VW『ID.3』、単一国で連続EVドライブの世界最長記録…2か月で約3万km走行

フォルクスワーゲン ID.3 の約3万kmに及ぶ公道耐久テスト車両
フォルクスワーゲン ID.3 の約3万kmに及ぶ公道耐久テスト車両全 7 枚

フォルクスワーゲンは12月1日、新型EVの『ID.3』(Volkswagen ID.3)の2か月に及ぶドイツでの公道耐久テストが終了し、「単一国で連続EVドライブの世界最長記録」を達成した、と発表した。

「ID.ファミリー」として、欧州で最初に発売されたのが、フルコネクテッド機能を備えたコンパクトEVのID.3だ。ロングホイールベースと短いオーバーハングが特長で、内燃エンジンが搭載されていないため、前後アクスルを車両のより外側に配置することを可能にしている。

ID.3には、電動車専用に新開発された「MEB」(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)車台を使用する。モーターがギアボックスとともにリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。モーターからリアアクスルへのパワーの伝達は、1速ギアボックスを介して行われる。

ID.3では、バッテリーが他のコンポーネントとともに、車両のフロア下に効率よく搭載される。バッテリーの蓄電容量は45kWh、58kWh、77kWhの3種類のグレードを、順次設定する。新しい燃費基準のWLTPモードにおいて、およそ330~550kmの航続を実現している。

充電は、AC(交流)、三相交流、DC(直流)で充電できる。出力100kW の急速充電に対応しており、30分の充電でおよそ290kmの走行が可能なバッテリー容量を充電できる。

フォルクスワーゲンは、このID.3の2か月に及ぶドイツでの公道耐久テストを終了し、単一国で連続EVドライブの世界最長記録を達成した、と発表した。65日間でドイツ全土を回り、2万8198kmを走行している。

2か月間のテストにおいて、出力60kW以上の急速充電ステーション652か所に立ち寄り、ID.3の長距離品質とドイツの充電インフラストラクチャ性能を確認した。フォルクスワーゲンの充電カードは、オペレーターに関係なく、ドイツの急速充電ステーションネットワーク全体へのアクセス性が確認されたという。

テスト車は、2021年春に欧州発売予定の新グレード、「プロS」だ。バッテリーの蓄電容量は77kWhで、1回の充電での航続は最大549 km。フォルクスワーゲンはプロSの試作車によるテストを推進し、2021年春の市場投入に備える。

なお、このマラソンテストドライブでは、平均してテスト車両は100km走行あたり19kWhを消費した。1回の充電での最大航続は420kmだった、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダ『CX-5』新型を欧州で発表…日本では2026年中に発売
  2. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  3. VWの高性能小型EV『ID.3 GTX』、2代目ゴルフに着想の「FIRE+ICE」限定発売へ
  4. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  5. ダイハツの新型『ムーヴ』が絶好調!「スライドドア化は正解」「やるじゃんダイハツ」と評価の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る