初代と二代目の猫駅長をつないだ電車を運行したい…債務超過状態の和歌山電鐵が起死回生のクラウドファンディング

「ニタマ電車」のデザインをさらにバージョンアップさせたという「たま電車ミュージアム」のデザイン。
「ニタマ電車」のデザインをさらにバージョンアップさせたという「たま電車ミュージアム」のデザイン。全 3 枚

和歌山県の和歌山駅(和歌山市)と貴志駅(紀の川市)を結ぶ貴志川線を運営する和歌山電鐵は2月22日、「たま電車ミュージアム号」を運行する計画を明らかにした。

岡山電気軌道の完全子会社として設立された和歌山電鐵は、2006年4月に南海電気鉄道(南海)貴志川線を承継し、運行を開始。2009年3月には「いちご電車」「おもちゃ電車」に続く企画電車として、スーパー駅長に就任した猫の「たま」をモチーフにした「たま電車」の運行を開始した。

2020年8月には「たま電車」の第2弾(たま電車2)を「ニタマ電車」として企画。初代たま電車同様、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏によるデザインで、「おもちゃ電車」として運用している2770系2両編成1本(2706+2276)を改修し、2021年12月の運行開始を目指していたが、コロナ禍などでプロジェクトが中断。今回、2代目の猫駅長「ニタマ」が14駅を取り仕切るスーパー駅長に就任したことにちなみ、1両目を初代たま駅長、2両目をニタマ駅長をテーマにしたミュージアムのような電車「たまミュージアム電車」として運行すると発表された。

和歌山電鐵は、自然災害による経費増や沿線道路整備の影響が想定以上となったことにより、2019年時点で直近2期連続で赤字に。累積赤字は約5000万円に上り、債務超過状態に陥っているという。

公表された「たま電車ミュージアム」の内装デザイン。公表された「たま電車ミュージアム」の内装デザイン。

そのため、「たまミュージアム電車」は、貴志川線が再び廃線の危機を迎えないための、起死回生のプロジェクトと位置付けられている。

改修費用は「Makuake」サイトのインターネット募金(クラウドファンディング)上で募集されており、目標金額は1500万円。2月24日時点で224人から200万円弱の支援が集まっており、残り86日で到達を目指すとしている。

「ニタマ」こと二代目のたま駅長を抱く小嶋光信和歌山電鐵社長(左)。右はデザイナーの水戸岡鋭治氏。「ニタマ」こと二代目のたま駅長を抱く小嶋光信和歌山電鐵社長(左)。右はデザイナーの水戸岡鋭治氏。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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