【ヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21】夏場のノーマルタイヤ代わりにオールシーズンもアリ!…石井昌道

ヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21
ヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21全 34 枚写真をすべて見る

首都圏以西の太平洋側など、非降雪地帯の自動車ユーザーにとって、冬のタイヤ選びは悩みの種だ。

たまの降雪に備えて万全を期すなら、冬を迎える前にあらかじめスタッドレスタイヤに履き替え、春になったらノーマルタイヤに戻すことになるが、手間暇やコスト、タイヤの保管場所などを考えると躊躇してしまう。

レスポンス編集部の吉田瑶子さんも、そんな悩みを抱える一人。東京在住でウインタースポーツの趣味はないから雪道を走る機会はほとんどないが、取材・撮影など愛車のCX-5(ディーゼルの6MT!)で遠方に赴くことも多く、そこで雪が降ったらどうしよう、という不安を抱えている。スタッドレスタイヤを持っていれば安心だけれど、それほど出番はないだろうし保管場所の確保もたいへん。そこで最近話題のオールシーズンタイヤをチョイスすることにしたという。

今回は東京から雪国を目指してドライブし、性能を確かめてみることにした。雪国とはいえ、大抵は除雪が行き届き、もうすぐ冬も終わりという季節とあって積雪した道路はあまりなさそうなのだが、スキー場へのアプローチや駐車場などには雪が残っているだろう。

1年中履いておけるオールシーズンタイヤBluEarth-4S AW21

1年中履いておけるオールシーズンタイヤBluEarth-4S AW211年中履いておけるオールシーズンタイヤBluEarth-4S AW21
そもそもオールシーズンタイヤとは、その名が示す通り季節を問わず走行できるタイヤで雪道にも対応している。スタッドレスタイヤのように雪道・凍結路に特化しているわけではなく、それよりも一般的なノーマルタイヤ(夏タイヤ・サマータイヤとも呼ばれる)に近い性格をもっている。今回チョイスしたBluEarth-4S AW21は、欧州で冬用タイヤとして認証されたスノーフレークマーク付きで日本の冬用タイヤ規制でも通行可能。雪に強いオールシーズンタイヤという触れ込みだ。

特徴的なV字型のトレッドパターン特徴的なV字型のトレッドパターン
CX-5に履かせたBluEarth-4S AW21は、特徴的なV字型のトレッドパターンが目をひく。ラギッドな雰囲気もあり、SUVとのルックス的なマッチングは上々。センターに直線溝があり、そこから太めのグルーブ(溝)がV字型に外に向かっていく。雪や水を効率よく排出するための形状だ。センター付近はブロックが小さいが、外側に向かうにつれて大きくなっていくのも特徴。センターで雪道やウエットでの性能を確保しながら、外側ではドライ路面でのしっかりとした走りを実現するというコンセプトがみてとれる。

ノーマルタイヤとも遜色ないほどの優れた静粛性

今回のドライブは、ほとんどがドライ路面になる見込みだったが、トレッドパターンを眺めていて少し心配だったのがノイズ。走行するとタイヤの溝のなかの空気が動いて発生するヒューといった音、ブロックが路面を叩いたときのゴーといった音などが、その太いグルーブや外側の大きなブロックによって、もしかしたら出やすいのではないか?と思っていたのだ。

ノーマルタイヤと勘違いしそうなほどの優れた静粛性ノーマルタイヤと勘違いしそうなほどの優れた静粛性
ところが街中を走り始めてみて「おや?」と思わされた。これは本当にオールシーズンタイヤなのかと疑うぐらいに静か。というか知らなければノーマルタイヤと勘違いしそうだ。助手席の吉田さんも「これまで装着していた純正タイヤのヨコハマGEOLANDAR G98(ノーマルタイヤ)とほとんど変わらないと思います。毎日乗っている私でも、タイヤを履き替えたことに気づかないぐらい」と満足そうに話す。スタッドレスタイヤはノイズが大きくなることが多く、車内で音楽を聴くのが楽しみな吉田さんは、それも導入に踏み切れなかった理由だそうだ。

関越自動車にのって速度を高めていってもノイズは気にならなかった。ディーゼル・エンジンは100km/hを6速1800rpmほどの低回転で巡航できるのでエンジン音はほとんど耳に届かない。パターンノイズやロードノイズといった、タイヤと路面が接触することで発生する音も気にならないレベル。もちろん無音ではないが、耳に付きやすい『ヒュー』といった音程がないから不快にならないのだ。高速巡航では風切り音がもっとも大きく、他のノイズをかき消してしまうが、そもそもCX-5は2代目となって車両全体の静粛性が大いに向上しているから、絶対的な音量は小さく、総じて快適だ。

高速道路やワインディングでも安心できる直進安定性とハンドリング

だから「今日は嬬恋村を通るから、野菜直売所で美味しいキャベツを買いたいね」「絶対にゲットしましょう」などと80−100km/hで高速移動している車内での他愛のない会話も弾む。それは静粛性の高さだけではなく、ドライバーがリラックスしてドライブできる直進安定性の高さがあってこそでもある。路面の荒れや横風といった外乱で進路が乱されたとしても修正が容易で、感覚的にはステアリングにそっと手を添えていれば自然と直進が保たれる。これもまたノーマルタイヤとかわらぬフィーリングであり、スタッドレスタイヤだったらいくらドライ性能を得意とするモデルでもあり得ない。

