ボルボカーズ、グーグル「アンドロイド」ベースのインフォテインメントを拡大採用 2022年型から

グーグルの「アンドロイド・オートモーティブOS」を車載化

ドライバーの注意散漫を減らすのが狙い

インフォテイメントシステムに「ボルボ・オン・コール」を組み込む

ボルボカーズのグーグル「アンドロイド」ベースのインフォテインメントシステム
ボルボカーズのグーグル「アンドロイド」ベースのインフォテインメントシステム全 8 枚

ボルボカーズ(Volvo Cars)は3月9日、グーグル(Google)と共同開発した「アンドロイド」ベースのインフォテインメントシステムを、『XC60』や『V90』、『V90クロスカントリー』の2022年モデルに拡大採用すると発表した。

グーグルの「アンドロイド・オートモーティブOS」を車載化

ボルボカーズは2017年5月、次世代コネクテッドカー技術の開発において、グーグルと提携を結んだ。ボルボカーズとグーグルは、過去数年にわたり、インフォテインメントシステムを共同開発してきた。

その成果を生かして、ボルボカーズは2019年秋に発表されたEVの『XC40リチャージ』に、アンドロイドベースのインフォテインメントシステムを初採用した。このアンドロイドベースのインフォテインメントシステムには、「グーグル・アシスタント(Google Assistant)」、「グーグル・マップ(Google Maps)」、「グーグル・プレイ・ストア(Google Play Store)」が組み込まれた。

この新しいシステムによって、グーグルのオープンソース・アンドロイド・プラットフォームの「アンドロイド・オートモーティブOS」を車載化し、グーグル・マップ、グーグル・アシスタントの他、世界各地の開発者のコミュニティが作成した自動車用アプリなどのサービスをリアルタイムで更新できるようになった。

ドライバーの注意散漫を減らすのが狙い

アンドロイド・オートモーティブOSの特長的機能のひとつに、何百万人もの開発者が慣れ親しんだアンドロイドのオペレーティング・システムを採用しており、車載用に調整されているという点がある。車両にはグーグルとボルボカーズが共同で開発したテクノロジーとサービスが組み込まれており、グーグル・プレイ・ストアを通じて自動車用に最適化し、適合させた音楽アプリやメディア・アプリを追加で入手できる。

グーグル・アシスタントは、音声だけで車両の機能を使用し、完了させることができる。例えば車内の温度調整や、目的地の設定、「スポティファイ(Spotify)」などのアプリで好きな音楽やポッドキャストの再生、メッセージを送信して連絡を取り合うことも可能だ。

この機能統合がドライバーの注意散漫を減らすことになり、ステアリングホイールを握ったまま運転に集中できるようになる。グーグル・アシスタントでは、対応するボルボ車でスマートホーム機器を利用したり、情報を取得したりすることもできる。スマートホームは、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの技術を駆使して、住む人にとってより安全・安心で快適な暮らしを実現する住宅を指す。

インフォテイメントシステムに「ボルボ・オン・コール」を組み込む

また、グーグル・マップは、最新の地図や交通に関するデータをリアルタイムで提供し、ドライバーにこれから向かう先の交通状況を知らせ、積極的に代替ルートを提案する。最新の地図データを使用して、先進運転支援システム(ADAS)の機能を強化し、ルート上の制限速度やカーブなどの重要な情報を提供することも可能だ。

ボルボカーズは、ソフトウェア・エンジニアやデジタル・サービス・プラットフォームの「ボルボ・オン・コール(Volvo On Call)」などを活用して、ソフトウェアやコネクテッドサービスの開発も継続している。

新しいインフォテイメントシステムには、ボルボ・オン・コールが組み込まれる。ボルボ・オン・コールでは、寒い冬の日にあらかじめ車内を温めたり、大規模な駐車場で自車の駐車位置を確認したり、リモートコントロールでロックやロック解除を行ったり、デジタルキーで車両を共有することもできる。

ボルボカーズは、携帯電話で慣れているのと同じエクスペリエンスを顧客に提供するために、運転中のハンズフリーインタラクションに適合させている。また、アンドロイドベースのインフォテインメントシステムを搭載したすべてのボルボ車で利用できるデジタルサービスパッケージも導入している。

《森脇稔》

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