メルセデスベンツのEV『EQS』、開発テストが最終段階…プロトタイプも軽擬装に

新開発の電動車向けアーキテクチャ「EVA」

最新の「MBUX」と充電支援サービス

1回の充電での航続は最大700km

メルセデスベンツ EQS のプロトタイプ
メルセデスベンツ EQS のプロトタイプ全 8 枚

メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)は3月3日、2021年にデジタルワールドプレミアする予定の大型EVセダン、『EQS』の開発テストが最終段階に入った、と発表した。車体に擬装の少ないプロトタイプの写真も公開している。

新開発の電動車向けアーキテクチャ「EVA」

EQSはコンセプトカーの『ヴィジョンEQS』の市販バージョンとなる大型EVサルーンで、新型『Sクラス』のEVバージョンに位置付けられる。EQSは、ラグジュアリーカーおよびエグゼクティブセグメントのEVに、メルセデスベンツの新しい電動アーキテクチャの「EVA」を採用した最初のモデルだ。EQSの欧州発売は、2021年を予定している。

EQSは、メルセデスベンツが新開発した電動車向けアーキテクチャ、EVAを最初に採用するEVとなる。EVAは、EQSに続く4車種のEVの技術的基盤を提供するだけでなく、メルセデスEQブランドのプログレッシブな高級車に対する顧客の期待を完全に満たすという。

EVAは、モジュラー設計となっており、モデルシリーズ全体に適用できる。ラグジュアリーカーおよびエグゼクティブカーセグメントはもちろん、ホイールベースやトレッド、システムコンポーネント、バッテリー容量を変えることにより、小型サルーンから大型SUVまで、メルセデスベンツの幅広いクラスにEVを展開することが可能になるという。

最新の「MBUX」と充電支援サービス

EQSには、最新の「MBUX」(メルセデスベンツ・ユーザーエクスペリエンス)が搭載される。最新のMBUXは、人工知能(AI)のおかげで使いやすさを高めている。この優れたソフトウェアソリューションの基盤となるのが最新のAIだ。MBUXを使用すると、完全な無線更新機能も利用できるという。

EQSの顧客は、「メルセデスミー・チャージ」を介して、400を超えるさまざまなオペレーターを擁する世界最大の充電ネットワークにアクセスできる。メルセデスミー・チャージでは、公共充電ステーションにおいて、再生可能エネルギーから得られたグリーン電力を利用することが可能だ。

欧州の充電ステーションへの便利なアクセスは、「メルセデスミー・チャージ・チャージカード」、「メルセデスミー・アプリ」、車両のメディアディスプレイから行える。個別の契約は必要ない。顧客は、支払い方法を一度登録すれば、簡単に決済を行うことができるという。

1回の充電での航続は最大700km

EQSによって、ラグジュアリーセグメントの顧客は、スペースとデザインに関して、フル電動アーキテクチャのすべての利点を充分に活用できるという。例えば、1回の充電での航続は最大700km(WLTP計測)となり、EQSはこの点でも、Sクラスセグメントのサルーンのニーズを満たしている。

EQSの室内には、オプションでエアフィルターシステムが装着できる。この高性能のHEPAフィルターは、ボンネットの下に燃焼エンジンがないEVならではのスペースの一部を活用する。容積は約10リットル、サイズはA4ページおよそ4枚分で、室内で最高の空気品質を追求する。PM2.5レベルの細かいほこり、窒素酸化物、二酸化硫黄、不快な臭いをろ過することができる。

EQSは、HEPAフィルターを使用することで、病院の手術室と同等の空気品質を実現するという。システムの有効性は、「DIN EN1822」によって公式に認定されている。これは自動車部門では初めてという。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る