JRの2020年度第3四半期業績は軒並み悪化、感染再拡大で…旧国鉄の長期債務処理にも影

JR北海道の3Q単体(2020年10~12月)における主要施策の達成状況では、観光列車仕様のキハ261系5000番台の投入が大きく挙げられている。写真は運行初日の2020年10月17日、小樽駅に入線するキハ261系5000番台はまなす編成。2021年春に投入されるもう1編成のラベンダー編成もすでに北海道入りしている。
JR北海道の3Q単体(2020年10~12月)における主要施策の達成状況では、観光列車仕様のキハ261系5000番台の投入が大きく挙げられている。写真は運行初日の2020年10月17日、小樽駅に入線するキハ261系5000番台はまなす編成。2021年春に投入されるもう1編成のラベンダー編成もすでに北海道入りしている。全 3 枚写真をすべて見る

JR北海道は2月5日、2020年度第3四半期の連結決算(3Q)を発表した。

2020年4~9月が対象となる第二四半期連結(2Q)では、GoToキャンペーンなどで利用者数が持ち直しつつあったものの、12月までが対象となる3Qでは、10月下旬に感染再拡大による警戒ステージの引き上げ、11月下旬に札幌発着の旅行がGoToトラベルから外れるといった影響で減少傾向に陥り、12月の北海道新幹線では2019年度比で41%の利用者数に留まるなど、深刻さが増している。

これにより3Qでは鉄道運輸収入がさらに悪化。2019年度の47.8%となる266億円に留まっており、JR北海道は「営業利益、経常利益、四半期純利益について、前年度比で大幅に悪化し、いずれも過去最大となる巨額の赤字を計上」とし、2020年度通期においては過去にない厳しい決算になることを示唆している。

3Qにおける業績悪化は、JR東日本、JR東海、JR西日本の本州3社も例外ではなく、9期ぶりの減収となったJR東日本では、3Qとしては過去最低の営業収益になったとしている。

JR北海道では、オペレータとのやりとりで切符を購入する「話せる券売機」の導入が進められているが、次の4Qではさらに7台を稼働。一方で「ツインクルプラザ」の名称で親しまれたきた旅行センターは、2021年2月末限りですべて閉店する。JR北海道では、オペレータとのやりとりで切符を購入する「話せる券売機」の導入が進められているが、次の4Qではさらに7台を稼働。一方で「ツインクルプラザ」の名称で親しまれたきた旅行センターは、2021年2月末限りですべて閉店する。

折しも2月5日には、年1回行なわれる「国鉄長期債務の処理に関する施策の実施状況」の国会への報告内容が閣議決定されており、国が引き継いでいる2019年度末の旧国鉄長期債務残高が、国鉄清算事業団から債務を引き継いだ後の1998年度末より8兆7172億円減となる16兆2628億円になったとされている。

しかし、旧国鉄の長期債務は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)のほかに、JR本州3社も引き継いでいるため、コロナに伴なう業績悪化はその点にも暗い影を落とすことになりそうだ。

3Qとしては過去最低の営業収益となったJR東日本。3Q単体での鉄道運輸収入は2019年度比で半減した。このうち新幹線の定期外収入は3050億円もの減収となり、減収分のおよそ半数に達している。写真は東北新幹線のE5系。3Qとしては過去最低の営業収益となったJR東日本。3Q単体での鉄道運輸収入は2019年度比で半減した。このうち新幹線の定期外収入は3050億円もの減収となり、減収分のおよそ半数に達している。写真は東北新幹線のE5系。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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