東京メトロの大都市型MaaS『my!東京MaaS』が掲げる3つのキーワード…オートモーティブワールド2021

東京メトロが提供する公式アプリ『東京メトロmy!アプリ』
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移動の「質」を高める大都市型MaaS

東京地下鉄(東京メトロ)は、『my!東京MaaS』と名付けた大都市型MaaSに取り組んでいる。その第一段として8月に公式アプリをリニューアルしてMaaS機能を実装したのを始め、12月からはNTTドコモや東京海上日動あんしん生命保険と組んで健康応援キャンペーンも開始した。

MaaSというと新たなモビリティの運行やサービスの提供などをつい連想しがちだが、東京メトロの大都市型MaaSは公式アプリを軸に、他の鉄道事業者を始め、タクシー、エアライン、シェアサイクル、さらには保険会社やIT企業など様々な業種と連携することで、メトロ利用者向けサービスの質向上を狙いとしているのが特徴だ。

my!東京MaaSを担当する東京メトロ経営企画本部の川上幸一企業価値創造部長兼まちづくり連携担当部長は「決して何か新しい乗り物を造ることだけがMaaSではないと思っている。我々が今まで提供してきた移動というものを、様々な交通機関や業種と連携することで、しっかりと質の高いものにしていくことをコンセプトにしている」と語る。

東京メトロが考える大都市型MaaS東京メトロが考える大都市型MaaS
さらに「欧米ではMaaSで、いかにパーソナルカーの利用から公共交通へシフトするかというのが、ひとつの大きなテーマになっている。一方で東京は特殊なところで、公共交通の利用率も高いし、様々な独立した交通事業者が集まっている。そうした状況の中で欧米のようにクルマからシフトしてくださいといっても、なかなかシフトして頂けるものではない。しかも首都圏といえども今後人口が減っていくことも予想されるので、なるべく移動の回数を増やしていきたい。もしくは移動の付加価値を高めることに取り組む必要がある」とも指摘。

その上で「東京という都市の特殊性を踏まえて我々の役割は何かをしっかりと考え、やはりモビリティのひとつである我々の鉄道をサービスとしてご提供するためのMaaSを目指す。それを通じてメトロ利用者のお一人おひとりの好みの移動の仕方や、私だけの好みの東京を探して頂こうということで『my!東京』と名付けた」と川上氏は話す。

「パーソナライズド」「リアルタイム」「ネットワークの連続性」

『my!東京MaaS』イメージ『my!東京MaaS』イメージ
東京メトロの大都市型MaaSであるmy!東京MaaSは「パーソナライズド」、「リアルタイム」、「ネットワークの連続性」の3つをキーワードに掲げている。

このうちパーソナライズドについて川上氏は「東京メトロは1日あたり750万人のお客様をお運びさせて頂いていて、これを営業時間(19時間)で割っていくと1秒間に110人位のお客様をお運びしていることになる。もし10分電車が止まれば、大変なことになる。その750万人のお客様のご意向をお尋ねすると、混雑は嫌といった共通した項目はあるものの、それぞれお一人おひとり移動の際に感じる不便さ、困難さというのは微妙に違っている」という。

加えて「目的地への行き方も違うし、そもそも目的地も全く同じ場所にいくわけでもないといったように、実はお客様お一人おひとりにそれぞれ好みの移動の仕方があったり、それぞれ感じられる不便さがある。これまではマスに対しての施策を打ち出していたのに対して、お一人おひとりに合ったサービス、お一人おひとりに合った“私だけの東京”を提供していきたい」と川上氏は話す。

またリアルタイムに関しては「例えば国立競技場でイベントが終わった時に、最寄り駅までの行き方や駅の混雑状況、さらには最寄り駅までの途中にある飲食店など情報をアプリで検索できるようにすることで、お客様にあった移動の仕方、例えば混雑していても早く帰りたいのか、もしくは余韻にひたって混雑がなくなってから帰ったほうが良いのか、そうした手段を幅広く提供していきたい」と説明。

『my!東京MaaS』イメージ『my!東京MaaS』イメージ
一方、ネットワークの連続性では「簡単に言えば、出発地から目的地までシームレスに、ということ。これまでは改札から改札までがメインのサービスだったが、やはり駅の改札を出てから目的地まで、どう快適に、もしくはその人の好みにあった移動の仕方をするかというところまでカバーしたい。もちろん東京メトロが改札から先の交通まで担うということはなかなか難しいので、そこはタクシーやシェアサイクルなどと連携していく」という。

さらに川上氏は「歩くということもモビリティのひとつとしてとらえて、歩くことの価値をどう創出していけるかも考えて、提供していこうとしているところ」と明かす。

それが公式アプリ『東京メトロmy!アプリ』に12月から新機能として追加された『ひと駅歩く検索』だ。「単にひと駅歩くだけでは何なんだという話しになるので、そこはNTTドコモさんが提供する『dヘルスケアアプリ』や、東京海上日動あんしん生命保険さんが提供する歩数計測アプリ『あるく保険』と連携して、歩数をカウントしてその分のインセンティブを付与するというのが第一弾の取り組み。そして歩くことで東京の魅力を再発見して頂きたい」と川上氏は解説する。

移動から新しいライフスタイルの提案へ

こうした3つのキーワードを軸に大都市型MaaSで移動サービスの向上を目指している東京メトロだが、新型コロナの感染拡大、長期化という逆風に直面しているのも現状だ。

「ワクチンなどの効果である程度収束することは期待しているが、移動自体が以前ほど戻らない可能性も考えている。一方で、移動のピークを分散させて平準化することはやっていくべきだとも思っている。これまではオフピーク通勤が主体だったが、情報提供の仕方や、例えばポイント付与といったインセンティブの付け方で、分散化して頂ければと考えている」と川上氏は話す。

さらに「テレワークの定着で移動自体が減ってはいるが、1日中テレワークというよりは、午前中にテレワークして頂いて、午後からは移動して頂くといったライフスタイルも出てくると思う。むしろシェアオフィスの場を提供するなど、新しいライフスタイルを造って提案していくというのが、コロナに対する取り組みと考えている」とも。

その川上氏は2021年1月20日から東京ビッグサイトで開催される「第13回オートモーティブワールド」のセミナー、MaaSフォーラムの初日、「MaaSが起こす街づくり革命」に登壇し、「my!東京MaaS~東京メトロが考える大都市型MaaS~」をテーマに講演する。

「まずは東京メトロのMaaSの目的をご理解頂き、その上で何か新しい価値を一緒になって考えてもらえるパートナーを募りたい。ラグビーボールのパスではないが、横へ横へとつないでいくことが大事ではなかと考えている」と川上氏は講演に向けた思いを寄せる。

■本講演の詳細は
https://reed-speaker.jp/Seminar/2021/inwtokyo/top/?id=AUTO&lang=jp

■第13回 オートモーティブワールド
自動運転、EV/HEV、カーエレクトロニクス、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における先端テーマの最新技術が一堂に出展する。「展示会はいかなる場合でも予定通り開催することが大原則である」という主催社の考えのもと、徹底したコロナウイルス対策をおこない出展社、来場者の安全を確保し予定通り開催される。

■展示会のご入場には招待券が必要です。招待券請求(無料)受付中!
※招待券の事前登録により、入場料(5,000円)が無料になります。
https://regist.reedexpo.co.jp/expo/NWJ/?lg=jp&tp=inv&ec=AUTO

会期:2021年1月20日(水)~22日(金)10:00~18:00 (最終日のみ17:00まで)
会場:東京ビッグサイト
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
■第13回 オートモーティブワールド 詳細はコチラ!

《小松哲也》

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