[カーオーディオ ブランド名鑑2021]DLS…スウェーデンの高音質ブランド

DLS『UPi6』。
DLS『UPi6』。全 3 枚

世界中のさまざまなカーオーディオブランドを毎回1つずつピックアップし、その魅力や最新ラインナップを紹介している当シリーズ。第5回目となる今回は、ハイエンドカーオーディオ愛好家からの支持も厚い、“DLS”をフィーチャーする。

旗艦スピーカーは名機、『スカンジナビア』シリーズ!

デザイン性と実用性を兼ね備えた家具、雑貨、家電品等々を多々生み出す地域としても知られている北欧、スウェーデン。“DLS”は同国に本拠を置く、高音質カーオーディオブランドだ。特出した存在ではないものの、日本でも古くから熱いファンに支持されてきた歴史ある実力欧州ブランドのうちの1つだ。

なお同社は現在、パワーアンプやパワードサブウーファーも擁する総合カーオーディオブランドではあるが、スピーカーメーカーという色彩が濃い。専門家やマニアから高い評価を得ているハイエンドモデルからエントリー機まで、スピーカーの優秀機をワイドレンジに展開している。

では早速、珠玉の同社製品群を紹介していこう。

トップエンドに君臨するのは、サウンドコンペティターに使われることも多い名機、『スカンジナビア』シリーズだ。当シリーズは各ユニットが単品(ペア)で用意されていて(コンポーネントキットの用意はない)、ツイーター、ミッドレンジ、ミッドウーファー×2機種(ともに165mm口径)、2ウェイ用パッシブクロスオーバーネットワーク(以下パッシブ)、3ウェイパッシブの計6機種でラインナップが構成されている。ちなみにパッシブレス2ウェイの価格は27万円(税抜)となる。

なお2機種用意されているミッドウーファーのうちの1つ『スカンジナビア165W』(税抜価格:20万円)は、なかなかの個性派だ。というのも当機は「3ウェイエンクロージャー専用」モデルだ。3ウェイを組むときのためのユニットであり、しかもエンクロージャーで鳴らすことが前提となっている。ちなみに推奨容量は7から9リットルとのことなので、そのエンクロージャーをドア内部に組み込むのは簡単ではないが、人とは違うこだわりの3ウェイを組みたいと思ったときには、当機の使用を検討してみても面白い。手応えあるハイエンドスピーカーを探しているのなら、『スカンジナビア』シリーズの各ユニットにご注目を。

DLS『スカンジナビア165』。

2ndグレードと3rdグレードスピーカーは、コスパも高い!

『スカンジナビア』シリーズに続くのは、マイナーチェンジを繰り返しながら進化し続けてきたロングセラーラインの『アルティメイト』シリーズだ。なお当シリーズは以下のような陣容となっている。3ウェイコンポーネントキットと2ウェイコンポーネントキットとが1つずつあり、BMW用のトレードインサブウーファーと2ウェイキットが1つずつ用意され、そしてサブウーファーが口径違いで計2機種ラインナップする。

なお当シリーズのコンポーネントスピーカーは振動板素材のチョイスが独特だ。ミッドウーファーにはアルミコーンが採用され、ミッドレンジとツイーターにはシルクドームが使われている。これらはタイプ的には真逆ともいうべき素材だが、生み出されるサウンドは一体感が高くその上で艶がありコクも深い。これでなければ聴けない独特の音色を奏でてくれる。

価格は2ウェイコンポーネントキットの『UPi 6』が10万5000円(税抜)だ。価値あるミドルグレードスピーカーを欲するのなら、当機のチェックも外せない。

そしてそれに3rdグレードとなる『リファレンス』シリーズが続く。なお当シリーズには、タイプの異なる4つの2ウェイコンポーネントキットが顔を揃える。それぞれ個性的なので1つ1つ紹介していこう。まず1つ目として50mmコーン型ワイドバンドツイーターが組み合わされている『RZ6.2』(税抜価格:8万円)があり、2つ目としてスタンダードな仕様となっている『RC6.2』(税抜価格:6万円)が用意されている。そして3つ目がミッドウーファーの取り付け奥行き寸法が45mmという薄型モデル『RCS6.2』(税抜価格:5万円)で、4つ目が13cmミッドウーファーが組み合わされた『RCS5.2』(税抜価格:4万8000円)だ。サウンド的な特長と取り付けの都合で、ベストな1台をチョイス可能だ。

DLS『RC6.2』。

超リーズナブルなエントリーモデルもラインナップ!

なお、『リファレンス』シリーズには3機種のパワーアンプも名を連ねている。内訳は、4chモデル(税抜価格:12万円)、2chモデル(税抜価格:8万円)、1chモデル(税抜価格:9万5000円)、以上の3台だ。ちなみに1chモデルのみ動作方式がD級で、その他の2機種はAB級だ。どれも高S/Nであることを特長とし、2chモデルと4chモデルは再生レンジが広いことも自慢だ。ミドルグレードアンプ探しをするときにはこれらの存在も思い出したい。

そして“DLS”はもう1グレード、『パフォーマンス』シリーズも用意する。当シリーズには1機種の2ウェイセパレートモデルと2機種のコアキシャルモデルとがある。なおセパレートモデルは『M6.2』で、当機の税抜価格は2万9000円と至ってお手頃。また、パッシブが日本オリジナル仕様となっている特別モデル『M6.2J』(税抜価格:3万3000円)も加えられている。

また『パフォーマンス』シリーズには、口径違いで2タイプのユニットサブウーファーも用意されている。

さらに“DLS”は、25cm口径のスピーカーユニットが使用されたパワードサブウーファー、『ACW10』(税抜価格:4万3000円)もラインナップする。ちなみに当機の厚みは65mm。多くの車種でシート下への装着が可能だろう。またグリルは“DLS”の各スピーカーに採用されているのと同一デザイン。ルックスもなかなかだ。

ところでもう1つ、日本独自企画となる『スカンジナビア30&UP6』(税抜価格:16万円)も存在している。これはその名のとおり『アルティメイト』シリーズのミッドウーファーに『スカンジナビア』シリーズのツイーターが組み合わされたキットだ(パッシブレス)。トップエンドシリーズならではの豊潤な高音を聴けるリーズナブルな2ウェイセットを手にしたいと思ったら、当機のチョイスもアリだ。

ヨーロッパのブランドらしい濃厚で美麗なサウンドを奏でてくれる“DLS”の各製品。個性的で魅力的なカースピーカー、サブウーファー、パワーアンプに興味があれば、“DLS”の各モデルの確認も、怠るべからず。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

ブランド名鑑・2021 第5回「DLS」編

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 多胡運輸が破産、首都高のローリー火災事故で損害賠償32億円
  2. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  3. メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
  4. ノンジャンル220台のマニアック車が集合…第15回自美研ミーティング
  5. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  6. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  7. MINIに新種『エースマン』登場、航続406kmのEV…北京モーターショー2024
  8. アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
  9. 「何にでもなれる自由な存在」グランドクロスオーバー、スズキ『GSX-S1000GX』の凄みとはPR
  10. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
ランキングをもっと見る