消えるJRの列車公衆電話…各新幹線が6月30日限りで終了

クロ151の車内で通話をしている乗客。この頃の列車内通話は交換手経由で、沿線としか通話できなかった。
クロ151の車内で通話をしている乗客。この頃の列車内通話は交換手経由で、沿線としか通話できなかった。全 4 枚

新幹線を運行するJR旅客5社とNTTコミュニケーションズは3月18日、新幹線で行なっている列車公衆電話サービスを6月30日限りで終了すると発表した。

「近年、携帯電話の普及により列車公衆電話サービスのご利用が減少していることに加え、トンネル内などを含め、すべての新幹線で携帯電話の利用が可能になったこと」を理由としており、列車によっては6月7日から利用できないことがあるという。

国鉄・JRにおける列車内の通話サービスは、東海道本線の客車特急『つばめ』『はと』の1等展望車内で行なわれたものが最初のようで、1960年6月には151系特急型電車で運行されていた東京~大阪・神戸間の電車特急『つばめ』『こだま』の2等特別座席車(翌月から1等特別座席車)に引き継がれた。

この特別座席車は、大阪方に連結された4人用個室と1人掛けリクライニングシートを備える開放室からなる合造車クロ151形で、「パーラーカー」とも呼ばれた。車内には電話用のジャックが設けられており、係員が電話機を提供して通話する仕組みとなっていた。硬貨を投入して通話する公衆電話もモハシ150形のビュフェ室に設置されており、1964年10月に開業した東海道新幹線でも翌年から引き継がれた。

寝台特急『北斗星』のロビーカーにも公衆電話が設置されていた(奥に透けて見える緑部分が公衆電話)。2002年12月。寝台特急『北斗星』のロビーカーにも公衆電話が設置されていた(奥に透けて見える緑部分が公衆電話)。2002年12月。

JR移行後は在来線特急にも公衆電話が設置されるようになったものの、1990年代後半に急速に普及した携帯電話に押されて減少の一途を辿り、在来線からは2012年3月に姿を消していた。新幹線では2004年6月に着信通話が終了しており、発信のみに対応していた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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