マクラーレン 720S に「GT3X」、レーサーベースのサーキット専用車…750馬力

世界のレースで活躍している720S GT3

数々のレース向け専用装備を搭載した720S GT3

レース参戦を想定していないGT3XはGT3よりも200ps以上パワフル

マクラーレン 720S GT3X
マクラーレン 720S GT3X全 11 枚

マクラーレンオートモーティブは3月15日、マクラーレン『720S GT3X』(McLaren 720S GT3X)を発表した。

同車は、マクラーレン『720S』のレーシングカー、マクラーレン『720S GT3』をベースに、サーキット走行を楽しみたいという個人ユーザーに向けて開発された。公道走行は不可のサーキット専用車になる。

世界のレースで活躍している720S GT3

ベースモデルの720Sと同じように、720S GT3には軽量かつソリッドなカーボンファイバー製「モノケージ2」シャシーを使う。設計と開発は、英国サリー州ウォーキングのマクラーレンオートモーティブのGTレース専用施設で行われた。720S GT3はすべて、手作業で組み立てられており、世界のGT3カテゴリーのレースで活躍している。

マクラーレン720Sのレーシングカー、マクラーレン720S GT3では、ベースモデルの720Sの90%以上のコンポーネントが、変更や最適化された。ボディ、エアロダイナミクス、サスペンションの変更に加え、トランスミッションの改良や、新しいブレーキシステム、ピレリ製レーシングタイヤが組み合わされ、サーキット走行への対応が図られた。

エアロダイナミクス性能はさらに改良され、サーキットでの安定性とエアロダイナミクス面での効率性を追求した。カーボンファイバーと複合素材を使った軽量のボディパネルは、すべて720S GT3専用。専用設計のリップスポイラー、フロア、ダイブプレーンがフロント部分の特長だ。リア部分には、エアロダイナミクスを最適化したGT3 仕様の大型リアウィングを装着する。

数々のレース向け専用装備を搭載した720S GT3

パワートレインは、レース用に開発されたM840T型4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンだ。このエンジンは、一般的なレースに加えて、耐久レースでの効率性向上を目指して、トルクカーブを改良した。6速シーケンシャルパドルギアボックスには、シフトスピード、操作性、信頼安定性を向上させる電動シフトアクチュエーターが追加されている。

トラクションコントロールやABSは、コックピットから調整可能。外部から調整できるソールズベリータイプのLSDも組み込まれた。新しいブレーキシステムは、ブレーキキャリパーの設計を最適化し、ブレーキの冷却性能を向上させた。新しいリアサスペンションのジオメトリと、4段階での調整が可能なダンパー&スプリングの組み合わせにより、コーナー進入時の安定性を向上させているという。

また、ドライブシャフトとホイールハブはレース仕様になっており、すばやく交換可能なセンターロックホイールを装着する。エアジャッキシステムも内蔵された。ペダルボックスとステアリングホイールの位置は調整可能で、リアビューカメラ、ダッシュボード一体型ディスプレイ、タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)が付いたレーダーシステムは、オプション。FIA(国際自動車連盟)公認のGT3レース向け装備には、ロールケージ、ウイング形状のヘッドレストシート、6点ハーネスシートベルト、ルーフハッチシステム、サイドインパクト保護フォームが含まれている。

レース参戦を想定していないGT3XはGT3よりも200ps以上パワフル

この720S GT3をベースに開発されているのが、720S GT3Xだ。720S GT3Xは、最も厳しい世界の複数のサーキットにおいて、集中的なテストプログラムに取り組んでいる。

720S GT3Xでは、強化されたパワートレインや最適化された冷却パッケージを備えた「GT3エアロパッケージ」を装備する。パフォーマンスレベルは、目標として設定されたすべての数値を満たし、または超えているという。

マクラーレン720S GT3Xは、720Sのプラットフォームをベースに、サーキットでのパフォーマンスを追求している。M840T型4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、レースのGT3レギュレーションによる制限が解除された結果、720S GT3よりも200ps以上パワーが引き上げられ、720psを獲得する。「プッシュツーパスシステム」によって、パワーを30ps追加し、750psとすることもできる。

インテリアは720S GT3に対して、ロールケージのデザインなど、一部パッケージが見直された。これにより、オプションで助手席を取り付けることができる、としている。

《森脇稔》

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