リマックの1914馬力EVハイパーカー、先行量産を開始…2021年発売へ

ポルシェが15.5%を出資

モノコックとルーフの重量は200kg以下

0~96km/h加速2秒以下で最高速412km/h

プリプロダクションモデルを本格生産前の最終テストに使用

先行量産が開始された リマック C_Two
先行量産が開始された リマック C_Two全 14 枚

リマック・アウトモビリ(Rimac Automobili)は12月21日、EVハイパーカーのリマック『C_Two』(Rimac C_Two)の2021年の発売に向けて、同車のプリシリーズプロダクションを開始した、と発表した。

ポルシェが15.5%を出資

リマック・アウトモビリ社は2009年、クロアチアに設立された。リマック・アウトモビリ社の名を広めたのが、2011年に発表されたEVスーパーカーの『コンセプトワン』だ。コンセプトワンは、「世界初のEVスーパーカー」を掲げて登場した。2ドア、2シーターのスポーツカーデザインで、前後アクスルにそれぞれ2個ずつ、合計4個のモーターを搭載し、4輪を駆動する。

リマック・アウトモビリ社は2018年、ポルシェからの出資を受けた。ポルシェがリマック・アウトモビリ社の10%の株式を取得し、その後、出資比率を15.5%に引き上げた。リマック・アウトモビリ社は、高電圧バッテリー技術と電動パワートレインに関するノウハウを持っており、ポルシェは同社の技術を電動化の推進に役立てていく。

モノコックとルーフの重量は200kg以下

リマックC_Twoには、カーボンファイバー製モノコックを採用する。自社設計によるC_Twoのフルカーボンファイバー製モノコックは、自動車メーカーで最大の単一カーボン構造とした。バッテリーやモーターなどの電動パワートレインは、このモノコックと一体設計されている。このモノコックは、ルーフを合わせても重量が200kg以下と軽い。モノコックとカーボンルーフは接合されている。車体の前部と後部は、アルミ製の衝撃吸収構造とした。ボディサイズは全長4750mm、全幅1986mm、全高1208mm、ホイールベース2745mm。車両重量は1950kgとした。

インテリアはハンドメイドだ。つや消しのカーボンファイバートリムパネルが、ブルーレザーとのコントラストを強調する。ダッシュボード中央には、大型のディスプレイモニターを装備する。また、ドライバー正面のメーターもデジタル化されたフルデジタルコックピットになる。助手席前方にも、小型のディスプレイがレイアウトされている。

0~96km/h加速2秒以下で最高速412km/h

リマックC_Twoには、4つの電気モーターを搭載する。4個のモーターは各車輪を駆動し、合計で最大出力1914hp、最大トルク234.5kgmを引き出す。強力なモーターは、0~96km/h加速2秒以下、0~300km/h加速11.6秒、最高速412km/hと、世界最高峰の性能を発揮する。

バッテリーは、蓄電容量が120kWhと大容量のリチウムマンガンニッケルだ。1回の充電での航続は、最大550km(WLTP計測)の性能を備える。充電は出力250kWの急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの80%の容量をおよそ30分で充電可能にしている。

電子制御ダンパーを備えたダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、滑らかで快適な乗り心地を追求している。ブレーキは前後ともに6ピストンのキャリパーで、ブレーキローター径は前後ともに390mmとした。また、アクティブエアロシステムを採用した。前後のディフューザー、リアウィング、アンダーボディインレットなどにより、エアロダイナミクス性能を追求する。

プリプロダクションモデルを本格生産前の最終テストに使用

リマック・アウトモビリは今回、このリマックC_Twoの2021年の発売に向けて、同車のプリシリーズプロダクションを開始した。プリプロダクションモデルは、本格的な生産が始まる前の最終テストに使用され、ホモロゲーションテスト、耐久性テスト、トリム試験、NVH調整、グローバル製品評価が行われる。

新しい生産ラインは、大きく5つのエリアに分けられている。ブラケットなどをモノコックに接着するところから始めて、その後、電子チェック、トルク締め付け、部品チェックなどを行って、車両を1台ずつ組み立てていく。完成すると、ホイールアライメント、カメラとセンサーが調整され、水漏れがないことを確認するためにモンスーンテストを行う。塗装のチェックやギャップがミリメートル単位の精度で測定され、すべての開口部がスムーズに作動するか、チェックされる。

これらのテストが完了すると、プリプロダクションモデルはダイナモチェックを実施する。1914hpのEVパワートレインが、ブレーキとともにテストされる。次に、エンジニアが風切り音やパワートレイン音、きしみ音やガタガタ音、予期しない振動をチェックしながら、路上テストを行う。車両の広範囲に渡る開発とテストプロセスを通じて、エンジニアは設定された目標を確実に達成するようにする、としている。

《森脇稔》

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