これはポルシェに実際に乗った感想ではなく、プロ級のeスポーツドライバーのコメント。実車と変わらない挙動を感じながら、画面上でラップタイムを競い合うのが、Porsche Esports Racing Japan(ポルシェEスポーツレーシングジャパン)。そのシーズン2決勝が20日、東京・原宿の Porsche Taycan Popup Harajuku で行われた。
見てのとおり、このポルシェEスポーツレーシングジャパン大会は、プレステ(PlayStation)『グランツーリスモSPORT』 でトップを争うeスポーツ競技。昨年シーズン1が開催された「ポルシェカレラカップジャパン」「ポルシェスプリントチャレンジジャパン」に続く、ポルシェが主催する3つめのワンメイクレースシリーズ。シーズン2の優勝者は賞金100万円が手に入る。
◆準決勝はポルシェ『タイカン』ターボで首都高を

そしてこの日、決勝ラウンドに進出したドライバーが、宮園拓真(20)、山中智瑛(27)、鍋谷奏輝(20)、川上奏(24)、國分諒汰(21)、加藤達彦(20)、清水裕生(23)、今里駿斗(19)、今井慶春(25)、吉田匠吾(25)の10人。
準決勝・決勝とも、メカニカルダメージなし、ブーストなし、コース外グリップ低下はリアル、セッティングは禁止・給油速度は毎秒3リットル、ショートカットペナルティは弱、サイドプレスペナルティはあり。準決勝のマシンは、ポルシェ『タイカン』ターボS'19。コースは「東京エクスプレスウェイ・南ルートまわり、使用タイヤはレーシング・ミディアム、タイヤ摩耗倍率1倍、ローリングスタートで始める。
◆最終コーナーまでサイドバイサイド、会場も大盛りあがり

最終ラップ、観客をわかせたのは、山中智瑛と宮園拓真。最終コーナーまでサイドバイサイドを繰り返し、接戦をみせてくれたすえ、チェッカーフラッグの前を最初に通過したのは、山中智瑛。そこへ宮園拓真、鍋谷奏輝と続いた。
「決勝のポルシェ 911 GT3 RS は、ぼくにとってだいぶ苦手なクルマで、練習走行でも予選でも苦戦していて、タイヤ戦略も中途半端に……。でも、なんとか最後まで走りきって3位はうれしかった。表彰台へ立つことさえ不安だったから、かなり満足している」(鍋谷奏輝)
◆最後のコーナーでタイヤがたれてきたので、ブレーキをためらった

「決勝戦に入っていくにあたり、練習走行は作戦を考えながら入った。思いのほかレースが調子よくて、タイヤをコンパウンドを選んだのもよかった。最後はフルプッシュでついていったけど、シケインでブレーキしたときは怖さを感じた。宮園選手といいバトルができてよかった」と優勝した山中智瑛。最後はこう語って、会場の拍手を呼んだ。
「優勝賞金の100万円は、リアルなマイカーのローンの返済にあてる。でもこの賞金で、こうした大切なeスポーツレースドライバー仲間と、みんなで食事会を開きたい」