【BMW 3シリーズツーリング 新型試乗】エントリーでもクルマ好きを唸らせる性能…丸山誠

「318i」は3気筒から4気筒へ

まるでAWDのような安定したコーナリングを実現

エントリーでもクルマ好きを唸らせる性能

BMW 318iツーリング
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「318i」は3気筒から4気筒へ

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最新の輸入車の1台であるBMW『318iツーリング』を試乗した。『3シリーズ』ファンならご存じのように、従来の318は1.5リットルの3気筒直噴ターボを搭載していた。いわゆるダウンサイジングターボエンジンで、それまでの欧州の燃費基準に合わせた仕様だった。3気筒のネガティブな面はよく抑えられていたが、その回転フィールや味わいは4気筒に負けている部分があったのも事実だ。

燃費基準が変更されたこともあって、現在欧州メーカーモデルはダウンサイジングターボから脱却する動きを見せている。エンジンにこだわるBMWらしく、3シリーズのエントリーグレードの318を最新の2リットル直4直噴ターボに換装した。

スペックは最高出力を156馬力、4500回転で発生し、最大トルクは250Nmを1300から4300回転で発生する。数値上は平凡だが、走らせるとBMWのエンジンらしいスムーズな回転フィールと雑味感のないサウンドが楽しめる。

まるでAWDのような安定したコーナリングを実現

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3気筒のころは無理をしてバランスや音に気を遣っていた感じがあったが、4気筒はそうしたムリをしている感じが微塵もなく、高回転までスムーズに吹き上がる。まるでNAエンジンのように回せばパワーが出る感じで、ワインディングロードを走るとアクセルの踏み込みに対してレスポンスよくパワーが立ち上がるためとても気持ちがいい。

156馬力とパワーが限られているためそれほど速いわけではないが、それが逆にエンジンを回して楽しめる点でもあり、スポーティさが感じられる。ワゴンであるツーリングはSUV人気に押されて注目されにくくなってしまったが、重心が低くスポーティな走りという点では、まだまだ味わい深いパッケージングだ。

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ステアリングの正確性も高い。切りはじめからスムーズで路面状態もわかりやすく、まるでAWDのような安定したコーナリングを実現している。ノーズが軽い印象なのは、フロントミッドシップに近い感じでエンジンを低い位置に搭載しているからだ。うねりを拾ってもうまくいなしながら通過するため、不安感が一切ないのだ。

これはタイヤのグリップ力に頼っている感じではなく、サスペンションがうまく機能していてメカニカルグリップが強いという感じでもある。また、一般道や高速道路を走るとフラットな乗り心地に感心する。これはボディ剛性が高いからこそ実現できるフィールで、エントリーグレードの318でもBMWらしさを堪能できる。

エントリーでもクルマ好きを唸らせる性能

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最新のBMWのADASは、60km/h以下の渋滞時にハンズオフが可能。ACCを設定して60km/h以下になるとアイコンなどのランプのカラーが変わり、ハンズオフができるステアリングスイッチを押すとシステムがステアリングを操舵する。もちろんドライバーは常に監視する義務があるレベル2だが、近未来感があり、同乗者もステアリングのランプの色の変化でハンズオフ状態であることがわかるから安心感が高い。

さらにうれしいのは、ハンズオフを搭載したモデルから順次採用されている再発進の制御。従来ACCで追従停止してからの自動再発進には時間的な制限があったが、最新モデルは長時間の停止でも自動再発進が可能になった。

これはハンズオフ機能を搭載したモデルをリリースされたころから制限がなくなったと思われる。一般道でも渋滞や信号で追従停止し、長時間停止したままでも先行車が発進すると自動再発進が可能。信号待ちぐらいでの時間では自動再発進が解除されることはなくなり、運転疲労を軽減することに役立っている。

エントリーグレードでも、クルマ好きを唸らせるハンドリングと乗り心地を実現しているのはさすがBMWだ。最新の2リットル直4ターボエンジンの出来がよく、さらに燃費性能がいいのも美点。車両価格はやや高いが(523万円、試乗車はオプションを含み688万円)、FRらしい走りを楽しめるスポーティなワゴンは貴重な存在となった。

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■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。先進安全装備や環境技術、キャンピングカー、キャンピングトレーラーなどにも詳しい。

《丸山 誠》

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