JR北海道唯一のSL列車を守れ…『SL冬の湿原号』の車両をリニューアルへ 2021年度から

2000年の初シーズン、塘路~茅沼間を走る『SL冬の湿原号』。2000年3月13日。
2000年の初シーズン、塘路~茅沼間を走る『SL冬の湿原号』。2000年3月13日。全 9 枚

JR北海道は2月10日、例年1・2月に運行している釧網本線の『SL冬の湿原号』で運用している車両をリニューアルすると発表した。

『SL冬の湿原号』は2000年1月に運行を開始し、今シーズンもC11形蒸気機関車171号機(C11 171)が4両の客車を牽いて釧路~標茶間で運行されている。

しかし、C11 171は1940年の製造から80年以上、動態復元から20年以上が経過。一方の客車は、大半を占める14系が古いもので製造から50年近くが経過。1980年からは北海道向けの耐寒耐雪タイプに改造され、1981年2月から函館~札幌間の急行「ニセコ」で運用を開始したものの、それからでも40年が経過している。

また、カフェカーとして連結されているスハシ44 1は旧型タイプの客車で、こちらは1952年にスハフ44 2として誕生してから70年近くが経過している。

当初の『SL冬の湿原号』は、14系客車とスハシ44 1の前後に展望車代用の車掌車が連結されていた。2000年3月13日。当初の『SL冬の湿原号』は、14系客車とスハシ44 1の前後に展望車代用の車掌車が連結されていた。2000年3月13日。

このような経緯から各車の老朽化が著しく進んでおり、JR北海道では「道内唯一のSL観光列車を守るため」として、C11 171の全般検査やカフェカーの内装リニューアル、14系客車の発電用に使用されているディーゼルエンジンの換装や台車部品の交換を行なうとしている。工事費は全体で4億円を見込んでいる。

これらを2021年度中に行ない、客車については2022年度中も継続して行なうとしているが、運行の中断はされない模様。

苗穂工場で、動態復元へ向けて動輪入れ作業が行なわれた時のC11 171。1999年3月30日。苗穂工場で、動態復元へ向けて動輪入れ作業が行なわれた時のC11 171。1999年3月30日。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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