シートメーカー『テイ・エス テック』が「座る」を通じて取り組む社会貢献活動

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テイ・エス テックの『愛されるシート』による社会貢献活動
テイ・エス テックの『愛されるシート』による社会貢献活動全 13 枚

国内外の二輪・四輪大手メーカーにさまざまなシート(座席)を開発・供給しているテイ・エス テックが、「座る」ことを通じて超高齢社会におけるフレイル※予防といった社会貢献活動を展開している。話を聞くと「座る」ということの奥深さと可能性を感じる取り組みだった。

※フレイル:「虚弱」という意味で、加齢によって、心身の機能や活力が低下した状態。要介護になる手前の状態を指す。

IoTの力でシートによる社会貢献

この活動のキーとなるのが「愛されるシート」だ。愛されるシートは、座面とシートバックに6個ずつ、計12個の圧力センサーと通信機能を内蔵したIoTシートシステムだ。センサーを使って着座情報を収集することで、エンタメ活用、健康管理、さらにはCASE車両やニューノーマルでの新しい社会ニーズも見据えている。

圧力センサーと通信機能を搭載した『愛されるシート』圧力センサーと通信機能を搭載した『愛されるシート』
「もともとは、シートから得られる着座情報を収集して、それを意味のあるコンテンツにできないかという発想から始まった取り組みです。最初は、シートをコントローラーに見立てて、着座状態の膝の上げ下げでバーチャルキャラクターを動かすというランニングアプリを開発しました。これによって、圧力数値の分析から様々な知見が得られ、シートを入力デバイスとして人と人がつながることが可能であることを実証できました」( 愛されるシートプロジェクトリーダー 郭 裕之氏)

愛されるシートプロジェクトでは、ランニングアプリ以外にも、瞬発力を測定するアプリ、座禅アプリや緩急走アプリなどを開発した。座禅アプリでは、背もたれを使わず重心を保持し続け体幹と集中力を高めるという、まるで座禅を組んでいるかのような体験ができる。緩急走アプリは、ランニングアプリと座禅アプリを組み合わせたもので、体を動かしたり姿勢を維持したり緩急が必要な動作を使ってバーチャルキャラクターを競争させる。座ったまま体を直感的に動かすだけで楽しめるため、子どから高齢者、車イスの方まで垣根を越えて誰もが楽しめるという。

愛されるシートを活用した様々なアプリを開発愛されるシートを活用した様々なアプリを開発
「愛されるシートは、『個人・家族・環境・社会に幸せを提供する』という私たちの開発ビジョンの下に始まりました。このシートシステムはタブレットと連動する単なる娯楽としてではなく、人と人をつなぐコミニケーションツールであったり、センシング情報を基にした健康管理や健康寿命延伸といった社会課題のソリューションの一つであると考え、開発に取り組んでいます」(愛されるシートプロジェクトメンバー 東 洋祐氏)

ゆるスポーツ※から高齢者の健康寿命延伸まで:愛されるシートの活用事例

ゆるスポーツランドでの体験の様子ゆるスポーツランドでの体験の様子
テイ・エス テックは「誰もが楽しめる」という愛されるシートの利点を生かし、様々なイベントに協力している。2019年には、さいたまSPORTS Festival、ゆるスポーツランド2019、第46回東京モーターショー2019、特別支援学校の特別おもしろ祭「特特祭」、RIZIN.20の格闘技選手との交流イベントと幅広く活動している。2020年には、外出自粛によってコミニケーション機会が減少している時だからこそ、オンラインで開催されたゆるスポーツイベントに、離れていても体験できる「ボブイスレー」というアプリコンテンツを提供している。イベントでは、開発協力をしたオリンピック、パラリンピック選手とオンライン参加者が一体となって楽しんだ。

※ゆるスポーツ:年齢・性別・運動神経に関わらず、誰もが楽しめるスポーツ。多様な楽しみ方が用意され、足が遅くてもいい。背が低くてもいい。障がいがあっても大丈夫。世界ゆるスポーツ協会が創り出す新感覚スポーツ。

愛されるシートを使った座位年齢診断の体験愛されるシートを使った座位年齢診断の体験
ヘルスケア領域での取り組みも始めており、超高齢社会における健康寿命延伸という課題に対して「座位年齢診断」アプリを新たに開発し、フレイル予防につながる体験講座「座楽(ざがく)60分間プログラム」を開発した。このプログラムは、まず、健康を維持するための座り方など「座る」についての知識を学び、その後、愛されるシートで座位姿勢の左右バランスなど「座る」力を測定し独自指標「座位年齢」として体の状態を見える化する。最後に、「座る」力を鍛える運動アプリ体験やエクササイズを行う。老人介護施設や高齢者が集う「通いの場」などでの活用を視野に入れており、定期的に取り組んでもらうことで、運動や社会参加を促していく。

「フレイル予防プログラムは、シートメーカーだけの知見では難しいものだったので、専門家のアドバイスやパートナーシップが必要でした。ヘルスケアコンテンツを手掛け、自治体や高齢者施設ともつながりのあるプレイケア社と共同で開発しました」(愛されるシートプロジェクトリーダー 郭 裕之氏)

CASE車両・ニューノーマル時代のシートへ

愛されるシートプロジェクトそのものは社会課題へのアプローチといった色合いが強いが、長い目で見れば自動車業界への応用も期待される。

愛されるシートプロジェクトリーダー 郭 裕之氏とメンバーの東氏愛されるシートプロジェクトリーダー 郭 裕之氏とメンバーの東氏
彼らがプロジェクトに意味を見出しているのは、社会貢献としての意義はもちろんのこと、愛されるシートの開発やイベントへの参加を通して「シートや座ることについてどう考えているのか、人々の声が聞ける」ことが商品開発に生かせるといった理由もある。またセンシングや情報通信機能の研究は、CASE車両に向けた次世代のシート開発には不可欠だ。

さらに、パンデミック以降のニューノーマル社会では、ソーシャルディスタンスやテレワークなど椅子や「座る」ことへ求められる機能や価値が変わりつつある。自動車業界にフォーカスしても同様だ。電気自動車の充電待ち時間、さらには自動運転社会の実現など、車内の過ごし方に新しい意味が求められるだろう。

座位年齢診断仕様の愛されるシート座位年齢診断仕様の愛されるシート
シートにセンサーを内蔵しデータを活用する愛されるシートの取り組みは、社会貢献のみならず、「座る」ことを再定義し、「座る」の意味を広げることに挑戦している。

愛されるシートの詳細はこちら

テイ・エス テック
四輪車/二輪車用シートや内装品の開発から生産までを手がける自動車内装品メーカー。世界14カ国からグローバルに供給する。Hondaを中心に、VW、SUZUKI、KAWASAKI、YAMAHA、Harley-Davidsonへ製品を提供しており、Honda四輪車用シートシェア約60%を誇る。
テイ・エス テックの詳細はこちら

《中尾真二》

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