アウディ、TCR規定レース車「RS 3 LMS」の第2世代モデルを公開

新型Audi RS 3 LMS
新型Audi RS 3 LMS全 8 枚

アウディスポーツのカスタマーレーシング活動における市場供給車のひとつ、TCR規定レース対応マシンである「Audi RS 3 LMS」の第2世代モデルがバーチャルにてワールドプレミアされた。

TCR規定とは、2010年代後半から世界的な広がりを見せているツーリングカーレース車両規定(およびシリーズ名称)。コスト抑制策がよく効いており、コンペティティブなレース環境を比較的安価に競技者が得られることが人気の理由と見られている。日本ではスーパー耐久シリーズ(S耐)に導入されており(ST-TCRクラス)、TCRジャパンという独自シリーズもスーパーフォーミュラ併催の原則のもとに実施されている。

アウディスポーツはチームに車両を供給して支援するなどする形態のカスタマーレーシング活動における主軸の一台として、TCR規定マシンの「Audi RS 3 LMS」(第1世代モデル)を180台生産、4年間で通算279勝をあげてきた。単純計算だが、1台あたり平均で1.5勝以上を経験、となる(本稿における記録等はすべて今回のアウディ発表資料に基づくもの)。

レース数は1051なので、やはり単純計算になるが“レースあたりの勝率”は2割6分5厘(スタート台数は3105、1レースあたり平均約3台が出走していた)。4回に1回以上勝つというのは、基本的には車種面での群雄割拠があると考えていいTCR規定レースにおいて好成績と見るべき数字だろう。ちなみにRS 3 LMSの初勝利は、2017年1月のドバイ24時間レースにおけるTCRクラスでのそれだった。

多くのタイトルも獲得してきたRS 3 LMS、その後継モデル(第2世代)が今回、2021年2月5日に公開された。

第1世代はボディとエンジンの生産がハンガリーで、レースカーへのアッセンブリー(組み立て)がスペインで実施されていたが、第2世代ではボディの生産がドイツのインゴルシュタットに変わる(エンジン生産地とアッセンブリー地は変更なし)。

第1世代の成功を受け継ぐモデルの開発に際し、アウディスポーツ・カスタマーレーシングを率いるクリス・レインケ氏は、「我々の最新モデルにおける開発のゴールは(これまで以上に)カスタマーに焦点をあてることだった」と語る。メーカーがレース運営にも直接的に携わるファクトリーレーシング(ワークス活動)とは違い、参戦チームが車両を入手して戦うのが基本スタイルのカスタマーレーシング、そのなかでユーザーがより一層戦いやすいマシンにすることに注力して開発を進めた、との意であろう。

ユーザー(使用チーム)は多くの領域での進化を享受できる、との触れ込みのアウディ RS 3 LMS 第2世代モデル。市場供給開始は2021年の末が予定されている。

[追記] 2月19日、アウディは6月開幕予定の2021年WTCR(FIA世界ツーリングカー・カップ)にRS 3 LMSの第2世代モデルが参戦すると発表した。先行投入的な参戦と見られる。

《遠藤俊幸》

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