」と語った。

ラグジュアリーブランドとしての立ち位置を見極めて

さて、今回は今年2月の東京ミッドタウンに続いてのイベントだが、その点について前出寺嶋氏に話を伺ってみた。

Q:まず今回のイベントの目的について教えてください。

寺嶋:8月1日に新しいCEO、トビアス・ムアースが就任したことによって、新体制になりました。それに伴ってブランディングも新しい方向に変わったのです。そして今回、“Aston Martin Deserves be driven”というテーマでこのイベントを開催していますが、これは新しいブランディングのひとつのテーマです。我々はそのキーワードにスポットを当てて、“Aston Martin Deserves be driven”、つまり、運転する喜びを説明したいのです。アストンマーティンは、凄く美しいクルマで、芸術作品のようなクルマなどで知られていますが、さらに、どのくらい走って楽しいクルマなのかということを届けたいというのがイベントの目的なのです。

Q:CEOが変わり、新体制になりましたが、日本的にはどのような影響があると考えていますか。

寺嶋:日本固有の影響はいまのところ実感はしていません。グローバル的には、ラグジュアリーブランドとしてきちんとやるべきことをやっていこうということがあります。これまでは、企業拡大路線であったのに対し、これからは、より腰を据えてラグジュアリーブランドとしてのあり方を見直して発展していこうというやり方になったのです。

Q:そうすると、これまでのような新車攻勢は少し減ってくるのでしょうか。

寺嶋:セカンドセンチュリープランとして目指してきたものを、急に路線変更ということは特にいまのところいわれてはいません。これから今後の方針を慎重に見極めながら進めていくということです。本来ラグジュアリーブランドとしてあるべき姿、希少性、ビスポークなどラグジュアリーブランドの特徴をきちんと見極め、進めていこうということです。

Q:希少性などはラグジュアリーブランドとしてとても大切なことですね。一方で企業としては成長もしていかなければいけません。そのあたりはどう捉えているのでしょう。

寺嶋:企業の拡大路線を目指すと、同時に台数が伸びるとは限らないのです。希少性をきちんと守ったからこそ台数が伸びるというのが原理だと思います。例えば、手に入らないと欲しくなるということがありますので、需要を超えた供給をしてしまうとお客様は去ってしまいます。手に入らないとなると欲しくなるし、それがラグジュアリーブランドとしての本来のあり方だと思います。

Q:つまり、需要よりも1台少ない供給ということですね。

寺嶋:はい、これによってお客様に購入していただいた商品の価値を高めるということが大事なのです。

Q:いまビスポークの話がありましたが、昔からアストンマーティンは“Q”として訴求はしています。しかし日本においてはまだ知名度が低く感じますが、いかがでしょう。

寺嶋:いろいろな本社主導のビスポークプロダクトを進めていますが、日本発信のビスポークも台数限定などで考えています。そういうビスポークのお手本となるようなスペシャルなものを提案していくことによって、お客様もそういうクルマが自由に作れるということを訴求していきたいですね。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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