アストンマーティン初のSUV、『DBX』…F1メディカルカーに起用

60年ぶりのF1参戦マシンにインスパイアされたカラーリング

4.0リットルV8ツインターボは最大出力550ps

レーシンググローブが計測したドライバーの生理学的データをリアルタイムで表示

アストンマーティン DBX のF1メディカルカー
アストンマーティン DBX のF1メディカルカー全 9 枚

アストンマーティンは3月8日、SUVの『DBX』(Aston Martin DBX)が2021年シーズンのF1の公式メディカルカーに起用されると発表した。2021年シーズンは、アストンマーティンと従来からのメルセデスAMGの2つのメーカーが、公式メディカルカーを供給する。

60年ぶりのF1参戦マシンにインスパイアされたカラーリング

アストンマーティンDBXのメディカルカーは、ライムグリーンのアクセントを配した「2021アストンマーティン・レーシンググリーン」をまとう。この色は、「アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラ1」チームのマシンからヒントを得たものだ。

アストンマーティンが、60年にわたるブランクを経て、F1に復帰したことを記念して、特別に開発されたグリーンだ。フロントバンパーの下部には「ライム・エッセンス」のピンストライプが添えられた。このカラーは、アストンマーティンのレースの血統を物語るものだという。

また、アストンマーティンDBXのメディカルカーには、FIAメディカルカー専用グラフィック、LEDリアナンバープレート、ルーフレールに装着したLEDライトバーなどが追加されている。

4.0リットルV8ツインターボは最大出力550ps

パワートレインには、4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンが搭載される。すでに、スポーツカーのヴァンテージや『DB11』にも搭載されているこのV8エンジンは、DBX用にさらに性能が引き上げられ、最大出力550ps、最大トルク71.4kgmを引き出す。

トランスミッションは9速ATだ。アクティブ・セントラル・ディファレンシャルとエレクトリック・リアLSD(eデフ)を備えた4輪駆動システムにより、車両の前後および左右のリアアクスル間で、トルクを正確に配分することができる。動力性能は0~100km/h加速を4.5秒で駆け抜け、最高速は291km/hに到達する。

高性能なDBXによって、FIA医療チームは緊急事態に迅速に対応することが可能になる。アストンマーティンらしいサウンドを奏でる「アクティブ・エキゾースト・システム」により、DBXは外見ばかりでなくサウンド面でも存在感を発揮するという。

後席は2シーター化され医療バッグやAEDも搭載

F1の公式メディカルカーには、大型の医療バッグ、AED(自動体外式除細動器)、消火器2台、火傷対応キットなど、多くの装備を搭載する。容量632リットルのトランクスペースを備えたDBXには、充分な余裕があるという。

インテリアのトリムは、市販車から変更はない。ただし、リアシートの中央席は取り外されて、乗車定員は4名とした。それぞれの位置に6ポイントのセーフティーハーネスを備えたスポーツバケットシートが装着されている。

運転席にはドライバーを務めるアラン・ヴァン・デル・メルヴェ氏、他の席にはFIAフォーミュラ1のメディカル・レスポンス・コーディネーターのイアン・ロバーツ氏と現地の医師が乗り込む。残りの1名分は、ドライバーを乗せてピットレーンまで移動しなければならない時のために、空けてある。

レーシンググローブが計測したドライバーの生理学的データをリアルタイムで表示

ダッシュボードには2つのスクリーンが設置されており、レースのライブ映像を表示する。もう1つのスクリーンには、最先端テクノロジーを駆使したレーシングローブが計測するドライバーの生理学的データがリアルタイムで表示され、事故発生時には、ドライバーの状態について重要な情報を手に入れることができる。「マーシャリング・システム」と後方の状況を伝えるカメラディスプレイも搭載されている。

F1の公式メディカルカーの開発は、アストンマーティンの英国本社のエンジニアリングチームが担当した。英国シルバーストーンにあるアストンマーティンの施設において、高速耐久性評価やアグレッシブなサーキット走行などを初めとするテストを繰り返した。あらゆる天候条件で性能を発揮できるよう、ダイナモ気候チャンバーでのテストも行われた。

なお、アストンマーティンDBXの公式メディカルカーは、2021年シーズンのF1開幕戦として3月28日に決勝レースを行うバーレーンGPにおいて、実戦デビューする予定、としている。

《森脇稔》

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