JR千葉エリアの新型車 E131系、進化と継承…新旧電車が混在するローカル線

JR東日本 E131系 房総・鹿島むけ新型車両 ワンマン対応車(幕張車両センター 2021年2月18日撮影)
JR東日本 E131系 房総・鹿島むけ新型車両 ワンマン対応車(幕張車両センター 2021年2月18日撮影)全 26 枚
千葉の内房線・木更津~安房鴨川、外房線・上総一ノ宮~安房鴨川、鹿島線・佐原~鹿島神宮で3月から走り出す新型車両、E131系。2月18日の報道むけ車両公開で、いま走る209系から進化した点がみえてきた。

E131系は、2両編成を基本とする房総・鹿島エリアむけ新型車両だ。製造は総合車両製作所 新津事業所(J-TREC)が担当する。プラットフォームはオールステンレス鉄道車両「サスティナ(sustina)」だ。2両編成を12本、合計24両を新造する。

動力構成は、モーターつき先頭車(Mc)とモーターなし先頭車(Tc)を連結した1M1T組成で、「2両+2両で4両編成、3本つないで6両編成としても走れる。基本は2両編成で運行する」という。

◆セミクロスシートは継承したけど、あれはない

まずは2020年5月にJR東日本 千葉支社が公表したE131系の特徴を。このE131系が、既存の209系2000・2100番台と大きく異るのが、ワンマン運転に対応してる点。車両側面にカメラを設置し、乗務員が運転台から乗降客の姿を確認できる。

千葉の209系にある座席配置は受け継いだ。この131系にもボックスシートとロングシートが混在するセミクロスシートを継承した。少し残念なのは、千葉の209系のボックス席につくドリンクテーブルは、E131系にはつけなかった。

◆大型トイレに防犯カメラ、モニタリングも

各車両に車いすやベビーカー利用客などへのフリースペースを設置。モータなし車(Tc)側には車いす対応大型洋式トイレを置いている。

セキュリティ面も強化。各車両の客室に車内防犯カメラ2台を設置。また、非常通話装置を1両につき4か所に増やした。

またモニタリング技術を活用した車両搭載機器や線路設備の状態監視機能で、故障の予兆を把握する機能も備えている。

209系からのおもな進化は、車体幅2800mmを拡幅車体にし2950mmに、座席横幅はひとりぶん10mm広がった。レールから床面までの高さも50mm下げてバリアフリー化。

制御系では、VVVFインバータ制御をIGBT素子からSiC素子に更新し、さらに省エネ化を図った。

◆209系とE131系が混在する、新しい房総の風景へ

このほか、スクリュー式コンプレッサのオイルフリー化、全閉型誘導電動機の採用、ラックアンドピニオン方式の戸閉装置採用などがある。最高速度は209系と変わらず110km/hにした。

ここからは、2月18日の報道公開でわかった話を。乗務員はいまワンマン運転にむけてトレーニングを重ねている乗務員は、「車種別の免許ではないので209系もE131系も運転できる」という。「久留里線を走るキハE130系気動車を動かす気動車の免許と、電車を動かす免許の両方をもつ乗務員もいる」とも。

また、「209系とE131系が連結して旅客運用に入ることはない。緊急時や救援などで連結して走らせることはできる」とも話していた。そんなE131系には密着連結器と電気連結器が備わり、進行方向左側に列車番号表示、ドライブレコーダー、タブレット充電器、移動禁止表示などが備わる。

この移動禁止表示は、車両基地内などで移動禁止合図掲出中の車両移動や感電を防止すべく、車両の起動や活車を電気的にロックし、車外・車内へ移動禁止中であることを表示する役目を担う。

3月から内房線・木更津~安房鴨川、外房線・上総一ノ宮~安房鴨川、鹿島線・佐原~鹿島神宮で走り出すE131系。こうした区間では、209系の列車と、E131系2両編成ワンマン運転列車が、混在する運用になる。「2両の停止位置も各駅などに配備中」というから、また電車で房総を旅しながら確認してみたい。

《レスポンス編集部》

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