【次世代モビリティに向けた変革のススメ】先進自動車開発の明暗を分けるポイントとは

【次世代モビリティに向けた変革のススメ】先進自動車開発の明暗を分けるポイントとは
【次世代モビリティに向けた変革のススメ】先進自動車開発の明暗を分けるポイントとは全 1 枚

いま自動車開発の世界に何が起こっているのか?
2025年から2030年にかけてガソリン車、ディーゼル車の新車販売禁止が世界的な趨勢となるなか、2030年代にはレベル5の完全自動運転車が実用化され、2045年以降にはレベル3の自動走行車が高速道路を出て市街地を自由に走るような時代になると言われている。

ICTとデータ活用による都市機能の高度化を目指すスマートシティにおいても、自動車を筆頭にモビリティが果たす役割は大きいと見られるが、その定義や実際の活用法は現在の自動車とは違ったものになるはずだ。

1870年にオーストリアでガソリン車が発明されてからおよそ150年。日本はもとより世界経済を牽引してきた自動車産業はこの先どのように変わっていくのか。

本連載では、CASE(コネクティッド化、自動運転化、シェアリング/サービス化、電動化)へと舵を切った自動車業界のいま、そしてこれからをアクセンチュアで自動車産業領域を担当するスペシャリストたちが論じる。

第1回となる今回はソフトウエア化の流れに翻弄される日本の完成車メーカーや主力サプライヤーが直面する自動車の開発プロセスの課題をあぶり出す。

米中欧メーカーの後塵を拝する日本メーカー

2020年の世界新車販売台数で、ダイハツ工業、日野自動車を含む、トヨタ自動車グループが、5年ぶりに1位に返り咲いた。2位はフォルクスワーゲングループ、3位はルノー・日産・三菱の3社連合が続く。

このランキングを見る限り、日本の完成車メーカーの存在感はいまだ健在と言えそうだが、電気自動車やプラグインハイブリッド車のメーカー別販売台数に目を転じると、読者の皆さんはまた違った感慨を抱くかもしれない。

ランキング上位を占めるのは、テスラ、フォルクスワーゲン、BYD(比亜迪自動車販売)米欧中勢で占められ、一瞥して日本の完成車メーカーを見つけるのは難しい。10位圏内にすら見当たらないからだ。

さらに、自動運転車開発の中心地であり一大実験場とされる米カリフォルニア州での自動運転車の公道実験データに目を転じればその感慨はおそらく確信に変わるだろう。

GMの子会社であるGMクルーズ、グーグル傘下のウェイモ、中国の大手IT企業百度(バイドゥ)などの米中のIT企業が際立つ一方で、日本の完成車メーカーの存在感は米中勢に圧倒され、先進開発領域において他国メーカーの後塵を拝している状況だ。

《岡村 暁生》

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