メルセデスAMG GT に585馬力の「R」、F1セーフティカーに…新色レッドで塗装

0-100km/h加速3.6秒で最高速318km/h

アクティブ・エアロダイナミクス・システム

2021年シーズンのF1第2戦でデビュー予定

メルセデス AMG GT R の2021年シーズンF1セーフティカー
メルセデス AMG GT R の2021年シーズンF1セーフティカー全 8 枚

メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは3月8日、メルセデスAMG『GT R』(Mercedes-AMG GT R)が、2021年シーズンのF1セーフティカーに起用されると発表した。

0-100km/h加速3.6秒で最高速318km/h

メルセデスAMG GT RはスポーツカーのメルセデスAMG『GT』の高性能グレードだ。ベース車両のメルセデスAMG GTの「S」グレードでは、直噴4.0リットルV型8気筒ツインターボエンジンは、最大出力522hp、最大トルク68.3kgmを発生する。

これに対して、「R」の名前を冠して登場したメルセデスAMG GT Rでは、専用の2基のターボチャージャーをV型シリンダーバンクの外側ではなく内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとした。ターボチャージャーの過給圧は、1.2バールから1.35バールへと引き上げられた。エグゾーストポートの最適化と圧縮比の変更が行われたほか、燃焼プロセス全体に再チューニングが施されている。

F1マシンでも使われているシリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングする「NANOSLIDE」摩擦低減加工を施した。これにより、フリクションロスを低減するとともに、エンジンの軽量化も追求している。

最大出力は585hp、最大トルクは71.4kgmを獲得した。これは、メルセデス『AMG GT S』と比較すると、63hp、3.1kgm強化されたことになる。トランスミッションは、7速デュアルクラッチの「AMGスピードシフトDCT 7」だ。メルセデスAMG GT Rの動力性能は、0~100km/h加速が3.6秒、最高速は318km/hに到達する。

アクティブ・エアロダイナミクス・システム

パワフルになったエンジンに合わせて、サスペンションやブレーキを強化した。新開発のアクティブ・エアロダイナミクス・システムなど、エアロダイナミクス性能も引き上げられた。

アクティブ・エアロダイナミクス・システムは、エンジン前方のアンダーボディにほとんど見えない形で隠れているカーボン製の重量およそ2kgのウィングだ。「RACEモード」で80km/hに達すると、約40mm自動で下降し、気流を大きく変化させる。これがベンチュリ効果を生み出すことで、フロントアクスル揚力を250km/h走行時で約40kg低減する。

その効果は、ステアリングの操作感にも現れるという。高速でコーナリング時のステアリング精度が高まり、方向安定性がいちだんと向上する。とくに、強い横Gを伴う高速コーナリングでは、確実なステアリングホイールへのフィードバックによってアジリティを高めつつ、コントロール性を保つ。加えて空気抵抗係数も改善され、リアアクスルに働くダウンフォースは高いレベルに維持される。

システム作動時はフロントエンドのラジエターエアアウトレットが開き、気流をダブルリアディフューザーへ向けて正確に導く。こうして、リアディフューザーに入る気流も最適化され、リアアクスルの操縦安定性が高まるとともに、リアの熱を持つポイントの温度上昇を抑制する。さらに、ブレーキディスクに流れる冷却気の量を増大させることで、制動力を高める。

2021年シーズンのF1第2戦でデビュー予定

このメルセデスAMG GT Rが、2021年シーズンのF1セーフティカーに起用される。新色のブライトレッドは、メルセデスAMGのシグネチャーカラーだ。メルセデスAMGが特別に開発したカーボンファイバー製のルーフライトバーが装備されており、フラッシュライトが取り付けられている。

インテリアは、ディスプレイが2つ追加された。1つの画面で、F1のレース中継を見ることができる。もうひとつの画面には、各F1マシンの位置が表示される。車内は無線LAN通信が可能なホットスポット化されている。

なお、メルセデスAMG GT Rの新セーフティカーは4月18日、イタリア・イモラで決勝レースが開催される2021年シーズンのF1第2戦でデビューする予定だ。

《森脇稔》

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