ハンドリング性能もノーマルタイヤとさほどかわらない印象ハンドリング性能もノーマルタイヤとさほどかわらない印象
上信越自動車道の碓氷軽井沢ICで降りればすぐにワインディングロードだ。ここでもBluEarth-4S AW21はノーマルタイヤとさほどかわらない印象だった。コーナーへ向けてステアリングを切り始めた瞬間の手応えがわずかにマイルドになっているかな?とは思うものの、ロードスターを彷彿とさせるような一体感の高さが魅力のCX-5のハンドリングはしっかりと堪能できる。

軽井沢の街を抜け、標高の高い北軽井沢、浅間高原まで登っていっても雪はまったく見られなかった。嬬恋村の広大なキャベツ畑も雪に覆われてはおらず土が露出している。一般道をひた走ること約1時間半。菅平高原の裏道で待望(!?)の積雪路に遭遇した。

積雪路では雪をしっかりと噛みしめてグリップしてくれる

グルーブが太いので目詰まりせずに効率よく排雪してグリップ力を保ち続けるグルーブが太いので目詰まりせずに効率よく排雪してグリップ力を保ち続ける
まずはソロリと走り始めてみるが、BluEarth-4S AW21は雪をしっかりと噛みしめて走っていく。試しに安全な場所で強めにブレーキングしてみたが、ABSが作動しながらもグググッと強力に速度を落としてくれて安心感が高かった。雪が踏みしめられておらずフカフカとしたところでも、グルーブが太いので目詰まりせずに効率よく排雪してグリップ力を保ち続ける。

せっかくだから吉田さんに運転を代わってみると「平坦な道はもちろん、カーブでもしっかりグリップしてくれるので安心して走れました。坂道も拍子抜けするほどスムーズに登っていけます」という。走り始めは慎重すぎるぐらいだったが、徐々に慣れて肩の力も抜けたようだ。

坂道も拍子抜けするほどスムーズに登っていく坂道も拍子抜けするほどスムーズに登っていく
少しでも滑るとドキッとするのがイヤで、いままでスタッドレスタイヤ装着車でさえも雪道ドライブはなるべく避けていたという吉田さんだが、今回を機に考え方が変わったようだ。無理をせず、路面の状態をよく見ながら走れば怖がることはない。これなら、東京よりは積雪の可能性が高い北関東の実家へも、冬だって安心して帰れそうだと微笑む。BluEarth-4S AW21が雪に強いというのは本当だ。

ただし、注意が必要なのがオールシーズンタイヤは凍結路を得意としていないこと。降雪地帯をよく走るのなら、やはりスタッドレスタイヤを装着するべきだろう。吉田さんのように非降雪地帯に住みながらも、突然の降雪に予定を左右されるのが心配、といった悩みを抱えていた人にベストなのがオールシーズンタイヤであり、ドライ性能がノーマルタイヤ並で雪に強いBluEarth-4S AW21は間違いのないチョイスだ。

ドライのみならずウェットでもノーマルタイヤと肩を並べる性能
非降雪地帯ユーザーなら通年BluEarth-4S AW21で問題なし

静粛な車内で会話を楽しみつつ、雪をもとめてひた走っていたために嬬恋村でキャベツを買うのを忘れたが、帰路の最後のサービスエリア、三芳SAの産直野菜コーナーで無事にゲット(同じ群馬県だが前橋産だった)。BluEarth-4S AW21の、ドライ路面での静粛性や安定性、雪道での安心感を確かめられたドライブの締めくくりは楽しい買い物だった。

ヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21ヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21
後日、吉田さんからメールが来た。
「昨日、すごい雨のなかで走ったのですが、カーブでもイメージ通りに曲がれるし、ブレーキで止まるときもグッとグリップしてくれるフィーリングで安心感がありました。あと、キャベツ、甘くて美味しかったです」。

BluEarth-4S AW21のウエット性能は、低燃費性能とウエット性能を高いレベルでバランスさせたヨコハマのスタンダード低燃費タイヤECOS ES31とほぼ同等。ドライのみならずウエットでもノーマルタイヤと肩を並べるのだ。これなら非降雪地帯ユーザーが通年で使えるのはもちろんのこと、冬場はスタッドレスを履く降雪地帯ユーザーが、夏場にノーマルタイヤがわりにBluEarth-4S AW21をチョイスするのもありだろう。季節はずれのまさかの降雪にあったとしても、安心・安全でいられるからだ。

モータージャーナリストの石井昌道さんとレスポンス編集部 吉田瑶子とヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21モータージャーナリストの石井昌道さんとレスポンス編集部 吉田瑶子とヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21
ヨコハマタイヤ BluEarth-4S AW21の詳細はこちら

石井昌道|モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストに。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイクレースなどモータースポーツへの参戦も豊富。ドライビングテクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

《石井昌道》

この記事はいかがでしたか?

ピックアップ