ソニー VISION-S が公道走行、新開発ドローンで撮影も…CES 2021

CES2021で公開された,公道を走る「VISION-S」
CES2021で公開された,公道を走る「VISION-S」全 14 枚

ソニーは1月11~14日にオンライン開催された「CES 2021」に出展し、PlayStation5や開発中のEV『VISION-S』のほか、バーチャルプロダクション技術などを紹介。さらに初公開した開発中のドローン「Airpeak」を使って、実際にVISION-Sを撮影している様子を披露した。

ここで注目したのは、VISION-Sが実際に公道を走行して、その様子をビデオで公開したこと。それと一眼カメラ「α」を搭載できるドローンとして世界最小を実現したAirpeakの登場だ。この2点について詳しくレポートする。

VISION-Sは昨年のCES 2020でソニーがは初公開し、世界をアッと言わしめたプロトタイプのEVセダンだ。EVプラットフォームはマグナ・シュタイアの手によるもので、そこにボッシュなど大手サプライヤーからパーツを調達し、その上でソニーが独自のコンセプトに基づいて仕上げたものである。また、ソニーが得意とするイメージセンサーに加え、新たに手掛けることになったソリッドステート式LIDARを搭載し、レベル2自動運転に対応するほか、将来はレベル4自動運転の実装を目指す。

さらにソニーがもっとも得意とするAVシステムについても、ダッシュボード全面に液晶ディスプレイを配置し、ソニーの360 Reality Audio(360RA)による臨場感たっぷりの音場を再現する。そして、昨年秋にはソニー本社の敷地内では試乗会を開催。感染症対策のために時間を区切って試乗する形とはなったが、ソニーによれば多数の試乗申込みがあったとし、VISION-Sに対するメディアの関心の高さをうかがい知ることにもなった。

公道を走行するためにナンバーを取得した公道を走行するためにナンバーを取得した

そして今回のCES 2021では、昨年暮れより技術検証のための公道走行をオーストリアで開始したことが明らかにされた。これはVISION-Sの開発が次のステージに移ったことを意味する。公道を走行すればテストコース上では得られない様々な検証が可能となり、ソニーが手掛けるセンサー類の課題解決にもつながる。公開された動画ではテストコースから一般公道に出掛け、さらに周囲に積雪がある道路での走行シーンを見ることができた。

また、搭載されているセンサーも見直され、昨年の公開時点ではセンサーが計33個だったものが、今回は40個にまで増えた。その内訳は、カメラがサイドミラーカメラをフロント/リアの組み合わせとするなど従来の13個から18個へ、レーダー/ウルトラソニックも17個から18個へ1つ増えた。さらにTOFセンサーも新バージョンへと更新され、LiDARはリア用に1個追加されていた。

サイドミラーカメラは、従来からのサラウンドカメラに加え、フロント/リアを視認するカメラに切り替えられたサイドミラーカメラは、従来からのサラウンドカメラに加え、フロント/リアを視認するカメラに切り替えられた

この公道走行の動画は、ソニーが2021年春に展開を予定するドローン「Airpeak」で撮影したもの。Airpeakは、主としてプロフェッショナル映像制作領域向けに開発されたドローンで、フルサイズミラーレス一眼カメラの「α」を搭載が可能。ソニーによれば、高画質な空撮ができるフルサイズα搭載可能機体としては業界最小クラス。公開された動画では多彩なアングルでVISION-Sを撮影した映像を見ることができ、本格的な撮影シーンにも十分通用する実力の高さを見せつけていた。

VISION-Sについてソニーは「単なるプロトタイプで市販は未定」としているが、EVはガソリン車に比べて構造が簡素で、プラットフォームさえ提供されれば新興メーカーや異業種の参入も難しくないという、参入へのハードルの低さもある。昨年暮れにはアップルが韓国の現代自動車と「アップルカー」の生産契約を締結するという報道があったほど(現代自動車は当初リリースよりコメントを削除)。今回、公道での実証実験を公開した背景には、そうした目的があるのか、今後のソニーの動向に注目したい。

センサーは従来の33個から40個へと大幅に増えたセンサーは従来の33個から40個へと大幅に増えた

《会田肇》

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