テラノ、ミストラル…ムーヴメントを先取りした日産のSUVたち【懐かしのカーカタログ】

日産 ミストラル(写真は1995年)
日産 ミストラル(写真は1995年)全 24 枚

今回から何度かに分けて“懐かしのSUV”をお届けしたい。最初は日産のSUV。今に続くモデルもあれば単発で終わってしまったモデルありと、いろいろだが、いずれもムーブメントを先取りしたモデルたちだった。

テラノ(初代・1986年)

日産テラノ日産テラノ
RV指向の高まりを受け、それまでの商用車派生のオフロード4WDのイメージと一線を画す、洗練された乗用車感覚を採り入れて人気を集めたのが初代『テラノ』。当初2ドアのみでスタートし、ブリスターフェンダーやロールバーをイメージしたサイドピラーなどが特徴。後から追加設定された4ドアはリヤドアのハンドルをピラー部に隠すデザインだった。

日産テラノ日産テラノ
背面スペアタイヤキャリアは仕様により標準またはメーカーオプション、いずれもガラスハッチは備えた。エンジンは当初2.7リットルのディーゼルを設定、追って3リットルのV6ガソリンエンジンが追加されている。

ミストラル(1994年)

日産ミストラル日産ミストラル
欧州市場向けに開発された『テラノII』をベースに、日本市場にも導入されたモデル。生産はスペインで行われた。デザインはイタリアI・DE・Aによるもので、『デュアリス』同様、ひと目見て欧州車の匂いが感じられ、『テラノ』同様のフレーム構造のシャシーとサスペンションも、欧州生まれ、欧州育ちらしい爽快な走りを味わわせてくれた。

日産ミストラル日産ミストラル
当初は3列シート/7人乗りのロングボディ(ホイールベース=2650mm)のみだったが、96年には2列シート/5名のショートボディ(同=2450mm)が追加された。搭載エンジンは2.7リットルのディーゼルターボ。

エクストレイル(初代・2000年)

日産エクストレイル日産エクストレイル
乗用車系のプラットフォームを用いながら、スポーツ性と実用性の高い、タフギア的な性格を持ち味としたのがこの『エクストレイル』だ。初代は後に2代目にも引き継がれる箱形のスタイルが特徴で、200mmの最低地上高、ALL MODE 4WDと呼ぶオート/ロック/2WDの切り替えが可能な駆動方式を採用。

日産エクストレイル日産エクストレイル
エンジンは2リットルのNAとターボが設定された。撥水加工シートや汚れても洗いやすく、滑りにくい表面処理がされたラゲッジボードなど、アウトドアでの使い勝手にも配慮。途中のマーナーチェンジでポップアップステアリングが設定された。

ムラーノ(初代・2004年)

日産ムラーノ日産ムラーノ
上級FFセダンだったティアナのプラットフォームから生まれた『ムラーノ』。02年に北米に投入され、日本市場での展開は04年からだった。同世代の日産車のデザイントレンドに則したクリーンでシンプルな内・外観デザインをもち、ゆったりとした室内空間を確保。

日産ムラーノ日産ムラーノ
幅を抑えたサイドシルにドアを下まで被せた構造とし、乗降性や乗員の裾の汚れに配慮。サイドブラインドモニターなどもいち早く搭載している。搭載エンジンは3.5リットルのV6と2.5リットルの直4の設定。4WDのほかに2WDも用意。

デュアリス(2007年)

日産デュアリス日産デュアリス
当初はUK(NMUK・サンダーランド市=当時)生産車が輸入されていたが、途中から日本市場分は、九州の工場で生産されるクルマに切り替えられた。“都会の遊牧民”がテーマに、ハッチバックとSUVを融合させ’たデザインは、欧州拠点を中心に仕上げられたもの。

日産デュアリス日産デュアリス
ハイスピードダンピングコントロール・ショックアブソーバー採用のサスペンション(フロント:ストラット/リヤ:マルチリンク)も、当時の試乗の記憶を辿ると、『プリメーラ』などと同様の欧州車調のしっかり、しっとりとした味わいだった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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